音のタイル張り舗道。インターリュード...

クラシックを幅広く聴いております。幅、広過ぎて、マニアックなところも、多々ありますが、…

音のタイル張り舗道。インターリュード...

クラシックを幅広く聴いております。幅、広過ぎて、マニアックなところも、多々ありますが、なればこそクラシックの隅々までを巡り、いろいろ書けたらなと... クラシックに籠められたストーリー、紐解けたらなと...

マガジン

最近の記事

4月5日、17世紀、自由都市ハンブルク流?ゼレのヨハネ受難曲は、ほんわかポップ!

アントニウス・アダムスクの指揮、ゲッティンゲン・バロック管&合唱団、ダンテス・ディヴィアク(テノール)の福音史家、ヤンノ・シェラー(バリトン)のイエス、ヨハネス・オイラー(カウンターテナー)のピラトで、17世紀、ハンブルクの音楽監督、ゼレのヨハネ受難曲。 Coviello Classics/COV92304 17世紀、イタリアで誕生したバロックが、アルプスを越え、ドイツでも受容されようという頃、その北の辺境に生れ、学び、活動したトマス・ゼレ(1599-1663)... イタ

    • 4月4日、バッハ、構築の極みと、ウェーベルン、抽象の極みが織り成す、絶対音楽の庭...

      ピリオドに軸足を置きながら、大胆に時代を飛び越えてゆくヴァイオリニスト、ロドルフォ・リヒターと、彼が率いるリヒター・アンサンブルの演奏で、バッハの『フーガの技法』と、ウェーベルンによる弦楽四重奏のための3作品... 絶対音楽の両極を並べる大胆な組み合わせ! passacaille/PAS1129 対位法の大家、バッハ(1685-1750)の集大成、『フーガの技法』に、12音技法を極めたウェーベルン(1883-1945)の弦楽四重奏のための作品、5つの断章(1909)、6つの

      • 4月3日、フランドル楽派の大家にしてヴェネツィア楽派の端緒、ヴィラールトの興味深さ... その興味深さを強調する受難曲からの復活祭モテット!

        トレ・トム・デニス(テノール)が率いる、ウィーン拠点の古楽ヴォーカル・アンサンブル、ディオニュソス・ナウ!が、ヴィラールトを歌うシリーズ、完結編、ヨハネ受難曲など... "ADRIANO 4"。 Evil Penguin/EPRC0054 生粋のフランドル人にして、フランドル楽派の大家、アドリアン・ヴィラールト(ca.1490-1562)... なわけだけれど、この人を特徴付けるのが、フランドル楽派が打ち立てたルネサンス・ポリフォニーから次なる一歩を踏み出したこと... 1

        • 4月2日、没後400年、バードの、儚げで、やさしいミサに、400年を経て、今、心休まる思い...

          イギリスの古楽ヴォーカル・アンサンブル、スティレ・アンティコが、ルネサンスの大家をフィーチャーする、"The Golden Renaissance"のシリーズ、第2弾、没後400年、ウィリアム・バード。 DECCA/4853951 ウィリアム・バード(1543-1623)。 イギリスが世界屈指の強国として第一歩を踏み出す頃、エリザベス1世(在位 : 1558-1603)の時代、女王の庇護下、王室チャペルで活躍し、イギリス・ルネサンスの黄金期を担った、バード。一方で、ローマ教

        4月5日、17世紀、自由都市ハンブルク流?ゼレのヨハネ受難曲は、ほんわかポップ!

        マガジン

        • さぶすクラシック日誌。2023年版!
          101本
        • さぶすクラシック日誌。2022年版...
          187本
        • インターリュード、note版、音のタイル張り舗道。への...
          5本

        記事

          4月1日、17世紀のパイプ・オルガンが生み出す、"幻想的な筆致"... 新時代、バロックの瑞々しさ、蘇る。

          イタリアのオルガニスト、イレーネ・デ・ルーヴォが、1624年製のパイプ・オルガンで、スウェーリンク、フローベルガー、フレスコバルディらによるトッカータ、カプリッチョなど、即興的な作品を弾く、"STYLUS PHANTASTICUS: THE HIDDEN WRITING"。 stradivarius/STR37239 ルネサンス全盛期、ヴェネツィアを中心に活躍したカヴァッツォーニ(c.1485-after 1569)、ルネサンスからバロックへとうつろう頃、ヴェネツィアの最新

          4月1日、17世紀のパイプ・オルガンが生み出す、"幻想的な筆致"... 新時代、バロックの瑞々しさ、蘇る。

          3月31日、今から300年前、バッハはトーマスカントルに就任した。その選考を巡る、1723年、ドイツ・バロックのパノラマ...

