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僕らと命のプレリュード 本編

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僕プレの小説の本編はこちら。 現代異能ファンタジー。異形の怪物と戦う少年少女の物語です。 過去にエブリスタで連載していたものの修正版です。エブリスタでは限定公開だったエピソー…
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僕らと命のプレリュード 第64話

僕らと命のプレリュード 第64話

「聖夜っ……聖夜!!」

 自分の名前を呼ぶ声が聞こえて、聖夜が目を開けると、そこは中学校の屋上だった。柊が泣きながら聖夜の顔を覗き込んでおり、彼女の涙で、聖夜の頬が濡れている。

「……柊」

「聖夜……!よかった……」

 聖夜が起き上がると、他の仲間達も聖夜を囲んで安心した表情を浮かべていた。

「聖夜君……無事でよかった」

「もう……心配したのよ?」

「俺も焦ったぜ!」

「こ、これで

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僕らと命のプレリュード 第63話

僕らと命のプレリュード 第63話

『町には無数の狼がいるわ。その根源……アビリティ発動者を叩くのが先決よ!』

『天ヶ原中学校上空にアビリティ反応確認!あの黒い城が本拠地だと思われます!』

「了解!」

 聖夜達は琴森と真崎の声に頷き、天ヶ原中学校を目指す。しかし、狼達がそれを阻むように聖夜達へ襲いかかる。

「『かまいたち』!」

 翔太が放つ風の刃が、狼達を切り裂いた。切り裂かれた狼達は砂のようにサラサラと消滅していく。

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僕らと命のプレリュード 第62話

僕らと命のプレリュード 第62話

 2人はタイムマシンに乗って、現代の特部中央支部へ向かっていた。聖夜がタイムマシンの操縦桿を握り、柊がすぐ傍に立っている。

「みんな、大丈夫かな……」

「……信じるしかないね」

 その時。唐突に通信機から琴森の声が聞こえてきた。

『聖夜君、柊さん!』

「琴森さん!?」

『良かった。やっと繋がった!……総隊長、2人と連絡が取れました!』

 琴森がそう言うと、声が千秋に切り替わる。

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僕らと命のプレリュード 第61話

僕らと命のプレリュード 第61話

「はっ……!」

 聖夜が目を覚ますと、タイムマシンの中に居た。自分の右手が握られているのに気が付き確認すると、柊が泣きそうな顔で聖夜を見つめていた。

「柊……」

「聖夜……生きてる?」

「……うん」

「良かった……ほんとに、良かった……」

 柊はそう言って、起き上がる聖夜に抱きついた。

「柊……心配かけて、ごめんな」

「ううん……。あ、聖夜!その右目の色、旭と同じ……!」

「目の

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僕らと命のプレリュード 第60話

僕らと命のプレリュード 第60話

 聖夜達の乗ったタイムマシンは、時空の狭間を走行していた。

「……これから、どうすればいいんだろう」

 聖夜はそう呟いて窓の外を見た。七色の光に包まれた空間を、タイムマシンはひたすら進んでいく。

「柊。俺達、どこに向かってるんだ?」

「……多分、過去に向かってる」

「過去か……」

「……みんなが心配だし、早く元の時代に戻った方がいいかな?」

「うん……そうだな」

 聖夜がそう言うと

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僕らと命のプレリュード 第59話

僕らと命のプレリュード 第59話

* * *

 聖夜達が中央支部に戻ると、琴森が待ち構えていた。

「琴森さん!今朝の任務って……朝丘病院の任務ですよね?」

 聖夜が尋ねると、琴森は真剣な顔で頷いた。

「そうよ。さっき総隊長が、アビリティ課の準備が出来次第、すぐに任務を開始すると指示を出していたわ」

「そうなんですね……。他のみんなは?」

「もう談話室で待機してるわ。あなた達もみんなと一緒に待機して」

「分かりました。

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僕らと命のプレリュード 第58話

僕らと命のプレリュード 第58話

 南日本支部での戦闘から離脱したウォンリィは、ノエルと共に廃病院の廊下を歩いていた。彼は、前を歩くノエルの背中を3歩後ろからついていく。

 ノエルの質のいい金髪が、窓から差し込む夕日の光でキラキラと輝いた。その光景が、ウォンリィが彼に着いていこうと決めた日と重なる。

(……綺麗だ。傍に寄ることが躊躇われるぐらいに。貴方は、いつだってそうだ)

 ウォンリィは切なげに目を伏せながら、彼と出会った

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僕らと命のプレリュード 第57話

僕らと命のプレリュード 第57話

 一方、聖夜と柊は南日本支部に到着していた。高台に建てられた建物のため見晴らしが良いはずだが、霧に包まれて周囲が見渡せない。

「……すごい霧」

「ああ……」

 柊に相槌を打ちつつも、聖夜の頭の中は別のことでいっぱいだった。

(ノエル……俺達の敵なのか?それに高次元生物は元人間……俺、ちゃんと戦えるのかな?)

