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先生が先生になれない世の中で

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雑誌「クレスコ」に好評連載中の教育研究者・鈴木大裕さんの教育事情レポート。
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#部活

先生が先生になれない世の中で(15)「学校部活動の地域移行」~教職員の分断を絶対に認めない~

先生が先生になれない世の中で(15)「学校部活動の地域移行」~教職員の分断を絶対に認めない~

9月6日に開会する土佐町議会にて、「学校部活動の地域移行」に関する意見書を提出する。このような形で国に対して意見を表明することは、地方自治法第99条にて地方議会に認められた大事な権利だ。いま国が進めようとしている「学校部活動の地域移行」も課題が山積みで、多大な影響を受ける地方自治体として黙っているわけにはいかない。

この意見書は、4月から月一回程度、「教職員の働き方改革」と「学校部活動の地域移行

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先生が先生になれない世の中で(10)学校部活動の「地域移行」という名の「民営化」

先生が先生になれない世の中で(10)学校部活動の「地域移行」という名の「民営化」

鈴木大裕(教育研究者・土佐町議会議員)

「中学校に入ったら何の部活に入る?」そんな会話が過去のものとなりつつある。

私が子どもの頃は、中学校に上がれば運動系や文化系の様々な部活があって、誰でも自分が選んだ部活に入れるのが普通だった。その意味で部活動は、分け隔てなく与えられた子どもたちの「権利」だった。ただ大事なのは、その権利を保障してきたのは政府ではなく、教職員だったということだ。

政府は部

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