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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2020年10月の記事一覧

絨毯の上のストラテジー

 
いきぬかなければならないひとはしななければならないひとでもあって、からだは一日に数回、たわんでいる、ここは地球です、と、定めたのが神様やその使いであったとしても、わたしたちはそれを疑わなければいけない、できれば、朝、目を覚ますたびに、そうして、新しい名前をひとつ、考えたりして。
 
 
砂糖は何杯、入れますか、ミルクは入れますか、あなたのコーヒーの飲み方を知っていれば、ねむるときにいつでもお腹

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来世はいちまいの葉になって

 
たとえば骨がいっぽん、折れたとしても気づかないくらいの平穏、わたしがかみさまだったら永遠のあいだ、きっといちまいの小さな葉が枯れるのをじっと、じっとただ見ている1年があると思う、ひとは、時間を殺した瞬間に(故意でなくとも)そうやって残酷になったり鈍感になったりするのかもしれない、どこの樹に住んでいたのかもわからない折れた枝を拾ったことがある、どの花と生きていたのかもわからない汚れた花弁を捨てた

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スリープウォーカーは孵らない

 

よるがこんなにながいので
蛍光灯を点滅させる
モールス
いみもなく夜ですと伝えにゆく
よるがこんなにながいので
空想の中で帰路につく
コスモス
すきかって道路にはみだしていく
よるがこんなにながいので
心臓にまで学ばせようとする
アクセス
かわるがわる情報は入れかわっていく
 
 
ながいよるを終わらせるボタンをもっているのはきみだけで、なのにきみはそのことを知らないので、たとえば寝返りをう

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きみは裁判員のアリス

 
イヤホンは飾りになる、感情は風になる、暴言を吐かれる、ついぞ見られなかった夢が目の前で逆再生されている、ぼくたち(と、ついつい君のことまで包含しようとしてしまうのをゆるしてほしい)は、あるときを境に、細胞の数をかぞえはじめる、生というものの酸味がそこにあると、十(とお)までしか数えられないおとこが被告人席で高らかに叫ぶ、羊は銀色の毛を逆立てて有罪と宣告する。
 
 
流刑地の街には蛇がいっぴき

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