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さぶすクラシック日誌。2023年版!

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毎日、1タイトル、スポティファイでクラシックの新譜を聴いてみた。
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#19世紀

2月19日、ブッファの気のいい兄さん担当、バリトンによるナンバーは、ロッシーニの喜劇面をますます輝かせる!

フランス、注目のバリトン、フロリアン・センペイが、マルク・ミンコフスキの指揮、ボルドー・アキテーヌ国立管弦楽団の演奏で歌う、ロッシーニのアリア集、"FIGARO? SÌ!"。フランス勢によるロッシーニ! ALPHA/ALPHA791 ラララレッラ!ってな感じで、『セヴィーリャの理髪師』の看板とも言えるカヴァティーナ「私は町の何でも屋」で勢いよく始まる、"FIGARO? SÌ!"。その『セヴィーリャの理髪師』に、『絹のはしご』、『チェネレントラ』、『アルジェのイタリア女』、『

2月18日、フランス、第二帝政期、バブリーな時代の"美"、忘れられた宝石としてのアリアに、酔わされる!

注目のコロラトゥーラ・ソプラノ、ジョディ・デヴォスが、ピエール・ブルーズの指揮、ブリュッセル・フィルハーモニックの演奏で歌う、19世紀、フランス、忘れられたアリアの数々... "BIJOUX PERDUS"。 ALPHA/ALPHA877 19世紀半ば、パリのオペラ・シーンで活躍したというマッセ(1822-84)の『ガラテー』(1852)から「竪琴の歌」で始まり、マイアベーア(1791-1864)、『ディノーラ』(1859)の「影の歌」が続く... いや、「影の歌」なら、時

2月17日、ベル・エポック!パリの夜!ヴァルスを踊れ!

フランソワ・グザヴィエ・ロト率いるレ・シエクルの演奏で、ベル・エポックのパリ、伝説のミュージック・ホール、フォリー・ベルジェールに、オペラ座を沸かせたワルツの数々... "LES NUITS DE PARIS"。 Bru Zane/BZ2005 グノー(1818-93)のオペラ『ファウスト』のバレエ・シーン(1869)から、トロイアの女の踊りに、ドリーブ(1836-91)のバレエ『コッペリア』(1870)から、ワルツ・レントという、聴き馴染みのあるナンバーもありつつ、トマ(

1月22日、エキゾティックさを支点に、引き出される、表現の多様さ、豊かな色彩!ハーン、蝕明けの輝き!

しばらく演奏活動から離れていた、アメリカのヴァイオリニスト、ヒラリー・ハーンの復帰アルバム、"ECLIPSE"... ドヴォルザークとヒナステラのヴァイオリン協奏曲に、サラサーテのカルメン幻想曲。 Deutsche Grammophon/4862383 ドヴォルザーク(1841-1904)のヴァイオリン協奏曲(1879)に、ヒナステラ(1916-83)のヴァイオリン協奏曲(1963)、そして、サラサーテ(1844-1908)のカルメン幻想曲(1883)。それぞれ個性強めな3

1月21日、19世紀後半の古典主義?チェコ出身、ウィーンで活躍したベネシュの弦楽四重奏曲の不思議な優美さ!

チェコの老舗クァルテット、マルティヌー四重奏団の演奏で、19世紀、ウィーンで活動した、チェコ出身のヴァイオリニストにして作曲家、ベネシュの弦楽四重奏曲全集。 SUPRAPHON/SU4320 ヨゼフ・ベネシュ(1795-1873)。 チェコ中部の小さな村、バテロフの学校の教師を父に生まれたベネシュ... 父から音楽を学び始め、幼くしてヴァイオリンの才能を開花させると、ウィーンに出て研鑽を積み、1822年、ライバッハ(現在のスロヴェニアの首都、リュブリャナ、当時はハプスブルク

1月20日、劇伴ちっくなドラマティックさ!ドヴォルザークはアガる!後期三大交響曲から、7番と8番。

イタリアのマエストロ、ジャナンドレア・ノセダと、彼が率いるチューリヒ歌劇場のオーケストラ、フィルハーモニア・チューリヒの演奏で、ドヴォルザークの7番と8番の交響曲。 philharmonia records/PHR0113 チェコのローカルな作曲家だったドヴォルザーク(1841-1904)が、国際的にブレイクを果たした1880年代... ロンドンから委嘱された7番(1884-1885)に、イギリスで出版された8番(1889)、ドヴォルザークの後期三大交響曲からの2曲が取り上

1月19日、異才、コパチンスカヤが曝け出す、帝国の落日と中欧の諸相、やっぱ、ただならない!

ヴァイオリンの異才、パトリチア・コパチンスカヤが、鬼才、ファジル・サイのピアノで、ヤナーチェク、ブラームス(3番)、バルトーク(1番)のヴァイオリン・ソナタを弾く。 ALPHA CLASSICS/ALPHA885 チェコの奥、モラヴィア地方に生きたヤナーチェク(1854-1928)のソナタ(1914)に始まり、ハプスブルク帝国の帝都、ウィーンを拠点としたブラームス(1833-97)の3番のソナタ(1886-88)、そして、ハンガリーを深く探求したバルトーク(1881-194

1月18日、イメージから解き放たれる!のどやかなブラームスの"田園交響曲"に、ブラームスのような洗練を響かせる、ドヴォルザークの7番...

