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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2022年11月の記事一覧

ヴィトンの冒険。

 美男美女がポーズを決める姿は、薄っぺらく味がなく、嘘っぽい。ありふれすぎ、見慣れたせい…

耽溺。

 昔「窮鼠」は「猫を噛」んだものだ。追い詰められると、躯体の大きさはネズミの比ではなく、…

長靴を描いた猫。

 noteとは別のところで猫を描いている。こちらはたまに休むこともあるけれど、1年365日ほぼ…

人生ゲーム。

 最近よく考えるんだ。この世に生まれた時からはじまるとても素敵な人生ゲームは、既存ボード…

邪魔しないでくれる?

 ひとり時間はなんぴとからも侵されたくはないんだよ。----ある飼い猫から聞いたおはなし。 …

幸せ製造機。

 人が構築してきた道だもの。サイズ違いの服と似て、しっくりこないこともあるだろさ。他人が…

ドライブ・マイ・ウィル(Drive my will)

 感じ方はそれぞれでいい。 『ドライブ・マイ・カー』を観た。折り畳まれたいくつかの短編が、運転する車の主旋律上で、一条の光を受けながら、ぱらぱらとめくられていく。書籍はコンパクトにそれぞれの物語をシュリンクしていたというのに、川面に出現する陽光が生みだす光の魚の影のように映画で短編は分解され、旋律の主軸にまとわりついていた。   どの物語も、生々しく痛ましく、辛い。  ゆるく濃厚な時間が淡々とつづいているはずなのに、どうやら時間軸をうまく組み入れられなかったらしい。長丁場

人肌恋しく。

 秋が実らせ葉が落ちて、暮れゆく今日の落日は、凛としていて淋しみ、虚空。  おでん、ぬる…

【世界の真理】隣の芝生

「いい男って結婚しているんだよねえ」とバツイチ女が言った。  いや、それは違うよ。手に入…

ベクトル

 四十男が、ある会社を辞めることになった。いくつか仕事を変わっている職歴。辞めることにな…

些事の奇跡。

 気遣い、遠慮があるうちは、真の仲間と認めてくれないものさ。飛び込まないと。  飛び込み…

流されない。

 大人は子どもの「みんな持ってるもん」に騙されない。 「みんなって誰よ?」と問い詰めると…

朝の報せ。

 夜の闇が暁光消しゴムに消されはじめると、朝が音をたてはじめる。波を運んできた風のさえず…

ホテルの舎窓から。

 規制が緩み支援が始まると『解禁ムード』が一気に浸透したけれど、第8波はどうするつもりなんでしょうねえ。都会では経済活動の回復が急務と言い、旧態依然の田舎では『来る人厭う』の噂話が蔓延ムード。温度差は、空調の効いた室内の適温と外気の冷たさほど開きがある。   ↓こんな感じかな?  御上の許しが出たんだもの、大手を振ってもよさそうなのだが、出かけた先では大また威風堂々ではどうも気が引ける。つい小走りにタタタタとなってしまいがち。気の小ささが後ろめたさの背中を押してしまうんだね