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1月9日、民俗的であることがカッコいい!ノルウェーの音楽の源泉を見つめる、"OPPHAV"。

ノルウェー、アークティック・フィルハーモニーのヴァイオリニスト、サンデル・ティングスタの演奏で、グリーグの2番のヴァイオリン・ソナタなど、ノルウェーの民俗音楽にインスパイアされた現代までの多彩な作品、4作品を取り上げる、"OPPHAV"。
SIMAX/PSC1385

ノルウェーを代表する、グリーグ(1843-1907)の2番のヴァイオリン・ソナタ(1867)に始まり、グリーグの国民楽派の系譜を受け継ぐ、ブルースタ(1895-1978)のヴァイオリン・ソロのための民謡組曲(1932)、スパッレ・オールセン(1903-84)の『ロムの6つの古い村の歌』(1929)は、アコーディオン奏者、オッデの編曲によるヴァイオリンとアコーディオン版で... そして、ノルウェーの現代音楽から、トーレセン(b.1949)のヴァイオリン・ソロのための"YR"(1991)。ヴァイオリンによる、ノルウェーの地に根差した4作品... 19世紀、ロマンティックに民族的だったグリーグから、20世紀に入り、より民俗的な表情が探られてゆく変遷が興味深い、"OPPHAV"、源泉。

で、どの作品も、ヴァイオリンの表情に、ノルウェーの民族楽器、ハーディングフェーレ(小型のヴァイオリン、弓でこする弦の下に共鳴弦が張られるのが特徴... )のイメージが重なるようで、おもしろい。一方で、ヴァイオリンならではの瑞々しさも活き、そこに、北欧ならではの透明感、圧倒的な風景すら映し出しもする。素朴で人懐っこいようで、圧倒的なスケール感も響かせる音楽、極北の幽玄なる自然の中で育まれたノルウェーの音楽を意識させられる。しかし、民俗的であることがカッコいい!

という"OPPHAV"を聴かせてくれた、ティングスタ。ハーディングフェーレ味、巧みに出しつつの、ヴァイオリンのヴィヴィットさ、しっかり響かせる!いや、素朴とスペイシー、絶妙に織り成して、見事... そんなティングスタをサポートする、ブライエ・ニューフースのピアノ(グリーグ)がまたふくよかなサウンドを聴かせて、素敵。オッデのアコーディオン(スパッレ・オールセン)も、鮮烈さと味わい深さを以って、絶妙にヴァイオリンと響き合う!いや、聴き所、多い!

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