スリープウォーカーは孵らない

 

よるがこんなにながいので
蛍光灯を点滅させる
モールス
いみもなく夜ですと伝えにゆく
よるがこんなにながいので
空想の中で帰路につく
コスモス
すきかって道路にはみだしていく
よるがこんなにながいので
心臓にまで学ばせようとする
アクセス
かわるがわる情報は入れかわっていく
 
 
ながいよるを終わらせるボタンをもっているのはきみだけで、なのにきみはそのことを知らないので、たとえば寝返りをうつ背中が、電気を消そうとするその指が、廊下にふみだしたその足が、わたしの、身体にふれようとするその心が、瞳が、手が、偶然ボタンを押したりしてようやく、ようやくよるは明けはじめる、わたしにも、きみのよるを終わらせるボタンをあずけてほしい、知らないうちに、知らないうちに、
 
 
蛍光灯は点滅する
モールス
いみもなく夜ですと伝えあう
よるがこんなにながいので
よるがこんなにながいので
 


生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。