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17年に及ぶ追跡により判明。結婚した人が幸せになるのか?それとも幸せな人が結婚するのか?の結論。

『結婚は人を幸せにするのでしょうか、それとも幸せな人が結婚する可能性が高いだけなのでしょうか。』

今回は、17年にわたる長期的な研究で分かった、夫婦間の幸せに対する様々な影響を調べた研究をご紹介します。


結婚してる方がやっぱり幸せ。


結婚している人の方がしていない人に比べて幸せという見解は、昔から変わっていません。ただ、結婚が私たちを幸せにするのか、もともと幸せな人が結婚という手段をとっているのかは明らかではありません。


そもそも、結婚することによる健康上のメリットとは


・男女ともに1回でも結婚していると、1回もしていない人より幸福度UP。
・薬物乱用リスク低下。
・うつ病になる確率減少。
・より長生きすることが出来る。

これらの理由となるのは、
①自分の人生のストレスを一人で抱え込まずに逃避できる。
②孤独に苦しむことなく協力して生きていける。

と、結論づけられています。

人間はとっても孤独に弱い生き物です。パートナーや家族がいることでそれを回避することが出来ることは、それ自体大きなメリットになります。
『自分を理解してくれる人が一人でもいる』というのは大きな強みになり、私たちの幸福度を高めます。


結婚してる人は幸せだけど・・・

・人生を通して一番幸せなのは、20代までに結婚する人達。
・30歳前後で結婚する人は、20代で早めに結婚する人達よりも”平均的な”満足度が低いが、結婚してからは早めに結婚した人たちとの満足度はあまり変わらない。
・1回も結婚を経験していない人達は常に満足度が低め。


基本は若い時に結婚するのが良いかもです。子供が欲しいならなおさらですね。ややこしいですが、30代で結婚する人は、20代での幸福度が高めの人が多かったのです。

だからまだ20代くらいの人であれば、『パーリーピーポーしてても幸せだからOK!30代で結婚出来れば幸せ!』という戦略をとってる人たちは結構幸せかもしれません。


ただし、『50代後半からはどのタイプの人たちもあまり満足度が変わらない』ので、一人が楽なんだ!という人が無理に結婚する必要はありませんよ!


結婚による幸せはどのくらい続くのか


1991年に観察された21809人の研究によると、
『結婚する3年前くらいから幸せ度がUPし、結婚半年位でMAXになり、2.5年後くらいで元に戻る。』
これは30代以降で離婚する人達も同じようなパターンを示すことが分かっています。ただし、「そもそもの満足度が低めなので、臨界点より低くなると離婚する。」といった傾向がみられます。


つまり、結婚による幸せには時間切れがあります。だから50代以降の人生の満足度は結婚しようがしまいがほとんど変わらないんですね。ですから『結婚にこだわりすぎることなく、自分の好きな事やチャレンジしたいことを見つけることも非常に重要』ですよ。



共働きと専業主婦 or 主夫はどちらが幸せか。

若干ではありますが、共働きより専業主婦 or 主夫の方が満足度が高いようです。
共働きだと二人の時間を作りにくく、思い出を共有しにくいというのが原因として考えられています。

研究が2006年と少し古めなので、共働きの家庭がほとんどの現状で、同じ研究をしたら少し結果が変わるかもしれません。



結婚に悪影響を与えるポイント


教育レベルが大きく異なるカップルは結婚により幸せを感じることが難しいです。

『夫婦が似た者同士』ということは結婚の満足度にとても重要。似ている方が上手くいきます。教育レベルというのはその人の人格の基礎になる部分なので、やっぱり大事なんです。

ただし、教育レベルが違うからうまくいかないという話ではありません。一緒になにかを作ったり、分担したり、旅に行ったり、レジャーを楽しんだりと、いろんな経験を共にすることでカップルの満足度は高くなることが分かっています。ロミオとジュリエットの愛も工夫すれば成立しますから、努力しましょう!!


まとめ


『結婚は人を幸せにするのでしょうか、それとも幸せな人が結婚する可能性が高いだけなのでしょうか。』

この質問の結論はこうです。
・結婚は人を幸せにします。
・幸せな人は結婚し、その後離婚する可能性も低いです。
・ただし、50代以降の幸せは結婚の有無であまり変わりません。
・だから、今を精いっぱい生きて自分の幸せを自分なりに掴むことが重要です。


引用
Stutzer, Alois, and Bruno S. Frey. "Does marriage make people happy, or do happy people get married?." The Journal of Socio-Economics 35.2 (2006): 326-347.
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S1053535705001745?via%3Dihub




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