体や言葉が変わっても、自分は自分と言えるだろうか?
先日、伸びた爪を切って小瓶に保存して日付を記録していると、ある考えが頭に浮かんだ。
それはこの、自分の体についてだった。
ひと月前の爪と、たった今切った爪は、当然ながら同じものではない。
ヒトの体の細胞は、4年ですべて入れ替わるという話を聞いたことがある。
爪なんかはしょっちゅう切っているから、もっと短い時間のはずだ。
それならば、僕を僕たらしめる約60兆の細胞はコンビニの陳列商品さながらの出入りを繰り返しているということになる。4年もたてば、アルバイトの顔ぶれすら