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女子中学生の心を刷新してくれた 古いキネマ

春から高校生になる、OTOです。

起こったのは1週間前、残るのは一生。
そんな思い出を綴りたい。

私にとっての”映画”


私は役者になる夢を持っている。
(こちらで夢について詳しく話しています↓)

今まで、小さいながら、さまざまなお仕事をさせていただいた。
雑誌、WebCM、ドラマ…。

その中でも一番好きだったのが映画だった。

丁寧に丁寧に、作られていく。
2時間という、重みが好きで。

私は学校の中で1番、映画を多く観てきた。
(本当は地元で1番になりたいが…)

幼い頃から、よく母が映画館に連れて行ってくれた。

普段とは違う、暗い空間で。
視界からはみ出るような大きなスクリーンで。
体に訴えかけてくるような音で。

そういう非日常な体験を小さい頃からし、それを気に入ったことも、役者を目指すようになったきっかけかもしない。

最近はなかなか映画の現場に行く機会はなく、
映画を観る時間が多い。

私は、尊敬している俳優さんの映画を集中的に観るタイプだ。
(そういう人も多いはず…)

私は小栗旬さんや松山ケンイチさんを尊敬している。

小栗さんだと『宇宙兄弟』 『岳』『ミュージアム』『クローズ』
松山さんだと『聖の青春』『ウルトラミラクルラブストーリー』『デスノート』『春を背負って』
などのDVDが溢れんばかりにある。
(ちなみに最近『ロストケア』を観た。その感想は近日中に公開予定)

そのため、いわば狭い視野でしか映画を見れていなかった。
(正直今も…)
興味がない、またはそもそも知らないジャンル、テーマ、役者、監督の作品に手をつけることが億劫だった。
しかし、

転機が訪れた。


オードリーヘプバーンだ。

母が、よくSNSでチェックしている写真スタジオがあった。
本物のアンティークに溢れた、おしゃれなスタジオ。

ご縁があり、なんとコスプレ撮影をしていただけることになったのだ。

それから、母と相談をすることに。


なんのコスプレをしようか。

最初はアニメのキャラクターを候補にしていたが、
なんかピンとこない…。

私は(写真を撮ってもらえるだけで嬉しいから)正直なんでもよかったのだが、
母はずっと考えていてくれたみたいで。
ある夜。

オードリーヘプバーンだ。

と母は思い付いたのだった。


古い映画を観なさい

おしゃれなアンティークがたくさんの、イタリアンなスタジオ。

そこに似合う人物とは、まさに『ローマの休日』の、アン王女(アーニャ)だった。

母を感心するばかり。
他に何のキャラクターが似合うのかと思うほどだ。

というわけで、私はオードリー・ヘプバーンになることに。

撮影に辺り、やはり欠かせなかったのは映画を観ることだった。

母は、

「たまには、名作って言われるような古い映画も観なさい!
名作って言われるには訳があるんだから。」

と言った。
今思えば、全くその通りだったのだ。

近くのTSUTAYAに行っても、ブックオフに行っても見つからず。

春休みだったということもあり、家族総出で遠くのレンタルショップを何件も はしご した。

そしてやっと見つけたDVD!

その夜すぐ家族と観た。

余韻しかないその後

今まで私は、ハリウッド映画に対して、

明快!大迫力!感動!

でなんだっけ?

というイメージを抱いていた。

もちろん、劇場を出てもずっと頭から離れないような映画もあるし、
邦画にだって、その場で楽しむような映画もあるが。

しかし、『ローマの休日』は私の考え方を変えてくれた。

今でこそ王道と言えるストーリーだが、当時は
「王女が普通の女の子に憧れ、逃げ出す」
という発想は珍しいというか、先駆けだと感じた。

オードリー・ヘプバーンの存在感は言わずもがな。
無音声映画だったとしても、彼女の表情・立ち振る舞いで全て感じることができるだろうと思った。

アーニャからアン王女に戻らなければならないシーン。
車内での、彼女とジョー・ブラドリーの会話が鮮明だ。

お互いが好きかどうか
とか
気持ちがすれ違う
とかじゃない。

それぞれ与えられた道でしか生きていけないし、恋をしなきゃいけない。

でも その道を逸れたことで、本来なかった出会いと別れを経験した。
その思い出は彼女の一生の財産になっただろうな
と思う。



撮影に向けて、オードリー・ヘプバーンの表情やオーラを学ばせてもらった。

しっかり予習をして、いよいよ撮影!

と思いきや、まだやらねばならぬことがあった…。
それは…衣装選び。

モノクロ映画だから、服のカラーがわからなかったが、調べるとスカートはべージュだったらしい!
やはり上品。

靴も、できるだけ同じようなものを探すのに一苦労。
またまた家族総出で探しに行った。

関西の地で名作のヒロインに!

ついに新幹線で関西の地に降り立ち、スタジオへ!
1時間のメイク、ヘアセットを経て……
いざ撮影!

やはり観ているのと実際やるのではなかなか難しかった。
だが、一応正解はあるわけで。

映画は脚本という文字の世界から自分で演技に変換しなければいけない。正解がないのだ。
それを仕事とする役者の皆さんには、本当に尊敬しかない。

映画の景色、音、オードリーヘプバーンの魂をも感じながら、
無事撮影をすることができた。

本当に素晴らしい体験だった。

視野って自分では広げにくい。

今回を通して感じたことは2つ。

①結局他人から与えてもらうばかり。

②アウトプットにはインプットが不可欠。

①どんなに「広い視野を持って」と言っても
結局自分は自分。

自分の色付きフィルターを消し去って物事を見たり、
取り組むことはなかなかできない。

でも人はそんなことをお構いなしに
新たな世界へ連れてってくれる。

いや、人だけじゃない。
映画もだ。

違う人生、人格、仲間、国………
私自身の視野に入ってこなかったものを魅せてくれる。

だから私は人と関わることが好きなのかもしれない。
映画が好きなのかもしれない。 

②これは、映画24区さんの脚本読解講座でも言われていること。

いくら、自分から何かを発信しようと(形にしようと)しても、
自分の中に持ち札がなければ
空っぽのものしかできない。

今回においては
『ローマの休日』をしっかり観て、
感想を固めて、
オードリー・ヘプバーンを学んで、
撮影に挑んだことは正解だった。

今後ご縁があって、このように作品を作る際は
もっともっと
自分の中で持ち札(インプット)を増やして アウトプットしていきたい。

後日、今回の撮影したデータが届いた。
最高だった。
今まで撮った写真の中で群を抜くレベルだった。

それは、
髪を似せたから
服を似せたから
小物もポーズも似せたから
メイクしたから。

そうだ。その通りだ。
だが、成功の理由にもう少し加えたい。

私自身が変わったから。
そして


映画を観たから。










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