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運動と脳のまだあまり知られていない関係。筋トレで脳が巨大化し、快感を感じる理由とは?

うおおおおおぉぉおお!!
限界まで運動した後って、気持ちいいですよねぇ。

運動の気持ち良さを表す「ランナーズハイ」な~んて言葉があるくらい、運動の後は気分が高揚しますよね。「乳酸の向こう側」や「限界の向こう側」なんて呼ばれる状態は、明らかに脳に大きな変化を及ぼしているのが感じ取れます。

そんな運動と脳の関係を、科学的に解き明かしていきます。

さらにそれだけにとどまらず、「運動で脳が巨大化する?」という衝撃の事実も添えて、アナタの知識欲をみたしていきますよー!


ランナーズハイは、科学的に実証されている。

ランナーズハイ

筋トレやランニングの途中や、トレーニングの後に快感を感じた経験がある人は多いのではないでしょうか?いわゆるランナーズハイってヤツ。
「スポーツ用語」って感じがするワードですが、科学的にも証明された理論です。

例えば、2002年に行われたドイツの研究では、20km以上を走り抜いたランナーの脳をPET CTを使って測定。
脳の前頭葉が活性化され、
脳内麻薬エンドルフィンの受容体が活性化していることが示されました。


つまり、運動の後には「幸福物質」や「脳内麻薬」と呼ばれるβ-エンドルフィン等が分泌され、痛みや苦しみをやわらげ、不安を減少させます。


運動をすると、メンタルも健康になるってのは科学的?

15人に1人

「不安の減少」と言う観点から、運動が気分に及ぼす効果はいくつも検証されています。特に、15人に1人が罹患し、日本全国で100万人はいるといわれる「うつ病」を運動によってかなり防げるかもしれないということが判明しています。

「精神の健康は肉体に宿る!とにかく体を動かせ!」ってのは、脳まで筋肉でできている感じがして、僕はすごくイヤなんですが割と科学的に正しいようです。それを証明する研究がコチラ。

2003年にPreventive Medicine誌に掲載された研究では、8,098人のアメリカ人を対象にした横断研究が行われています。その結果、運動習慣がある人はメンタルの病にかかりにくいことが示されました。

■運動をしている人はメンタルの病にかかりにくい
・うつ病の発症率:25%低い
・パニック症候群の発症率:27%低い
・社会不安症の発症率:45%低い
・広場恐怖症の発症率:44%低い

この結果は、運動習慣がある人は、メンタルの病にかかる確率が低い。というだけで、「運動すればメンタルが健康になる」という意味ではありません。

ですから、もっと調べてみると、「運動はうつ症状を抑えるのに有効な効果がある」ことが示されていました。効果が長期的に続くわけではないので、本格的なメンタルの治療には、医師やカウンセラーのヘルプが必要だと思われます。(Krogh, Jesper. 2011など)

しかし、少なくとも「運動でメンタルが改善する」ことは、
科学的に検証された事実です。

リモートワークで知らぬ間に精神の疲労がたまっていませんか?
散歩程度の運動も十分効果的
ですよ。


■筋トレで脳が巨大化する?

脳の中で記憶を司る場所、知ってますか?
それは、「海馬」です。

海馬は記憶を司る有名な部位です。前頭葉とか後頭葉とか、なんのっちゃ?って人も、「海馬」だけは知ってるというヒトも多いのではないでしょうか。

加齢によって海馬が委縮し、小さくなっていくと記憶力がどんどん衰えてしまうことが分かっています。脳の老化を防ぐ方法はほとんど見つかっておらず、非常に限られた手段しかありません。

しかし、「運動」は脳の老化を防ぐどころか、むしろ成長させる可能性がある、数少ない方法です。それを証明したのが2011年にPNAS誌に掲載された論文。

運動が脳に及ぼすポジティブ効果

運動はさまざまなポジティブ効果を与えます。

・運動は、栄養の源である血液を、より多く脳に導く。
・運動によって、海馬の体積が2%増加。
・加齢による脳の体積減少を防ぐどころか、1~2年分増加。

さらに、2015年に発表されたブリティッシュコロンビア大学の研究では、運動による脳機能の改善が、長期間の間続くことが示されています。

運動のポジティブ効果は長続き

研究チームは155人の高齢者を集め、週に1~2回の筋トレを行いました。
これを52週間(4.3か月)に渡って続けた結果、脳機能が向上しました。
さらに、トレーニングをやめた2年後もその効果が継続していたのです。

まとめると、運動すると神経細胞の産生と成長を促すBDNFが増えます。その結果、海馬が成長します。そして、運動を続けると、その効果は長続きします。

現在使用されている、記憶力を改善する薬と言えば、認知症の薬です。
しかし、認知症の薬に脳を良くする効果はありません。あれは認知症の症状を抑える薬でしかないのです。


もっと本質的に、脳機能を改善するには運動がイチバン。

脳の健康を保つには運動がベストな選択肢です。

今日のイチオシ本はコチラ。
いま私が書いた記事の100倍深い内容が書いてあります。

メンタルに不安がある人ほどオススメ。運動が好きではない人も、思わず運動の魅力に取りつかれ、ナゼか運動してしまう一冊です。ヒトによっては人生を変える一冊になるかも・・・??


今回のギモンの提供者

さすがNUまゆげさん!とも言えるような、筋肉や健康に関するテーマでした!いつも疑問をくれてありがとうございます!!!


運動のあとのサウナはいかが?


おしまい

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引用

Boecker, Henning, et al. "The runner's high: opioidergic mechanisms in the human brain." Cerebral cortex 18.11 (2008): 2523-2531.

Dinas, P. C., Y. Koutedakis, and A. D. Flouris. "Effects of exercise and physical activity on depression." Irish journal of medical science 180.2 (2011): 319-325.

Goodwin, Renee D. "Association between physical activity and mental disorders among adults in the United States." Preventive medicine 36.6 (2003): 698-703.

Krogh, Jesper, et al. "The effect of exercise in clinically depressed adults: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials." Database of Abstracts of Reviews of Effects (DARE): Quality-assessed Reviews [Internet]. Centre for Reviews and Dissemination (UK), 2011.

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