見出し画像

9月21日、シンプルだからこそ引き立つ、グリーグの瑞々しさ... 今、改めて、惹き込まれた!

イギリスの大ベテラン、ピアニスト、ピーター・ドノホーが、全10巻、66曲からなる、グリーグの抒情小曲集を録音するシリーズをスタート!で、その第1弾、「春に寄す」など、27曲を弾く...

ピアノによる小品を6曲から8曲ごとにまとめた抒情小曲集... グリーグ(1843-1907)、24歳の年(前年にオスロのフィルハーモニー協会の会長に就任、翌年には、代表作、ピアノ協奏曲を作曲... まさに、順風満帆!)、1867年に第1巻が出版されて以来、58歳の年(健康状態が悪化、以後、作曲は減ってしまう... )、1901年に出版された第10巻まで、66曲が作曲されている。いや、駆け出しの頃から晩年まで、ライフ・ワークとも言える作品...

という抒情小曲集のシリーズをスタートさせるドノホー、その第1弾は... 第1巻(1867)から「アルバムの綴り」など4曲、第2巻(1883)から「カノン」と「メロディー」、第3巻(1886)から「春に寄す」など3曲、第4巻(1888)から「メランコリー」と「農民の歌」、第5巻(1891)から「鐘の音」など4曲、第6巻(1893)から「過ぎ去りし日々」など3曲、第7巻(1895)から「小川」、第8巻(1897)から「トロールハウゲンの婚礼の日」など3曲、第9巻(1899)から「憂鬱なワルツ」、第10巻(1901)から「森の静けさ」など4曲... "巻"でまとめるのでなく、ランダムに、合わせて27曲が取り上げられる。

で、改めて聴く、グリーグの抒情小曲集の新鮮さ!その名の通り、分かり易く抒情的で、シンプルに小品の数々が並べられて、取るに足らないような印象を受け兼ねないのだけれど、それが、凄く耳に心地良く、いろいろ考えることなく、スーっと聴けてしまう。でもって、聴き入ってしまう。聴き入って、ふと思う。このリリカルさ、ドビュッシーっぽい?

ロマン主義の終着点、北欧を体現するグリーグにして、ノルウェーの国民楽派でもあるグリーグ... その音楽、明らかに印象主義とは別の場所に存在するはずなのだけれど、北欧の、グリーグの瑞々しさが極まると、印象主義のような感覚が生まれてしまう?いや、イムズやスタイルを突き抜けてしまうグリーグの音楽のおもしろさを見出せた気がした。

そんなグリーグを聴かせてくれたドノホー... ベテランならではの落ち着きと、この人ならではの瑞々しさ、魅了されるばかり... で、絶妙な選曲、巧みな展開もあり、グリーグの瑞々しさ、より引き立つよう... という演奏があって、抒情小曲集の印象、大きく変わりそう... 何より、魅了される!で、シリーズの今後が楽しみ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?