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約2年間で3つの仕事を経験した、「複業」という新しい働き方をしてみて

今、地方においてそれぞれの地域の特色を活かした「複業」「多拠点居住」という新しい働き方が増えてきています。

隠岐諸島でも「地域におけるマルチワーク」つまり「複業」推進の動きは加速しており、現在隠岐4島それぞれに地域づくり事業協同組合組織が設立されています。

そこで、2022年12月11日(日)に、一般社団法人 離島百貨店オフィス内(東京都千代田区 永田町グラスゲート5階)で、多拠点生活や新しい働き方を探る『離島の地域複業・就職フェア』を開催することになりました。

詳しくは記事の最後に!


このイベントを開催するにあたって、「複業」をもっと知っていただくために、現在海士町複業協同組合で働いている藤原さんと、9月で複業組合から島の漁師に転職した浜口夏生さんに、複業で働く魅力や複業による価値観の変化などについてインタビューを行いました。前編と後編に分けてお届けします。

▼前回の浜口さんのインタビュー記事はこちら


後編は、2021年4月から海士町複業協同組合で働いている藤原夏実さんにお話を伺いました。

藤原 夏実:
東京都出身。幅広く学びたい気持ちが強かったため、大学では現代社会学という学科で社会学とメディアについて学んでいた。前職はシステムエンジニア。2021年4月より海士町複業協同組合に入社。


私が「複業」をすることにした理由

2021年の4月から海士町複業協同組合に勤め、約2年が経ちました。前職は東京でシステムエンジニアをしていましたが、

ずっとパソコンと向き合い続けるよりも体を動かした仕事をしたいと思い転職を考えていたところ、登録していた求人サイトの性格診断でマッチした、「海士町複業協同組合」に出会いました。

海士町複業協同組合を選んだ理由は大きく3つあり、1つ目が「複業」という色々な仕事に挑戦できる働き方だということでした。1つの会社でずっと働くのではなく、色々な仕事を知れることは、好奇心旺盛な私にとって魅力的でした。

2つ目は、島や田舎で生活をしてみたいということ。海が大好きだったことと、東京では感じられない地域や人との繋がり、自然を感じて暮らしたいとい思っていたからです。

3つ目は、海士町複業協同組合は期限のない正規雇用(正社員)での採用だったということ。移住先を考えるときに、地域おこし協力隊といったお仕事も選択肢の一つでしたが、正規雇用ではないという点、任期が決まってるという点で移住をするには不安がありました。

しかし、複業協同組合は期限がないので、自分が思う存分、仕事に向き合えることに安心感と移住しやすさがあると感じ、海士町複業協同組合に応募しました。

▼海士町に移住されるまでの経緯はこちら


森林組合からホテルのスタッフまで。2年間で経験した3つの仕事。

約2年間で、主に3つの事業所で働きました。私自身が興味のあるところをピックアップし、相談しながら事業所先を決めていきました。

2021年
4月~6月 CAS凍結センター(加工施設)
7月~11月 Entô(ホテル)フロント・ダイニング
12月 CAS凍結センター

2022年
1月~5月 森林組合
6月~7月 セントラル亭(港にあるレストラン)とEntôダイニング
8月 B&Bあとど(宿泊施設)
9月 セントラル亭とEntôダイニング
現在 Entôダイニング

2021年4月からの3か月間は、CAS凍結センターでイカの下処理や、牡蠣・イカの加工をしていました。

7月から11月までは、Entôでフロント、ダイニングなどで接客を。12月には、またCASで作業を行いました。

今年(2022年)の1月から5月までは森林組合で、6月から9月はセントラル亭とEntôのダイニングに半分ずつくらいで働いていました。途中の8月にはB&Bあとどでクリンネスを行い、今はEntôダイニングにいます。

森林組合で働く様子

初めて第一次産業に携わった森林組合では、森の中に入って、木を倒す作業や刈払機で小さな木や草を刈る作業を行っていました。Entôダイニングでは受付や料理の仕込みをしていたり、事業所によって仕事内容が全然違っていておもしろいです。

今後は、岩ガキの養殖などに携わってみたいなと考えています。Entôダイニングで働いている時に毎日提供されている岩ガキがどういった工程でEntôまで届いているのか、興味が湧くようになりました。

