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さぶすクラシック日誌。2022年版...

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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#北欧

11月13日、マエストロ、ルイジの、ただならないアプローチが導く、息衝くニールセンに圧倒された!凄い...

ファビオ・ルイジ率いるDR交響楽団(デンマーク国立交響楽団)が、デンマークを代表する作曲家、ニールセンの交響曲のシリーズをスタート!その第一弾、4番、「不滅」と、5番。 Deutsche Grammophon/4863475 第一次大戦(1914-18)、デンマークは中立を宣言しながらも、大国、ドイツの圧力を受け、バルト海の封鎖に協力、結果、物流が寸断、厳しい状況に陥り... という最中、作曲された、ニールセンの4番の交響曲(1914-16)。国家存亡の危機を前に、滅ぼし得

11月12日、シベリウスの豊かなサウンドが洪水のように押し寄せてくる!ロウヴァリによる3番と5番、楽しんだ!

注目のフィンランドの次世代マエストロ、サントゥ・マティアス・ロウヴァリ率いる、イェーテボリ響による、シベリウスの交響曲のシリーズ、第3弾、3番と5番の交響曲。 ロウヴァリ+イェーテボリ響のシベリウスの交響曲のシリーズ、最新盤、待ってました!という第三弾は、第一弾(1番)の衝撃を再び味わうようなフレッシュさを放ち... 第二弾(2番)から1年の間(嗚呼、コロナ禍... )を置き、改めてシベリウスを、いや、音楽そのものを見つめ直すのか、ロウヴァリ+イェーテボリ響... ただシベ

11月11日、ラトヴィア、新旧世代による、シンプルさ、瑞々しい響き、惹き込まれます。

ギドン・クレーメル率いるクレメラータ・バルティカ、創立25周年記念盤、プラキディス、ペレーツィス、ペーテルソンズ、新旧ラトヴィアの作曲家、3人の"p"の作品を集めた、"ppp"。 ペトリス・プラキディス(1947-2017)の、2つのヴァイオリンのための小協奏曲、ゲオルクス・ペレーツィス(b.1947)の、フィオーリ・ムジカーリ、ソヴィエト時代に学んだ、ラトヴィアの巨匠の作品に、ラトヴィアの次世代、クリスタプス・ペーテルソンズ(b.1982)の、グラウンドに、"π=3.14

9月25日、傘寿、マエストロの、ロマンの終着、達観のシベリウスの後半の交響曲に、感慨...

ウェールズ出身のマエストロ、オウェイン・アーウェル・ヒューズとロイヤル・フィルによる、シベリウスの交響曲のシリーズ、その最後を飾る、第3弾、5番、6番、7番の交響曲。 このRUBICONからのシベリウスの交響曲のシリーズで知りました、オウェイン・アーウェル・ヒューズ。いや、ホント、ノーマークだった... ちなみに、お父様が、作曲家のアーウェル・ヒューズ(1909-88)。こちらは、薄っすら認識があったのですが... いや、マエストロ、1942年生まれということで、御年、80

9月24日、美しさと大胆さ、一筋縄には行かないランゴーの魅力を堪能する。

デンマークのピアニスト、ベーリト・ヨハンセン・タンゲによる、デンマークの作曲家、ランゴーのピアノ作品のシリーズ、最新盤、2つの『花の描写』、2番のソナタなどが取り上げられる、Vol.4。 デンマークの不遇の天才、ランゴー(1893-1952)。コペンハーゲンで音楽一家に生まれ、新時代の音楽家を育てることに尽力したホーネマン(1840-1906)に師事、若くして才能は開花、海外で作品が取り上げられるも、国内では理解されず、長らくオルガニストとして生計を立てながら、静かに作曲活

9月23日、北欧ロマン主義、オペラも魅力的!ホーネマンの『アラジン』、侮るなかれ!

デンマークのマエストロ、ミカエル・シェーンヴァントの指揮、デンマーク国立響の演奏、ブルール・マグヌス・トーデネス(テノール)のタイトル・ロール、デンマーク国立コンサート合唱団による、デンマークの作曲家、ホーネマンのオペラ『アラジン』。 クリスチャン・フレゼリク・エミール・ホーネマン(1840-1906)。 コペンハーゲンの音楽家一家に生まれ、作曲家だった父から音楽を学び、1858年、ライプツィヒ音楽院に留学(ここでグリーグと知り合う!)。帰国後の1865年、北欧の新しい世代

9月22日、ハーディングフェーレで『ペール・ギュント』を... 北欧ロマン主義の名作が、グっと味わい深くなって驚いた!

