マガジンのカバー画像

僕らと命のプレリュード 本編

65
僕プレの小説の本編はこちら。 現代異能ファンタジー。異形の怪物と戦う少年少女の物語です。 過去にエブリスタで連載していたものの修正版です。エブリスタでは限定公開だったエピソー…
運営しているクリエイター

#創作

僕らと命のプレリュード 第5話

僕らと命のプレリュード 第5話

 特部に入隊することになった聖夜と柊は、琴森と真崎に寮を案内されていた。

「ここが聖夜君、隣が柊さんの部屋ね」

「すごい……綺麗だし、キッチンもお風呂もトイレも付いてる!」

 柊が目を輝かせた。柊の言う通り、それぞれの個室には二口のガスコンロがついたキッチンと、少し小さめの浴槽がついた風呂がついている。ちなみに、トイレと風呂は別だ。

「一応説明しておくと、大浴場は廊下を曲がって右。共同キッ

もっとみる
僕らと命のプレリュード 第4話

僕らと命のプレリュード 第4話

 4人が報告のために総隊長室に向かうと、そこでは夏実が千秋と言い合いをしていた。必死の形相で迫る夏実に対して、千秋は表情を変えない。

「何で2人を特部に入れたの!?能力の希少性?それとも……」

「夏実姉ちゃん!?」

「聖夜、柊……!」

 夏実は2人を見つけるやいなや駆け寄った。

「怪我してない?大丈夫!?」

「大丈夫!」

「大丈夫だよ。だから、落ち着いて?」

「っ……よかった、無事

もっとみる
僕らと命のプレリュード 第3話

僕らと命のプレリュード 第3話

 聖夜と柊が談話室から外に出ると、黒い乗用車が2人を待っていた。

「白雪さん達は!?」

 聖夜が問うと、運転手は冷静に答えた。

「先に行かれました。2人も早く乗って下さい」

 促されて車に乗り込もうとしたその時だった。

「おーい!」

 後ろから真崎が紙袋を持って追いかけてきた。

「2人にこれを!」

 真崎から手渡されたのは青いマントだった。

「これって……?」

 柊が首を傾げる

もっとみる
僕らと命のプレリュード 第2話

僕らと命のプレリュード 第2話

 千秋に車で連れられて来たのは、町の郊外にある立派な黒い建物だった。警察署と似たつくりの、3階建ての建物。玄関の、艶のある黒い壁には、金色の文字で「特殊戦闘部隊 中央支部」と刻まれている。

「着いたぞ」

「ここが特部の本部……?」
 
 柊が尋ねると、千秋は頷いた。

「ああ。ここは本部兼中央支部だ」

「支部ってことは、他にも部署があるんですか?」

「そうだ。その事についても中に入って話を

もっとみる
僕らと命のプレリュード 第1話

僕らと命のプレリュード 第1話

あらすじ

誰もがアビリティという異能を持つ世界。

母の遺言を守るために戦いたいと願う双子、聖夜と柊。ある日2人は「特殊戦闘部隊」にスカウトされる。それは、「高次元生物」から人々を守るための組織だった。

特部には様々な思いを抱いた隊員がいた。抱えるものは違うが「高次元生物から人々を守る」という同じ思いを胸に、共に戦いながら成長していく。

しかし、 彼らに敵対する者達も現れた。その正体は未来人

もっとみる