事業所での業務をきっかけに、ほかの仕事・職にも興味が出てくるようになる。それが複業ならではのおもしろさだと感じています。


「複業」して、自分は人と話すのが大好きだと知った

複業という働き方で色々な職業に携わり、それぞれ違った景色が見れることがうれしく、その一つ一つに感動できる働き方だと感じています。

私が働いているEntôダイニングやセントラル亭で、岩牡蠣やアジフライといった私が昨年働いていたCASの商品をたくさん提供しているので、昨年私たちが作っていた商品がこうして島の他の施設で提供されているんだ、と感じられることがあります。

そうやって、事業所を通して繋がりを感じるのも、「複業」ならではの魅力だと思います。

また、「複業」という働き方で、自分について知ることができることも魅力の1つだと思います。

自分が得意なことも、苦手なことも、好きなこともわかるようになりました。色々な仕事を経験して、自分についてよく考える時間ができたからだと思います。

その中でも私は、人と話すのが好きだと気づきました。特に、Entôダイニングに入って、好きな接客をしながら感じています。

一方で、数か月に1度仕事が変わっていくので、新しく覚えることが増えていくことに大変さも感じています。

慣れはじめたころに違う事業所へと離れてしまうので、力になれているのかと考えるときがありますが、前回よりも上手にすることを心掛けています。


仕事終わりに海に行く、島ならではの過ごし方

東京と離島、という暮らしが大きく変化しましたが、考えているほど不便ではありませんでした。コンビニもスーパーもないけど、商店で十分揃う。時々、映画館があれば良いのになと思うときもありますが(笑)たまに都会で遊べるときに思う存分遊んでいます。

都会との大きな違いは、ご近所の方、島民の方と関わる機会が多いことだと思います。地区を引っ越しても、以前住んでいた地区の行事に呼んでいただいたくこともありました。

仕事終わりに同僚と海に入ったり、島ならではの過ごし方をして。
プライベートと仕事を両立してどちらも楽しめることが島の良さだと思います。


複業協同組合に興味がある方に伝えたいこと

離島で暮らしてみたい方や新しいことに挑戦してみたい方など、一歩を踏み出すために、海士町複業協同組合はすてきな環境だと思います。

まだやりたいことが決まっていない。一つの仕事に絞るのには不安がある。そんなときは「複業」という働き方でじっくりと考えてみてもいいかもしれません。

島のみなさんも優しくて、温かくいですし、複業協同組合職員も事業所のみなさんも支えてくださるので安心してください。

ぜひ、海士町複業協同組合に来てくださるとうれしいです。お待ちしています!

藤原さん、ありがとうございました!

「複業」は、色々な仕事に興味がある人、まだやりたいことを見つけられていない人、移住を考えている人にオススメの働き方です。

島に来る前に仕事を決めるのは難しいけれれど、まずは来てみて仕事を経験して、自分の方向を決めていくのもいい。複業組合が挑戦の第一歩になるとうれしいです。

そんな「複業」という新しい働き方について、今回イベントを開催します。

多拠点生活や新しい働き方を探る『離島の地域複業・就職フェア』を開催します!

2022年12月11日(日)に、東京都にある一般社団法人 離島百貨店オフィス(永田町グラスゲート5階)にて、離島の新しい働き方についての講演会・トークセッションをで開催します。

「地域複業による地域経営とは?」など、複業に関するテーマにお答えしながら、実際に地域複業に挑戦している複業協同組合職員の島での暮らしや仕事についてのリアルな声をお届けする予定です。

島や地域での複業への挑戦はもちろん、移住・就職相談を通して有意義な情報交換の場となります。

みなさんのご参加お待ちしております!

『離島の地域複業・就職フェア』プログラム

◆第1部◆
14:00〜15:00 ①基調講演「地域複業推進による地域経営とは?」
15:00〜16:00 ②トークセッション「地域複業への挑戦がもたらす自身の価値観の変化とは?」
16:00〜17:00 ③ワークショップ「島 × 私のこれから挑戦したいコト」

◆第2部◆
17:30〜18:00 会場受付
18:00〜20:00 懇親会@離島キッチン日本橋店

イベント概要
開催日時:
12月11日(日) 第1部 14:00〜17:00  第2部 18:00〜20:00

開催会場:
第1部 永田町グラスゲート5階(一般社団法人 離島百貨店オフィス内)
第2部 離島キッチン日本橋店

参加費:
第1部 無料
第2部(懇親会) 5,000円(学生の場合3,000円)

募集人数:
50名

お申込み(事前申し込み制):
https://oki-fukugyo-fair1211.peatix.com
Peatixサイトにて参加チケット(無料)をご購入ください。

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