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クラウドファンディングのリスクを知り、成功に導く4つの方法

 コチラの記事では、クラウドファンディングとは何か?について、わかりやすく4つのタイプに分類して、仕組みをご紹介してきました。読んでない人はまずそちらから!


 今回は発展版です。
・クラウドファンディングのリスクをタイプごとに知り、失敗を避ける方法
・クラウドファンディングの成功に不可欠な4つの重要ポイント
・これですぐに始められる!クラウドファンディングの主要プラットフォーム6選。


今回の記事を読むメリット

 クラウドファンディングで出資する側も、資金調達をする側も、実際に活動していく中で陥るリスクはどのようなものがあるのか?を理解し、失敗をできる限りゼロに近づけていきます。


 さらに、既にクラウドファンディングが盛んな海外のデータと研究から分析し、クラウドファンディングの成功に必要不可欠な4つの要素を紹介。


 最後に2019年現在の主要プラットフォーム6選を紹介し、今日からクラウドファンディングを行うことが出来るようになるよう記事を構成しました。


 「クラウドファンディングは儲かるんだ!とりあえずプロジェクトを登録しよー!」なんて短絡的な思考で成功できるほど甘い世界ではありません。

 見切り発車で失敗する前にこの記事を読んで、自分に本当に適したクラウドファンディングを利用して、成功や幸せを掴みましょう。



クラウドファンディングのリスクを知り、失敗を避ける方法をご紹介。


■寄付タイプのクラウドファンディングの課題と対策

 寄付タイプの場合は、出資者がリターンを期待している場合が少ないので問題はほとんど起こりません。

 しかし、「ガンにおそわれた子供を救う!」「恵まれない子供たちに学校を作る!」などとても良い投資先にみえる場合でも、それ自体が嘘である可能性はどうしても拭いきれません。

 こういった詐欺に騙されない為には、過去の実績や信頼できる情報が公開されているか確認することが大切です。プロジェクトの進捗写真や動画が、フリー素材としてダウンロード可能な物に見えるときは相当注意が必要です。

 創設者側は、初めての資金調達の場合でも、自分たちにしか用意できない写真、ビデオ、音声などを使って透明性をアピールしましょう。



■報酬タイプのクラウドファンディングの課題と対策


 プロジェクトがサクセスした場合でも、製品の納入が遅れたりすることはよくあることだと知っておきましょう。

 報酬タイプは少額の場合が多いですが、資金が創設者によって有効活用されない場合もあります。多くのプロジェクトでは報酬が適切に支払われるので、過敏になる必要はありませんが、信頼性という点ではAmazonなど通販サイトには劣るということを知っておきましょう。

 個人的には、創設者の先進的なビジョンをサポートするという気持ちが大切だと思います。製品が必ず届く!と思っていると失敗する場合もあるので、製品が実際に届いたときには、投資してよかったなー!と噛み締めるくらいの気持ちで投資しましょう。ちなみに私は商品が来なかったことは一度もありません。



■株式タイプのクラウドファンディングの課題と対策

 通常、プロジェクトをサクセスに持ち込める会社の場合はその後控えるIPOや上場により価値を上げることが多く、高い報酬が見込めます。一方、早期の利益を追求する会社の多くでサービスの質が急速に低下することも多く、上場後に価値が暴落する可能性があるということを知っておきましょう。

 まだできたばかりの資金調達システムなので、これから法整備が進んでいく可能性もあります。これを投資の機会と考えるか、まだやめるべきと考えるかはあなた次第です。


 

■貸付タイプ(ソーシャルレンディング)の課題と対策


 支払いが全くないということは考えにくいですが、やはりリスクとして存在しています。信頼できる投資先かどうかはあらかじめ公開されているデータを使ってしっかり自分の頭で判断を下しましょう。

 ハイリスクハイリターンな投資であるということを肝に銘じておく必要があります。自分の資金の一部をこれに託すという使い方なら、通常の投資では得られない大きなリターンを得る良い手段です


 


