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深夜、堕落したブルーライト、ぼくら勝手に孤独になって輪廻。

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散文詩/自由詩まとめ。
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2020年7月の記事一覧

ロストサマー・バタフライ

 
あおいろの蝶がはばたくと君の匂いがするから、ぼくは夏に置いていかれるんだと思った。
 
 
こころ とか
君を構成するもの
窓みたいなかたち
クリーム色の木の枠の
窓みたいなかたちをしている
 
適切な風がふく夕方にそっと
ぎいと音を立てながら開け放ってみる
あの蝶がそういう、そういうものだったとして
あの色は空からうばいとったのだと思った
もう今日はこんなにあかいのに
君の匂いをおもいだすの

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くじらの歌うトリガー・アンハッピー

 
ほんとうにいいたいことなんてもっと、乱暴なくらい散らかっているのに、ぼくたちはいつも銃弾がひとつだけ込められた拳銃を手渡されている、いちばん、だいじなところを撃つんだよ、例えば心臓とか、そういうところ、教えてくれたひとはいつだって変に優しくって、あぁきっと、このひとは、ためらいなく、まちがいなく、一発で、そういうところを撃ちぬけるひとだと思った。

しなないためには間違えてはいけなくて、間違え

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未来なんかにきらわれちゃった

 
せまいワンルーム
捨てられたミラーボール
ほしいものもいらないものも
大体わたしよりエモーショナル
インテリアになりたくないから
ほんとうはみんななくてもいい
花を1輪だけ買おう
きみが来るころには枯れるから
きみが来るころには枯れるから
 
 
愛しかないってこのままじゃ
証明しちゃう部屋の香り
好きだよって言われるのって
かわいいねっていわれることより
どれくらいうれしいんだろうか
どれ

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