きみは裁判員のアリス

 
イヤホンは飾りになる、感情は風になる、暴言を吐かれる、ついぞ見られなかった夢が目の前で逆再生されている、ぼくたち(と、ついつい君のことまで包含しようとしてしまうのをゆるしてほしい)は、あるときを境に、細胞の数をかぞえはじめる、生というものの酸味がそこにあると、十(とお)までしか数えられないおとこが被告人席で高らかに叫ぶ、羊は銀色の毛を逆立てて有罪と宣告する。
 
 
流刑地の街には蛇がいっぴきもいない
 
 
がたんごとん、
 
がたんごとん、
 
 
あの街にいちばん近い踏切の遮断機が下りっぱなしになる、いま、未来永劫、電車は走りつづけることになりました。

 
 
 
 
 
 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。