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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2023年11月の記事一覧

あのお方の杞憂。

 この時期になると決まって大規模な募集がかかる。募集を目にすると年末だなあと感慨深くなる…

友から連絡来たる。

 古い友から連絡があった。出版不況が押し寄せて、知り合いだった者があれこれあって、『そし…

窓外からの届きもの。

 数々の決まり事を守らされながら、窮屈さに辟易しながらも、日々の暮らしが守られている。忍…

裁かれる者。

 死刑囚に会いに行くなんてこと、この仕事をしていなければ一生経験できなかっただろうな。 …

アイスモナカはどこにも行かない。

 星が浮かんでいる不思議に、古代の人は今よりずっと不思議に思ったことだろう。  そんなこ…

オン・ザ・レール。

 思い描いたラインをそのままトレースできる人生は、ふたつの意味で難しい。そりゃ、RnineTス…

ビハイクル電化時代。

 先般、日曜日の深夜にタクシーに乗ったらね、5年後には運転手不在のタクシーが走っているでしょうねと言うんだよ。  無人のタクシーに手を挙げて乗り込むところを想像してみたよ。無人の運転席の運転手不在の車両は客のどこを見てただ手を挙げてしまった人と客とを見分けるのか疑問に思ったよ。だってその人はタクシーを拾おうと手を挙げているのではなく、横断歩道を手を挙げて渡ろうとしているだけかもしれないし、脇の下の匂いを衝動的に嗅ぎたくなっただけかもしれないでしょ。  もちろん僕は公道でそ

人は途上にあり。

「この赤い果物はアポーと呼ぶことにしよう」  まだ「そうだね」という同意の表現さえ確立さ…

姫と彼女。

 お月様は誠実だ。いつ何時でも、地上に雲がかかっても霞のかかることのない純粋な気持ちで、…

時速80キロで生きる。

 空腹が過ぎると体がエネジーを切望しすぎて、時速80キロほどの速度でメシをかっこまないと間…

読書道。

 空腹で飯をかっこむように、言葉の喉が乾くと貪るように本を読んだ。そんな時期があった。 …

さよなら、ドラえもん。

 電気技術士領域の仕事でも、「やってもらえるかしら?」のリクエストが来れば応えちゃう。 …

終電しまったあ。

 千葉県の西船橋駅、東京に戻ろうとする22時30分過ぎ。一般家庭では眠りに就く序の口の真夜中…

カオマンガイ即興曲。

 無性にタイ料理が食べたくなることがある。割と突発的で発作みたいなものだから、下ごしらえも何もできていないことが多い。それでも、食べたい。しかもなるべく簡単に調理したい。  食したいタイ料理がカオマンガイだった場合、最重要事項が鶏肉を確保できるかどうかだ。鶏肉さえ確保できれば、あとはどうにか誤魔化せる。パクチーがなければセロリの葉を代用するし、ナンプラーがなければスーパーに走り、しょっつるを買ってくる。  今回は、順当に素材がそろった体で話を進めさせていただこう。    素