1月12日、ピアノでは見えてこなかった風景... 魅了された!シベリウスのオーケストラ伴奏歌曲集。
ノルウェーのメッゾ・ソプラノ、マリアンヌ・ベアーテ・キーラントが、ペトル・ポペルカ率いるノルウェー放送管弦楽団の伴奏で歌う、シベリウスのオーケストラ伴奏歌曲集。
LAWO CLASSICS/PLWC1239
シベリウス自身のオーケストレーションによる「秋の夕べ」、「海辺のバルコニーで」、「夜に」、「もはや私は問わなかった」、「3月の雪の上のダイヤモンド」、「日の出」に、シベリウスの娘婿、ヤラス(1908-85)や、フィンランドのモダニスト、パングー(1887-1942)ら、20世紀のフィンランドの作曲家たち、さらに、イギリスの現代の作曲家、マシューズ(b.1946)によるオーケストレーションを含め、多彩な18曲が歌われる。
しかし、耳を奪われるのは、シベリウスのオーケストレーション!1曲目、「秋の夕べ」から、圧倒される!何と言う瑞々しいサウンド... 歌も相俟って、ワーグナーの楽劇かというスケール感すら生まれ、北欧の音楽の懐の大きさを味わう。いや、シベリウスに限らず、オーケストレーションされて、魅力、増し増しなシベリウスの歌曲!ピアノでは見えてこなかった、歌に籠められた情景、わっと広がる感覚、もはや、魔法。
そんな、シベリウスのオーケストラ伴奏歌曲を聴かせてくれた、キーラント(メッゾ・ソプラノ)。まず、その深く瑞々しい歌声!シベリウスのリリカルさ、存分に引き出して、惹き込まれる... で、もう一方の主役、ポペルカ+ノルウェー放送管!伴奏に留まらない、彼らの存在感... クリアにして雄大さも見せるその演奏は、キーラントの歌を引き立てつつ、北欧ならではの風景を描き上げ、魅了される。
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