ノルウェーの民俗楽器、ハーディングフェーレも弾きこなす、ノルウェーのヴァイオリニスト、ラグンヒル・ヘムシングが、ヴァイオリンとハーディングフェーレを用い、ノルウェーの気鋭のアンサンブル、トロンハイム・ソロイスツとともに、グリーグの『ペール・ギュント』を奏でる! ノルウェーの民俗楽器、ハーディングフェーレ... ヴァイオリンに似ているけれど、ヴィオラ・ダ・ガンバから派生した楽器というのが、ポイント(象嵌細工はアクセント!)。で、そのサウンド、ガンバの透明感を引き継ぎつつの、ヴ

9月21日、シンプルだからこそ引き立つ、グリーグの瑞々しさ... 今、改めて、惹き込まれた!

イギリスの大ベテラン、ピアニスト、ピーター・ドノホーが、全10巻、66曲からなる、グリーグの抒情小曲集を録音するシリーズをスタート!で、その第1弾、「春に寄す」など、27曲を弾く... ピアノによる小品を6曲から8曲ごとにまとめた抒情小曲集... グリーグ(1843-1907)、24歳の年(前年にオスロのフィルハーモニー協会の会長に就任、翌年には、代表作、ピアノ協奏曲を作曲... まさに、順風満帆!)、1867年に第1巻が出版されて以来、58歳の年(健康状態が悪化、以後、作

9月20日、20世紀、スウェーデン、若きアルヴェーンの王道をゆくロマン主義、その勢いに痺れた!

アルヴェーン、生誕150年!ウカシュ・ボロヴィチの指揮、ベルリン・ドイツ響の演奏によるアルヴェーンのシリーズ、第3弾、2番の交響曲と、スウェーデン狂詩曲、第3番、「ダーラナ狂詩曲」。 ヒューゴ・アルヴェーン(1872-1960)。 ストックホルムで生まれ育ち、ストックホルム音楽院(1887-91)でヴァイオリンを学ぶと、ヴァイオリン奏者として宮廷楽団(1890-92)に加わる。その後、奨学金を得て、西欧各地でヴァイオリン、作曲、指揮を学び、研鑽を積むことに... 帰国後、1

9月19日、20世紀のミサ、現代の教会音楽、原点に立ち返る祈りの音楽に感慨...

リカルド・リンドベリ・カールソン率いるスウェーデンの合唱団、スンドビューベリ・ヴォーカルアンサンブルが、ヴォーン・ウィリアムズのミサと、スウェーデンの現代の作曲家による教会音楽を歌う、"Et in terra... "。 20世紀、イギリスを代表する作曲家のひとり、ヴォーン・ウィリアムズ(1872-1958)のミサ(1920-21)に、シェル・ペルデル(b.1954)、スタファン・イースベク(b.1955)、パウラ・アフ・マルムボリ・ウォード(b.1962)、ダーヴィド・オ

7月24日、民俗音楽×現代音楽、で、ノルウェーを旅する。

ノルウェーの民俗楽器、ハルダンゲル・ヴァイオリンを弾く、異色のヴァイオリニスト、クリシュナ・ナガラジャが、ノルウェーの民俗音楽をベースに新たな音楽を紡ぎ出す、"Tales from Norway"。 Challenge Classics/CC72914 インド系イタリア人、ナガラジャ... バロック・ヴァイオリニスト(ヴィオラも弾く!)として、イル・コンプレッソ・バロッコなど、ピリオド・オーケストラで演奏する一方、ケルト音楽や北欧の民俗音楽にも関心を寄せ、シベリウス音楽院で

4月27日、Z世代、マケラによるシベリウスの交響曲、全7曲が出現させる、"シベリウス・ワールド"の稀有な魅力に圧倒された!

フィンランド発の新たな才能、クラウス・マケラと、彼が率いるオスロ・フィルの演奏で、シベリウスの全7曲の交響曲と、未完の8番のフラグメント、そして、交響詩「タピオラ」。 DECCA/4852256 指揮者の音楽の掴み方って、時代性、あるなと... 少し前だと、解析的で、シャープな演奏(あれは"デジタル"な感性だったか... )がカッコよかったけれど、Z世代、マケラの指揮は、よりしなやかで、何物にも捉われないことから生まれる万能さ(スマホネイティブな感性?)が真新しく... そ