          バロック・ヴォーカル・アンサンブル、アエルブグートと、バロック・オーケストラ、カペラ・イェネンシスが、テレマン、グラウプナー、バッハの教会カンタータを取り上げる、"Leipzig 1723"。 accentus music/ACC30598CD 1701年からライプツィヒ市の音楽監督であるトーマスカントルを務めてきたクーナウ(1660-1722)が世を去る。そうして始まる後任選び... 最初の候補は、学生時代、ライプツィヒで活躍したテレマン(1681-1767)... が、

          3月31日、今から300年前、バッハはトーマスカントルに就任した。その選考を巡る、1723年、ドイツ・バロックのパノラマ...

          3月30日、音楽史に置かれた呪物、『音楽の捧げもの』、今、その呪いを解き、祝福する...

          バロック・ヴァイオリンのヴィルトゥオーゾ、ヨハネス・プラムゾーラー率いる、パリを拠点とするピリオド・アンサンブル、アンサンブル・ディドロの演奏で、バッハ、晩年の傑作、『音楽の捧げもの』。 Audax RECORDS/ADX13781 1747年、次男、カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ(1714-88)が仕えていたプロイセン王、フリードリヒ大王(在位 : 1740-86)の"ギャラント"な宮廷を訪れる"対位法"の大家、大バッハ(1685-1750)が、当代切っての音楽通

          3月30日、音楽史に置かれた呪物、『音楽の捧げもの』、今、その呪いを解き、祝福する...

          3月29日、親世代、子世代を並べる興味深さ... テレマンとローレのオラトリオ『解放されたイスラエル』。

          ピーテル・ファン・ヘイヘンの指揮、ベルギーのピリオド・オーケストラ、イル・ガルデリーノの演奏、ミリアム・フォイエルジンガー(ソプラノ)らの歌で、バロックの巨匠、テレマンと、ポスト・バロック、ローレ、それぞれのオラトリオ『解放されたイスラエル』。 passacaille/PAS1132 ドイツ中部の街、マクデブルク出身で、やがてハンブルク市の音楽監督として名声を誇った、大バッハ(1685-1750)の友人にして、その次男、カール・フィリップ・エマヌエル(1714-88)の名付

          3月29日、親世代、子世代を並べる興味深さ... テレマンとローレのオラトリオ『解放されたイスラエル』。

          3月28日、チェンバロでスウェーリンク、めくるめく変奏曲!もう夢の国に迷い込むよう!

          イタリアのチェンバリスト、ファビオ・アントニオ・ファルコーネが弾く、ルネサンスからバロックへの移行期のオルガンの巨匠、スウェーリンクの、歌と踊りによる変奏曲の数々... "The Art of Variation"。 CHALLENGE CLASSICS/CC72926 ルネサンスの大いなる実りを、17世紀、ドイツ・バロックの大家たち(バッハの登場を準備する... )へとつないだ、オランダの偉大なオルガニスト、スウェーリンク(1562-1621)の、世俗的な歌と踊りによる変

          3月28日、チェンバロでスウェーリンク、めくるめく変奏曲!もう夢の国に迷い込むよう!

          3月27日、旧教から新教へ、教会音楽のうつろいを掘り起こす、"REFORMING HYMNS"... そこから、溢れ出す、やさしさ...

          ボー・ホルテン率いる、デンマークの古楽ヴォーカル・アンサンブル、ムジカ・フィクタが、16世紀、宗教改革が進むデンマークで歌われた賛美歌の数々を取り上げる、"REFORMING HYMNS"。 DACAPO/8226142 17世紀、宗教改革(1517)により新たな教会音楽が模索された時代、新教へ移行するデンマークの状況に注目した、"REFORMING HYMNS(改革派賛美歌集)"。神学者にして牧師、ハンス・トミソン(1532-73)が編纂したデンマーク語詩篇集(1569)

          3月27日、旧教から新教へ、教会音楽のうつろいを掘り起こす、"REFORMING HYMNS"... そこから、溢れ出す、やさしさ...

          3月26日、プログレ→現代音楽、異才、トゥールのクリアにして瑞々しいア・カペラ合唱作品の数々... プログレ感も?

          合唱王国、エストニアから... エンドリク・ウクスヴァラフ率いるコレギウム・ムジカーレ室内合唱団による、エストニアの作曲家、トゥールのア・カペラ合唱作品集、"Canticum Canticorum Caritatis"。 ALPHA/ALPHA917 プログレから現代音楽にやって来た異才、エリッキ・スヴェン・トゥール(b.1959)のア・カペラ合唱作品... まずは、東方正教会における聖歌のフォーマットに則った、トリグロッソン・トリシャギオン(2008)、ラテン語による典礼

          3月26日、プログレ→現代音楽、異才、トゥールのクリアにして瑞々しいア・カペラ合唱作品の数々... プログレ感も?

