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長編詩!📖『海』

『海』


私の部屋の窓からは 海が見える
生まれたときから 家を出るまで
ずっと見てきた海 それが太平洋

田舎を離れて 住んだところから
見える山々は 季節ごとに美しい
その彩りに 何度も癒されてきた

とともに 海のにおいも懐かしい
故郷の持つ 不思議な力を考える
帰れなくても 記憶だけは里帰り

海を見ている時に 感じる安心感
同時に 湧き起こってくる不安感
こんな気持が 何度も行き来する

過去に浸り 微笑みを浮かべる私
未来を見つめて 怯えてしまう私
大海も 小さな心は変えられない

ある声に誘われ 空を見上げると
ツートンカラーの 海鳥たちの姿
陽光により 銀色に見えたその姿

海鳥が 時間を引き戻してくれた
過去と未来を 駆け巡っていた私
私は心で叫んだ 今だ今なんだと

過去も未来も 「今」という時に
一切の時間が 含まれているのだ
ほんの一瞬で 繋がってしまった

田舎の地で 海だけを見てきた私
忘れていたのか 空があることを
海鳥は 空と海をも繋いでくれた

海を眺めながら 育ってゆく人も
山々に囲まれて 育ってゆく人も
大空を見上げれば 思い出すはず

時間も空間も 人も海鳥も地球も
全てにおいて 垣根なんかないと
なぜ今まで 忘れていたのだろう

自分だけの幸せなんて 願わない
他人だけの不幸も 絶対望まない
自他ともの幸福だけが 私の祈り

海にしがみついていた 小さな私
成長していこう 今だけを大切に
共に歩んで行こう ただ一つの道

つらい過去を 振り返ってみても
まだ見ぬ未来を 心配してみても
私たちの日々は 何も変わらない

しかし 母なる大地は知っている
一歩でも 進もうとしている人を
だから進むしかない 振り返らず

日常の中にこそ 希望があるのだ
自分を信じる力 他人を信じる心
手に取る武器は これだけでいい



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