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9月20日、20世紀、スウェーデン、若きアルヴェーンの王道をゆくロマン主義、その勢いに痺れた!

アルヴェーン、生誕150年!ウカシュ・ボロヴィチの指揮、ベルリン・ドイツ響の演奏によるアルヴェーンのシリーズ、第3弾、2番の交響曲と、スウェーデン狂詩曲、第3番、「ダーラナ狂詩曲」。

ヒューゴ・アルヴェーン(1872-1960)。
ストックホルムで生まれ育ち、ストックホルム音楽院(1887-91)でヴァイオリンを学ぶと、ヴァイオリン奏者として宮廷楽団(1890-92)に加わる。その後、奨学金を得て、西欧各地でヴァイオリン、作曲、指揮を学び、研鑽を積むことに... 帰国後、1910年、スウェーデンの古都、ウプサラにあるウプサラ大学の音楽監督に就任。学生たちに端を発する名門合唱団、オルフェイ・ドレンガーの指揮者も務め、合唱の世界でも活躍した。

というアルヴェーンが、ベルリン、パリで研鑽中に書いた交響曲、2番(1897-98)。すでに時代は世紀末、新世紀の音楽は様々に準備されていたはずが、ど真ん中のロマン主義をドヤ顔で繰り出す若きアルヴェーン!いや、この若さが良かった... 伝統に留まりつつも、若さが生む勢いが、革新的であらねばならないという呪縛を突破する!いや、奨学金の課題として作曲された交響曲だったのだけれど、アルヴェーンはスケッチのみを提出、奨学金がストップされる事態に陥ったのだとか... そこからの一念発起による完成!勢いがないわけがない... で、そこに魅了されてしまった...

という、正統なるロマン主義の終着地、北欧を意識させる2番の交響曲に対し、フォークロワに彩られるスウェーデン狂詩曲、第3番、「ダーラナ狂詩曲」(1932)は、国民楽派としてのアルヴェーンを聴かせてくれる。で、狂詩曲とはいえ3楽章構成、もはや交響詩級の充実... スウェーデンの独特な感性がスパイスになって、表現主義っぽくも?

いや、今さらながらに興味深いです、アルヴェーン... で、その興味深さをしっかりと息衝かせる、ボロヴィチ、ベルリン・ドイツ響!シリーズ、第3弾だけに、蓄積されてきたものもあるだろう、自信に満ちた演奏で、アルヴェーンの若さとスウェーデンの独特さ、丁寧に引き出し、存分に響かせる!いや、このポジティヴなパフォーマンスに魅了される... で、このシリーズが俄然、気になる!

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