ヤクブ・フルシャ率いるバンベルク交響楽団の、ブラームスとドヴォルザークの交響曲のシリーズ、"BRAHMS - DVOŘÁK"、第4弾、完結編となるのか?ブラームスの2番とドヴォルザークの7番。 TUDOR/TUDOR1742 ブラームス、苦節21年、1番の交響曲を完成(1876)させて、すぐに取り掛かったら、今度は、さらっと書けてしまった、2番の交響曲(1877)に、ブラームスのサポートを受けての、ルーツに立ち返っての国民楽派としての性格を確立したドヴォルザークが、国際的な

1月17日、ブラームスの音楽の確かな魅力!思い掛けなく発せられる若さ!ピアノ五重奏曲と2番の弦楽五重奏曲。

チェコの凄腕、パヴェル・ハース四重奏団が、ボリス・ギルトブルク(ピアノ)、パヴェル・ニクル(ヴィオラ)を迎え、ブラームスのピアノ五重奏曲と2番の弦楽五重奏曲を取り上げる。 SUPRAPHON/SU4306 ブラームス(1833-97)の活動が、ウィーンを軸に動き出し(1863年にウィーン・ジングアカデミーの指揮者に就任... )、その後半生が始まる頃、34歳、1864年に完成したピアノ五重奏曲と、晩年となり、作曲への衰えを感じた頃、筆を折ろうとすら考えた57歳、1890年、

1月16日、ブラームスとドヴォルザークの交歓を探り、浮かび上がる、中欧の魅惑!

ヤクブ・フルシャ率いるバンベルク交響楽団の、ブラームスとドヴォルザークの交響曲のシリーズ、"BRAHMS - DVOŘÁK"、第3弾、ブラームスの1番とドヴォルザークの6番、さらにハンガリー舞曲も! TUDOR/TUDOR1741 ブラームス(1833-97)、練りに練った渾身の一作、"ベートーヴェンの10番"の異名を取る、1番の交響曲(1855-76)と、ハンガリー舞曲、3曲(1番、3番、7番)が取り上げられる1枚目に... そのブラームスと出会い、支援を受け、刺激も受け

1月14日、ますます躍動して、今さらながら、ニールセンの音楽に驚かされる!ルイジ+DR響の「広がり」!

ファビオ・ルイジ率いるDR交響楽団(デンマーク国立交響楽団)の、ニールセンの交響曲のシリーズ、第2弾、1番と3番、「広がり」。 Deutsche Grammophon/4863478 デンマークの保守性が壁となり、なかなか認められるに至らなかったニールセン(1865-1931)が、とうとう楽壇から認められた充実の交響曲、3番、「広がり」(1910-11)... 2楽章でのソプラノとバリトンによる、ほんわかしたヴォカリーズが特徴的で、ニールセンの"田園交響曲"とも... そし

1月12日、ピアノでは見えてこなかった風景... 魅了された!シベリウスのオーケストラ伴奏歌曲集。

ノルウェーのメッゾ・ソプラノ、マリアンヌ・ベアーテ・キーラントが、ペトル・ポペルカ率いるノルウェー放送管弦楽団の伴奏で歌う、シベリウスのオーケストラ伴奏歌曲集。 LAWO CLASSICS/PLWC1239 シベリウス自身のオーケストレーションによる「秋の夕べ」、「海辺のバルコニーで」、「夜に」、「もはや私は問わなかった」、「3月の雪の上のダイヤモンド」、「日の出」に、シベリウスの娘婿、ヤラス(1908-85)や、フィンランドのモダニスト、パングー(1887-1942)ら、

1月9日、民俗的であることがカッコいい!ノルウェーの音楽の源泉を見つめる、"OPPHAV"。

ノルウェー、アークティック・フィルハーモニーのヴァイオリニスト、サンデル・ティングスタの演奏で、グリーグの2番のヴァイオリン・ソナタなど、ノルウェーの民俗音楽にインスパイアされた現代までの多彩な作品、4作品を取り上げる、"OPPHAV"。 SIMAX/PSC1385 ノルウェーを代表する、グリーグ(1843-1907)の2番のヴァイオリン・ソナタ(1867)に始まり、グリーグの国民楽派の系譜を受け継ぐ、ブルースタ(1895-1978)のヴァイオリン・ソロのための民謡組曲(1

12月31日、大晦日、宗教音楽家、リスト、伝説。狂騒の一年を終わらせるのは、これ!

リストのスペシャリスト、マルティン・ハーゼルベックが、新たなリストのシリーズをスタート!ピリオド・オーケストラ、ウィーン・アカデミー管弦楽団とともに、リストの宗教的作品を拾い上げてゆく、"LEGENDS OF THE SAINTS"、その第1弾、『伝説』など... APARTÉ/AP297 アッシジの聖フランチェスコとパオラの聖フランチェスコを題材に2部構成による交響詩的作品、『伝説』(1863)を核に、アド・リビトゥム合唱団らが歌う、アッシジの聖フランチェスコの太陽の賛歌