「聖夜?」

「あ……なんでもない」

「ならいいけど……任務なんだから、集中し

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僕らと命のプレリュード 第56話

僕らと命のプレリュード 第56話

 イグニは、北日本支部から廃病院へ、キューブのワープ機能を使い戻ってきた。

 深也に締め上げられた腕が、今になってズキズキと痛む。

(あいつ、意外と馬鹿力だったな)

 深也達との戦いを思い出しながら、イグニは小さく微笑む。

(久々に楽しかった。戦争を知らない甘ちゃんだと見くびっていたが、特部の連中、なかやかやりやがる)

 イグニが微笑っていると、廊下の向こうからエリスとアリーシャが歩いて

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僕らと命のプレリュード 第55話

僕らと命のプレリュード 第55話

 花琳と白雪が西日本支部に到着していた頃、翔太、深也、海奈の3人も北日本支部前に到着していた。

「あれは……!」

 3人は目を疑った。北日本支部が、青い炎に包まれて燃え盛っていたのだ。職員と思しき人々が建物を遠巻きに見ている。その中にマントを身につけた隊員の姿は無かった。

「あ!あなた達中央支部の!」

 人だかりの中から、ショートヘアの小柄な女性が駆け寄ってきた。

「北日本支部の方ですか

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僕らと命のプレリュード 第54話

僕らと命のプレリュード 第54話

「……アリーシャ、大丈夫?」

 エリスは心配そうにアリーシャを見上げて尋ねた。

「顔、すごく怖いよ……?」

「あ……ごめんなさい」

 アリーシャは慌てて笑顔を作り、エリスの頭を撫でた。

「昔のことを思い出していたの」

「昔のこと……?」

「ええ。戦争に巻き込まれて、家族を亡くして……ノエルとウォンリィに手を差し伸べられた時のこと。あの日……本当に、沢山のものを失ったわ」

 アリーシ

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僕らと命のプレリュード 第53話

僕らと命のプレリュード 第53話

 西日本支部で敗北を喫したエリスは、拠点である廃病院に戻ると、アリーシャと使っている病室に駆け戻った。

 エリスはドアを開け、ベッドの上に座って空を見ているアリーシャに抱きついた。

「アリーシャ!!」

「エリス……!?どうしたの?特部を倒しに行ってたんじゃ……」

「ダメだった……ダメだったぁ!!」

 エリスはアリーシャにくっつきながら、ボロボロと涙を流す。

「ねぇ、なんでエリス、お姉さ

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僕らと命のプレリュード 第52話

僕らと命のプレリュード 第52話

* * *

 白雪と花琳が西日本支部前に着くと、そこには膝の高さ程ある蜘蛛が大量発生していた。

 蜘蛛達は、頭部にある5つの目で2人を睨み付けると一斉に糸を吐いてきた。

「そうはいかないわ!」

 花琳が腕を振ると、無数の葉が飛んでいき糸を切り刻んだ。自分達の攻撃が防がれ、蜘蛛達が僅かに怯む。

「白雪君、今!」

 花琳の言葉に白雪は頷くと、右手を高く掲げ指を鳴らした。

「『氷結』!」

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僕らと命のプレリュード 第51話

僕らと命のプレリュード 第51話

 聖夜はマットレスを柊の部屋に運び込むと、床に敷いた。

「これでよしっと」

「すみません……手間をかけさせて……」

「あ、いいよいいよ!俺が手伝いたかっただけだから」

 聖夜はそう言って、申し訳なさそうな旭に笑いかけた。

「ゆっくり休んで、その怪我も早く治るといいな」

「は、はい……」

 裏表のない笑顔を向けられ、旭は顔を赤くした。その様子を見た柊が大きく咳払いをする。

「もう遅い

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