クラウドファンディングを成功させる4つの重要ポイント。

1.SNSを制するものは、クラウドファンディングを制する

Facebookの友達やお気に入りの数、Twitterのフォロワーなどの数値が
早期の資金調達に強く影響することが複数の研究により明らかになっている。

 SNSで影響力を発揮できる人なら使わない手はありません。もしSNSアカウントがない場合は、まずはTwitterやInstagramなどのアカウントをブランディングしていくことが、クラウドファンディングの成功へと近づく第一歩かもしれません。

プロジェクトが成功に近付くほど、資金調達は成功しやすい。


  最初のスタートダッシュよりも、最後の方で速度アップするということです。プロジェクト立ち上げ時に伸びが悪くても、必ずしも諦める必要はありません。

 立ち上げ時にはSNSや家族など自分の持てるコネクションを総動員して、少しでもお金を調達できているという実績を示しましょう。

 実際、多くのサクセスしたプロジェクトで家族などの近親者の投資がプロジェクト立ち上げ期に多いことが分かっています。

クラウドファンディングのプラットフォーム内(CAMPFIREなど)で、
出資者と創設者の間でグループを形成できる場合、
グループ内でのコミュニケーションによって
取引の質が向上したり、資金調達の量が増える傾向がある。


 コミュニティやグループの作成機能があるプラットフォームでは必ず活用しましょう。もしない場合は、SlackやLINEの@LINE機能でも構いません。出資者とは積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。


2.情報は5感に訴える方法で伝えよ!

 プロジェクトの目的や価値の紹介には、
動画や写真、3D画像やわかりやすいイラスト、
チャットなどを有効に使いましょう。

 創設者がどれだけ素晴らしいプロジェクトだと考えていても、その良さを出資者に伝えられていない場合は、出資という行動に繋げることはできません。

 SNSやクラウドファンディングのプラットフォーム上でプロダクト紹介を行う時は『5感に訴えるアプローチ』で、わかりやすく提案していきましょう。

自分のプロジェクトはテキストだけになっていませんか??



3.クラウドファンディングの特徴を活かし、出資の動機を用意しろ!

クラウドファンディングを使って出資する人の52%は35歳未満。
出資者の22%は出資により報酬をもらえていません。

 しかし、報酬がないのにも関わらず、多くの出資者は何度も出資を行います。これは市場が3兆を超えるほどまでに成長していることからも明らかです。なぜでしょうか?

 クラウドファンディングの主な動機は、「他と比較して明らかにトク」ということではなく、「新商品や新サービスを利用できる」という気持ちだったり、「大きな目的をサポートして成功の手助けをしたい」という気持ちです。特に後者は寄付タイプのクラウドファンディングでの強力な動機になります。

 たとえばコチラ。大阪府三島救命救急センターの存続をさせる資金について。既にサクセスしているプロジェクトです。


 ここのコメントをみると、

 自分や家族が脳卒中や小児の高熱で助けられたエピソードがたくさん寄せられています。その気持ちを寄附という形にして、実際に存続をサポートできる機会になっているのです。

 資金調達と言うと良いイメージはないかもしれませんが、このようなケースだったら、出資者は嫌な気持ちなんて全くないと思いませんか?

 むしろ自分が力になれて嬉しい。そんな気持ちになるでしょう。



4.信頼性と透明性を担保せよ!


信頼性と透明性はクラウドファンディングの成功に不可欠です。

 クラウドファンディングは創設者へお金を渡すという形態をとります。少額なことが多いとはいえ、銀行に貸す時のように担保はまったくありません。

 逆に、何度もサクセスしているプロジェクトであれば、信頼性が高まり、次のプロジェクトもサクセスする可能性が高まります。繰り返しの寄附活動においても、お金を正しく使っていることを示していると資金調達はより簡単になります。いくつかの実績があることも、クラウドファンディングの成功には重要です。

 もし資金調達が初めてだからと言ってあきらめる必要はありません。自分のプロジェクトが如何に有用か。成功することが明確かをデータに基づいて示しましょう。寄付型のプロジェクトの場合であれば、どれだけ困っているか、そこに投資することでどれだけの人が助かるのか。その点について出資者に伝えてください。


これですぐに始められる。クラウドファンディングの主要プラットフォーム6選。

 実際に出資してみたい!プロジェクトを立ち上げてみたい!という人の為に、主要なクラウドファンディングのプラットフォームをまとめておきます。

1.CAMPFIRE


 今、日本で最も勢いのあるプラットフォームといえばCAMPFIRE。
寄付・報酬タイプのクラウドファンディングをやってみたい人にオススメ。どれも少額から出資可能な場合も多いのでとっつきやすいのも◎ポイント!

