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さぶすクラシック日誌。2022年版...

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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#古典派

10月8日、古典主義の時代のロンドンを沸かしたバッハ-アーベル・コンサート、その多彩さにワクワクしつつ、何かチルな感じ、イイ...

フランスのピリオド・アンサンブル、レゾンブルが、18世紀、ロンドンの音楽シーンを沸かせた、J.C.バッハ、アーベルのコンビに注目するアルバム、"BACH-ABEL SOCIETY"。 バッハ家の末っ子で、当時、その名声は、父、大バッハを凌いだ、"ロンドンのバッハ"こと、ヨハン・クリスティアン(1735-82)。そして、大バッハがケーテンの楽長を務めていた時、楽団の首席ガンバ奏者の息子として生まれ、やがてライプツィヒで大バッハに師事したガンビスト、アーベル(1723-87)。

10月7日、シンプルに美しい歌声!そこから見えてくる、18世紀、ドイツ語圏の歌曲のパノラマ!

イギリスのソプラノ、キャロリン・サンプソンが、ピリオドのピアノのヴィルトゥオーゾ、クリスティアン・ベザイデンホウトの伴奏(1805年製、アントン・ヴァルターのレプリカ… )で歌う、ハイドンに、モーツァルトに、18世紀、ドイツ語圏の歌曲の数々... "TRENNUNG"。 帝都、ウィーンを彩ったハイドン(1732-1809)、モーツァルト(1756-91)の歌曲に、マクデブルク大聖堂のオルガニスト、ヘルビング(1735-66)、ブラウンシュヴァイクの宮廷で仕事をしたフライシャ

10月6日、モーツァルトが女性ピアニストのために書いたピアノ協奏曲のたおやさ、花やかさ、魅惑的。

ピリオド系ピアニスト、クリスティアン・ベザイデンホウトが、フライブルク・バロック管の伴奏で、モーツァルトのピアノ協奏曲、9番、「ジュノーム」と、18番を弾く... フランスの舞踏家、ノヴェールの娘で、ウィーンの富裕な商家に嫁いでいたピアノ奏者、ヴィクトワール・ジュナミ(1749-1812)のために書かれた、9番、「ジュノーム(ジュナミ)」(1777)に、ウィーンで活躍したピアニスト、マリア・テレジア・フォン・パラディス(1759-1824)のために書かれた、18番(1784

10月5日、オーストリアとフランス、1773年という窓口から覗く興味深さ!

マルティン・ヴァルベルグ率いるノルウェーのピリオド・オーケストラ、オルケステル・ノルドによる、モーツァルトの25番の交響曲、『エジプトの王、タモス』の組曲、グレトリの『セファルとプロクリス』組曲を取り上げる、"Mozart Grétry 1773"。 モーツァルト(1756-91)、17歳には息苦しかった?故郷、ザルツブルクで作曲された25番の交響曲に、グレトリ(1741-1813)がヴェルサイユ宮での婚礼用に作曲したバレ・エロイーク『セファルとプロクリス』の組曲、モーツァ

10月4日、鬩ぎ合う18世紀を象徴するような、ウィーン古典派によるコンサート・アリアのエモさ!刺激的...

ベルリン古楽アカデミーが、ドイツのソプラノ、クリスティーナ・ランツハーマーをフィーチャーしての、ウィーン古典派、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンによる、ドラマティックなコンサート・アリアを取り上げる、"La Passione"。 ハイドンのシェーナ「ベレニーチェ、何をしているの?」Hob. XXIVa: 10 に 、アリア「独り、物思いながら」Hob.XXIVb: 20 、モーツァルトのシェーナ「もうよい、すべてわかった」とロンド「心配しないで、愛する人よ」K 490

10月3日、いや、ウィーンばかりじゃない!ミラノの古典派、聴き所満載のモンツァの弦楽四重奏曲!

ファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテが、弦楽四重奏編成となって掘り起こす、18世紀、知られざるミラノの古典派、モンツァによる弦楽四重奏曲集、"opera in musica"。 カルロ・モンツァ(1735-1801)。 ミラノに生まれ、前古典派の大家、G.B.サンマルティーニ(ca.1700-75)の下で学び、1768年、師、G.B.サンマルティーニが、ミラノの宮廷礼拝堂の楽長に就任すると、そのオルガニストとなり、1775年、師が世を去ると、その後継者として楽長に

10月2日、久々にモーツァルト... それも、ど真ん中のモーツァルト... けど、いつもとは違う視点で見つめてみる...

