見出し画像

10月5日、オーストリアとフランス、1773年という窓口から覗く興味深さ!

マルティン・ヴァルベルグ率いるノルウェーのピリオド・オーケストラ、オルケステル・ノルドによる、モーツァルトの25番の交響曲、『エジプトの王、タモス』の組曲、グレトリの『セファルとプロクリス』組曲を取り上げる、"Mozart Grétry 1773"。

モーツァルト(1756-91)、17歳には息苦しかった?故郷、ザルツブルクで作曲された25番の交響曲に、グレトリ(1741-1813)がヴェルサイユ宮での婚礼用に作曲したバレ・エロイーク『セファルとプロクリス』の組曲、モーツァルトがウィーンで上演される舞台のために作曲した劇音楽『エジプトの王、タモス』の組曲... 1773年に作曲された、3作品。

"Mozart Grétry 1773"。イタリアへ、ウィーンへ、ポストを得ようと悪戦苦闘の若きモーツァルトと、イタリアで研鑽を積み、オペラ・コミックでブレイクを果たし、パリの音楽シーンを沸かせていたグレトリを並べるという... 中二っぽさ漂うモーツァルトに対し、売れっ子、堂々たるグレトリのコントラスト!いや、なかなか興味深いコントラスト!

てか、侮れないのです、グレトリ... 『セファルとプロクリス』組曲からは、ベートーヴェン的な壮大さ、大胆さ、すでに聴こえ始めている?革命期のフランスの音楽に影響を受けていたベートーヴェンだけに、腑に落ちるところも... 対して、モーツァルトの短調にはロマン主義の影が忍び寄る?1773年という窓口には、19世紀が顔を覗かせる...

そんな、1773年、興味深いモーツァルトとグレトリを聴かせてくれた、ヴァルベルグ+オルケステル・ノルド。エッジーなのだけれど、妙に色彩に富み、どこかマッド... そんな彼らならではのトーン、ムンクの国のトーン?によって、1773年はより興味深いものに!いや、18世紀に新しい感覚をもたらす!おもしろい!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?