小料理暮らし|6.とろろ焼き
日本で好まれる“ねばねば食材”は食べやすく滋養もあり、暑くなるこれからの季節には積極的に取り入れていきたい食材です。
水分が多い長芋は、やや粘りが少なく淡白なので、卵を合わせるとコクが加わりよりおいしくなります。それを色よく焼いて青ねぎをたっぷりはさむ「とろろ焼き」は、口当たりがよく爽やかで、粉類でつながなくても焼けるため食べた後も軽やか。これをつまみにお酒を飲んでいると大層体に良いことを実践している気持ちになれるのです。
とろろ焼きの材料(1〜2人前)
⒈長芋をすりおろし、よくかき混ぜます。
長芋は皮をむいてすりおろします。ボウルに入れ、卵、〈調味料〉を加えて、空気を含ませるように30秒ほどよくよく撹拌します。
⒉焼きます。
フライパンにサラダ油を中火で温め、長芋の生地を入れます。蓋をしてそのまま2分焼いてから、弱火にしてさらに4〜5分焼きます。
⒊青ねぎを加えます。
蓋を開けて長芋がふっくらふくらんでいたら、片側半分に青ねぎを振り、へらで半分にたたみます。
⒋できあがりです。
すべらせるようにしてお皿に盛り付け、かつおぶし、マヨネーズを添えてできあがりです。
notes
✓長芋の生地は、泡立て器か箸で空気を含ませるようによくよくかき混ぜてから焼くと、スフレオムレツのようなふんわりなめらかな舌触りに焼き上がります。とろろと卵は生でも食べられますので、蓋をして蒸し焼きにすれば片面焼きで十分です。
すりおろす時に手がかゆくなる場合は、お酢を手にすり込みよく水で洗い流すと和らぎますのでお試しください。(かゆみを起こす、長芋のシュウ酸カルシウムという成分は、酸に溶ける性質がありお酢で洗うと徐々に治まります。)
✓薬味であり具でもある青ねぎの香りと食感が、味わいのポイントの一つです。ぜひたっぷりお使いください。醤油味が付いているのでそのままでおいしいですが、マヨネーズのコクと酸味を添えるとがよりおいしさがふくらみます。温めためんつゆもよく合います。
やはり粘りを感じるなめらかな舌触りの後、長芋特有の清々しい香りがふわっと口に広がります。
シンプルな材料の取り合わせですが、潔くあれこれやり過ぎず素材の特徴を楽しむことが、このレシピのおいしさの一部。
口当たりも食べた後の心地も軽いので、焼き魚と、お刺身と、なんとなくお肉が重たく感じる日におすすめです。
それでは今日はこのへんで。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。