くじらの歌うトリガー・アンハッピー

 
ほんとうにいいたいことなんてもっと、乱暴なくらい散らかっているのに、ぼくたちはいつも銃弾がひとつだけ込められた拳銃を手渡されている、いちばん、だいじなところを撃つんだよ、例えば心臓とか、そういうところ、教えてくれたひとはいつだって変に優しくって、あぁきっと、このひとは、ためらいなく、まちがいなく、一発で、そういうところを撃ちぬけるひとだと思った。

しなないためには間違えてはいけなくて、間違えないためには清潔でなくてはいけなくて、絶え間なくやわらかな柔軟剤の匂いがする。まわるまわる洗濯機のいちばんそこの海に、いつか打ち捨てられていたくじらの尾っぽを預けてみたい。弔いはいつだって自分勝手で無責任にあるのだと、教えてくれたのもあのひとだった、
あのひとが、心臓の燃えかすを、チョコレートにまぜこんで食べたときだった。

清潔であることは鈍感であることとはちがうって、それだけが、ぼくがあのひとに反抗できる唯一なのかもしれない、いつまでも震える手で、呼吸もままならないまま、
ぼくが引き金をひくときは。











生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。