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10月3日、いや、ウィーンばかりじゃない!ミラノの古典派、聴き所満載のモンツァの弦楽四重奏曲!

ファビオ・ビオンディ率いるエウローパ・ガランテが、弦楽四重奏編成となって掘り起こす、18世紀、知られざるミラノの古典派、モンツァによる弦楽四重奏曲集、"opera in musica"。

カルロ・モンツァ(1735-1801)。
ミラノに生まれ、前古典派の大家、G.B.サンマルティーニ(ca.1700-75)の下で学び、1768年、師、G.B.サンマルティーニが、ミラノの宮廷礼拝堂の楽長に就任すると、そのオルガニストとなり、1775年、師が世を去ると、その後継者として楽長に昇進... 1787年からは、ミラノの大聖堂、ドゥオーモの楽長にもなり、教会で活躍した。一方、オペラも多く作曲し、ミラノに留まらず、イタリア各地で多くの作品を上演している。

というモンツァの弦楽四重奏曲、6曲... ビオンディが、モーツァルト少年のミラノ・ツアーを調べる過程で発掘したという作品で、それぞれに、「恋のライヴァルたち」、「オペラ・イン・ムジカ」、「ウルカヌスの鍛冶場」、「賭博者」、「夜のディヴェルティメント」、「狩」と、多彩なサブ・タイトルが付せられており、思いの外、表情豊か!

いや、1曲目、「恋のライヴァルたち」なんて、モーツァルトの弦楽四重奏曲のように軽やかに始まるも、恋のライヴァルたちの対立が雲行きを怪しくし、レチタティーヴォによる挑戦があって、決闘!そして、沈鬱な死が訪れ、残されたもの絶望で終わる(ここは、絶望というより大団円ちっくなの、ポジティヴ、古典派ならではの愛嬌!)。いや、完全にミニ・オペラ... 続く、「オペラ・イン・ムジカ」、「ウルカヌスの鍛冶場」、「賭博者」も、ドラマが描かれ... ハイドン、モーツァルトに負けない充実の古典派弦楽四重奏曲を織り成しながら、ウィーン勢とはまた違うおもしろ味が加味される。いや、モンツァを前に、ウィーン勢が生真面目(パパ・ハイドンのウィットを以ってしても!)に感じられてしまうの、乙...

しかし、おもしろ味が加味できるのも、確かなベースがあってこそ!ウィーンに先行した古典主義の街、ミラノの充実っぷりを知らしめる弦楽四重奏曲、6曲でもあって... 1771年、音楽史を飾る名立たる作曲家たちが会員となったボローニャのアカデミア・フィラルモニカにも迎えられているモンツァだけに、その音楽、古典派の矜持を示す。

そんなモンツァの弦楽四重奏曲を聴かせてくれたビオンディ+エウローパ・ガランテが、見事!いや、彼らの弦楽四重奏形態というのが新鮮で... よりビオンディのヴィヴィットさ、瑞々しさ、際立っている!なればこそ、輝き出す、モンツァの音楽!ソリッドにして遊びがあり、古典派ならではの明朗さ、魅了された!

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