手をつないで白い食器をえらぼう

 
だいすきなおともだちのお家、あそびにいって彼女の生活する姿を見るたびに、なんてうつくしいんだろうとおもう、キッチンに立つ姿も、洗濯物を干す姿も、身支度をする姿も、ほんとうになきたくなるくらいうつくしくて、ものすごくただしく見えるの。
 
 
ひとが生きてる姿、生活、完璧なすがたでないそれが、この世でいちばんうつくしくて詩のようだと思うから、なおさら自分の生活のいびつさが腹立たしくなったりするの、
例えばもうすこしつよく生きられて、それで自分の居場所を上手に確保して維持できるようになったら、そんなふうにただしく、清潔に、生活できるのだろうか、
例えば愛おしいだれかと暮らすようになって、そのひとの生活のうつくしさを近くで見ていられるようになったら、うまく眠れるだろうか、柔軟剤の香りや包丁のリズムで、もっと素直にしあわせでいられるだろうか、
 
わたしもうつくしく、なれるのだろうかって、思ったりするけどきっと難しい、だれかと比べてしまうのもだれかを妬んでしまうのも自分に自信がないからで、
あーやっぱりさ、完璧じゃないきみが、あの子が、あなたが大好きでいちばん綺麗で最高で愛おしいよって、思ってんのに自分は完璧じゃなきゃって焦っちゃうよ、
絵画みたいに綺麗な人になりたいし、ほら、泣いたり焦ったり喚いたり転んだりすんのやだし、ひとりでも余裕で生きて、見返りも求めずに誰かを助けて、地位も名誉もお金も生きてける分だけでいーのにってけらけら笑えるようになっちゃいたい。

 
 
ねぇきみたち、きみたちは、そりゃもう歪だってなんだって愛おしいだけのいきものだけど、わたし、わたしという生き物だけは完璧じゃなきゃあいされないんじゃないのって、不安、いっつも不安になったりするんです、面倒だよねぇ、
それでも一緒にいてくれるひとたち、しあわせでたまんないし、いつかふたりで生活をつくってくれるひと、笑ってだきしめてくれたりしたらさ、そりゃもうわんわんないちゃうくらい、うれしいんだろうな。
だからわたし、そんな自分のために、がんばらなきゃねぇ。








生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。