          3月25日、いや、もう、アコーディオンで、アイスランドで、現代音楽... が、おもしろかった!"Fikta"。

          アイスランドのアコーディオン奏者、ヨナス・アウスゲイル・アウスゲイルソンが、アイスランドの現代の作曲家による協奏曲から独奏曲まで、多彩なアコーディオン作品を弾く、"Fikta"。 DACAPO/8226720 スペクトル楽派的音響の波間に顔を覗かせる、ポップなフレーズ、アコーディオンのお洒落感が魅惑的な、フィヌール・カールソン(b.1988)のアコーディオン協奏曲に、ソプラノとアコーディオンが織り成す、表現主義的ヴィヴィット(『月に憑かれたピエロ』を思い起こさせる?)さ、ア

          3月25日、いや、もう、アコーディオンで、アイスランドで、現代音楽... が、おもしろかった!"Fikta"。

          3月24日、サックスのとっぽい感じ×現代音楽の気難しさのケミストリー... 現代サックス協奏曲集、"SAX"!

          現代音楽を得意とするサックス奏者、マルクス・ヴァイスが、エレナ・シュヴァルツ、エミリオ・ポメリコが指揮するケルンWDR交響楽団、カスパー・デ・ロー率いるウィンドクラフト・チロル(管楽アンサンブル)の演奏で、エトヴェシュ、ハース、バルタカス、シュタウトのコンチェルトを吹く... 現代サックス協奏曲集、スバリ、"SAX"! WERGO/WER7389 現代音楽の大家、エトヴェシュ(b.1944)の、サックスとオーケストラのための協奏曲、「フォーカス」(2021)に始まり、オース

          3月24日、サックスのとっぽい感じ×現代音楽の気難しさのケミストリー... 現代サックス協奏曲集、"SAX"!

          3月23日、鬼才、ロマニウクが織り成す驚くべき鍵盤楽器絵巻、すくい上げられる音楽の鼓動、"PERPETUUM"。

          鬼才、アンソニー・ロマニウクが、ピアノにチェンバロに、ヴァージナルから、電子ピアノ、果てはシンセサイザーをも用い、バロックからミニマル・ミュージックまで、とにかく弾き尽くす、"PERPETUUM"! ALPHA/ALPHA913 ファツィオリのピアノで弾く、ポスト・ミニマル、ジョン・アダムズ(b.1947)の「中国の門」で始まり、1835年製、コンラート・グラーフのピアノで弾く、サティ(1866-1925)の「歪んだ踊り1」が続き、電子ピアノで弾かれるバッハ(1685-17

          3月23日、鬼才、ロマニウクが織り成す驚くべき鍵盤楽器絵巻、すくい上げられる音楽の鼓動、"PERPETUUM"。

          3月22日、ボリビア、脱西洋と高地が紡ぎ出す抽象、研ぎ澄まされた響き、プルデンシオのピアノ作品集。

          コロンビア出身のピアニスト、ダニエル・アニェスの演奏による、ボリビアを代表する作曲家、プルデンシオのピアノ作品集。 KAIROS/0015117KAI セルヒオ・プルデンシオ(b.1955)。 ボリビアの首都、ラパス(標高、3593m!)で生まれ、ボリビア・カトリック大学にて指揮と作曲を学び(1973-78)、ボリビアを拠点に、南米の現代音楽を牽引する存在... で、その作曲は、現代音楽に留まらず、映画音楽など、幅広く... さらには、民俗音楽にも積極的に関わり、1984年

          3月22日、ボリビア、脱西洋と高地が紡ぎ出す抽象、研ぎ澄まされた響き、プルデンシオのピアノ作品集。

          3月21日、うめが香に のっと日の出る 山路かな、ギターが芭蕉の句をなぞる... 不思議、スモルカ・ワールド!

          ドイツの異色アンサンブル、アレフ・ギター・カルテットの演奏、デイジー・プレス(ソプラノ)の歌で、チェコの作曲家、スモルカのギター四重奏のための作品集、"Moon on the Sea - Sea in the Moon"。 KAIROS/0022007KAI マルティン・スモルカ(b.1959)。 東側世界が揺らぎ始める1980年代、プラハ舞台芸術アカデミー音楽舞踊学部で学んだスモルカ... ちょうど、西側の"ゲンダイオンガク"が一揃い出尽くした中、それらにしっかり感化され

          3月21日、うめが香に のっと日の出る 山路かな、ギターが芭蕉の句をなぞる... 不思議、スモルカ・ワールド!