 純粋に応援したいな~!という気持ちをそそるようなプロジェクトがたくさんあるので、是非リンクを飛んでみて欲しいプラットフォームです。

 創設者としてプロジェクトを立ち上げてみたい人にも、このページで資料請求や、スタッフへの相談ができるようになっているので嬉しい所。
 
 お笑い芸人、キングコングの西野さんの絵本、「えんとつ町のプペル』の個展を入場無料で開催したい!というプロジェクトもCAMPFIREでサクセスしたプロジェクトの一つです。


2.Readyfor

日本のクラウドファンディングとしては最も歴史あるプラットフォームの一つ。寄付タイプのプロジェクトに特化しており、社会的な意義が強いプロジェクトがとってもたくさんあります。

たとえばこちら。


フィリピンの貧困地区のスラム街で、プロの演奏家目指して夢を追いかける、フィリピンの子供たちの弦楽オーケストラを応援するプロジェクト。


 寄付タイプのクラウドファンディングは他のタイプのものよりも魅力を感じにくいかもしれませんがそれは大きな間違い。

 例えば、出資して、ビデオレターが送られてきた子どもたちの様子をみながら、オーケストラを実際に聞きに行ったらどんな気持ちになります?

 その感動は、ただ子どもが演奏してかわいいなぁという感情とは全く違うものでしょう。幸せに近づくという意味では、5千円の何かを買うよりも大きなものを得られると、私は思います。


3.FUNDIMO

株式タイプのプラットフォームです。
CAMPFIREやReadyforとは違い、寄付・報酬タイプのプロジェクトではなく、株式タイプのみの紹介となっている為、1回に募集するプロジェクトの数は少ないですが、数多くの資金調達を成功に導いているプラットフォームです。


4.EMERADA EQUITY : エメラダ・エクイティ


 こちらもFUNDIMOと同じ株式タイプのプラットフォームです。FUNDIMOとの違いはプロの投資家が投資したベンチャー企業に相乗りする投資形態をとっていることです。クラウドファンディングの一番の問題点である信頼を、プロの投資家が補填してくれているので、安心感が高まりますね。


5.SBIソーシャルレンディング


 投資をしたことがある人ならご存知、SBIが運営する、貸付タイプのソーシャルレンディングと呼ばれる種類の金融プラットフォーム。


 普通の投資には少し飽き飽きしている。でも株式タイプのクラウドファンディングほどリスクは摂りたくないんだよねー。という人にオススメ。利益は毎月分配されるシステムなので、それが嬉しいという人にも。


6.Kickstarter

日本のプラットフォームだけ紹介しようかとも思いましたが、クラウドファンディングと言えばKickstarterというくらいメジャーなプラットフォームなので、あえて紹介させていただきます。

 10周年を迎える歴史あるプラットフォームです。特徴としては、完全なオールオアナッシングであること。つまり、プロジェクトが完了しなければ、支払いをしてもらうことも、お金を請求されることもないということです。

 クラウドファンディングのキホンのキを知りたい人はまずKickstarterのページを見てみてください。


まとめ

いかがでしたか?前編と併せて読めば、かなりクラウドファンディングの内容には詳しくなれるはずです。この知識を活かして幸せに近づいてくださいね♪


引用

Hossain, M., & Oparaocha, G. O. (2017). Crowdfunding: Motives, Definitions, Typology and Ethical Challenges. Entrepreneurship Research Journal, 7(2). doi:10.1515/erj-2015-0045 
https://www.degruyter.com/view/j/erj.2017.7.issue-2/erj-2015-0045/erj-2015-0045.xml

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