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そらをとべないぼくたちの

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雑記/エッセイ まとめ。
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2019年10月の記事一覧

こんな激情までなんとか形を整えようとか

 
流れ星が流れたとき、あわててお願いするの、いつも“しあわせになれますように”って、そんな漠然とした願いだった。かみさまも困っちゃうよね、ねぇ、しあわせなんて不確かで、曖昧なもの。

 

短い恋がぼんやり終わったりしました、ひとを大事にするとかひとに愛されるとか愛するとか、自分に自信が持てないとどうしてこんなに難しいんだろうと思う、それ以外しあわせなんてないような気さえするのに。
まるごと詩に

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手をつないで白い食器をえらぼう

 
だいすきなおともだちのお家、あそびにいって彼女の生活する姿を見るたびに、なんてうつくしいんだろうとおもう、キッチンに立つ姿も、洗濯物を干す姿も、身支度をする姿も、ほんとうになきたくなるくらいうつくしくて、ものすごくただしく見えるの。
 
 
ひとが生きてる姿、生活、完璧なすがたでないそれが、この世でいちばんうつくしくて詩のようだと思うから、なおさら自分の生活のいびつさが腹立たしくなったりするの

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きみの泣き顔が見たいとか

 
踏んだことのないその表面の凹凸を、見たことのないその裏側の湾曲を、想像する。
うさぎの宴、星が映る飲み物の色や、重力を持つ食べ物の感触、真実なんてどうでもよくって、例えばひとりで本を読む痩せたうさぎは、かわいそうだから、存在しないことになりました。三日月、陰になったその隅から聴こえる鼻歌は、三十八万キロ先まで届かないのです。
孤独って、目に見えたりするんですか?
 
(散文『クレーターの真ん中

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おめでとうって、祝われて、あなたを祝って、いきていきたいよ

おめでとうって、祝われて、あなたを祝って、いきていきたいよ

 
今日はお誕生日みたいです、
すきなひとたちも、Twitterとかでも、たくさん祝っていただけてうれしい、ありがたいね。

せっかくだし幼き日の写真をくっつけてみました、母子手帳、見せてもらったら、15時40分に産まれたんだって。20年以上生きてきて、はじめてちゃんと知った気がする。

 

誕生日、祝われるのってしあわせです、存在するだけで肯定されてるみたいな気分になるから、しあわせ、だから歳

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眠たい夜の眠らない祈り

 
やせたいけどとびきり甘いものがたくさん食べたくって、
すきだけどかなしくて、
自由にいきたいけどひとりはさみしくて、
かわいくなりたいけどそれだけが価値だとは思いたくなくて。

いきるって矛盾だらけねって、コーヒーの入ったあったかいマグを両手で持ちながら目を伏せてつぶやくから、なんにも矛盾してないよ、わがままではあるけどねって、笑いながら言ってほしい、きみでもあの子でもあなたでもなく、性も恋も

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いつかきみにいうただいまの

ふるさとはもう寒いですか、いい感じに涼しくなりました、目を瞑る、聞こえてくる動物の鳴き声が徐々にやんで、人の声に変わる、過去から未来に飛んでいく、もしもし、現在のわたし、身動きの取れぬあなたがいる場所を、ふるさとだと思えるようになりますか。
………… 
遅れたようにひっそり形を変えてやってくるかなしみを、食べて生きるようになって、大抵の大人たちがずっとこうしていたんなら、大人になってみたいかもしれ

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きみがふぅっと息をかければ、あの火、たぶん簡単に消えちゃうけど

 
好きな小説にうつくしいひとは住んでたし、好きな歌手が今のあたしのどうしようもなさ、上手にうたってたし、だいじなこと、声にして話すのは今日もニガテだし、ほんとやんなっちゃう、
それでも、書きたいなって、好きな本より好きな歌よりもっともっと、切実に、特別に、うつくしく、書いていたいなって、思っちゃうの、ほんと、やんなっちゃう、やんなっちゃうよね。

 
詩になれないもやもや、切り取って形を整えて

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