ジュリアン・ショーヴァン率いるル・コンセール・ド・ラ・ローグの演奏で、モーツァルトの40番の交響曲、アンドレアス・シュタイアーのソロによる、23番のピアノ協奏曲。 1787年にプラハで初演されたオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の序曲で幕を開け、1786年に作曲された23番のピアノ協奏曲が弾かれ、最後に、1788年に完成した40番の交響曲が演奏される。モーツァルトと言えば... というお馴染みの名曲、3曲。まさに、モーツァルト、ど真ん中! ど真ん中なのだけれど、それは、1780

10月1日、モーツァルトに間違えられ、ベートーヴェンより評判を取った、もうひとりのウィーン古典派、エーベルル!

ピリオドにも挑む、スイス、チューリヒを拠点とする、ベテラン・クァルテット、カザル四重奏団の演奏で、ベートーヴェンのライヴァル、エーベルルの3つの弦楽四重奏曲。 アントン・エーベルル(1765-1807)。 ウィーンで生れ、モーツァルトの下で研鑽を積んだ(師の死後も、モーツァルト一家と交流を持っていた... )、生粋のウィーン古典派、エーベルル... 1796年、名立たる作曲家たちが務めた、お雇い外国人、ロシアの宮廷楽長に招聘され、サンクト・ペテルブルクで活躍!帰国すると、ピ

9月28日、ベザイデンホウト×エラス・カサド×フライブルク・バロック管、力強い演奏!理屈抜きに引き込まれた!

ピリオド系ピアニスト、クリスティアン・ベザイデンホウトが、パブロ・エラス・カサドの指揮、フライブルク・バロック管の伴奏で、ベートーヴェンの1番と3番のピアノ協奏曲を弾く。 1824年製、コンラート・グラーフのピアノ(レプリカ)を用い、モダンも、ピリオドも、ドンと来いなマエストロ、エラス・カサド、ドイツのバリバリのピリオド・オーケストラ、フライブルク・バロック管とともに展開されてきた、ベザイデンホウトのベートーヴェン・イヤーのためのベートーヴェンのピアノ協奏曲のシリーズ...

9月26日、フランス革命に、ナポレオン戦争... 憧れとして、敵として、フランスと向き合ったベートーヴェンを見つめ直す。

harmonia mundiによる、2020年、ベートーヴェン・イヤーのための交響曲全曲録音シリーズ、完結編、ベルリン古楽アカデミーの演奏で、4番と8番。と、その同時代の作品、ケルビーニの『ロドイスカ』序曲、メユールの1番の交響曲も! フランス革命、3年目、1791年、パリで初演されたケルビーニ(1760-1842)のオペラ『ロドイスカ』の序曲と、1807年に完成したベートーヴェンの4番。ナポレオン戦争、真っ只中、1808年に作曲されたメユール(1763-1817)の1番の

8月14日、バガテル=取るに足らないもの、に、見る、ベートーヴェンの深淵...

鍵盤楽器の巨匠、アンドレアス・シュタイアー(1827年製、コンラート・グラーフのピアノのレプリカを弾く... )と、ピリオドのチェロの巨匠、ロエル・ディールティエンスによる、ベートーヴェンのチェロ・ソナタとバガテル。ちょっと妙な組み合わせ... なのだけど... ベートーヴェンの中期、1815年に作曲された連作のチェロ・ソナタ、4番と5番に、初期と後期に作曲されたピアノの小品による11のバガテル(Op.119)を挿み、後期、1823年から翌年に掛けて作曲された6つのバガテル

8月5日、18世紀、チェロのみで織り成される落ち着きと、そこから響き出す時代の麗しさ!

新譜、ピリオドで活躍するイタリアのチェリスト、クラウディオ・ロンコとエマヌエラ・ヴォッツァのデュオで、プレイエルらによる古典主義の時代のチェロのソナタ集、"THE EARLY ROMANTIC CELLO"。 楽譜出版からピアノ製作まで、幅広く音楽事業を展開したプレイエル(1757-1831)の6つのチェロ・ソナタから3曲... パリ、オペラ座のチェロ奏者で、そのオペラ座を彩ったプリマ・バレリーナ、マリー・カマルゴの弟、キュピス・ド・レヌサール(1732-1808)の3つの

8月1日、ハイドンの交響曲を"ゲーム"、"楽しみ"として見つめてみた!

ジョヴァンニ・アントニーニのプロジェクト、"HAYDN 2032"、最新盤、NO.12、"LES JEUX ET LES PLAISIRS"... バーゼル室内管の演奏で、ハイドンの61番、66番、69番の交響曲。そして、かつてはハイドン作とされた"おもちゃの交響曲"も... 交響曲、それは、アカデミックなクラシックを象徴し、頂点に鎮座まします音楽形式だけれど、"交響曲の父"が、その交響曲を育てていた頃というのは、時にエンターテイメントですらあった... いや、改めて、"L