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視覚に囁く『小ご絵』

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いつも大きくて立派な扉ばかり見せられてきたように思う。 深く考えることなく、大きくて立派な扉ばかり追いかけてきたように思う。 だけどいつもうまく開けられるわけじゃない。 ある… もっと読む
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2021年8月の記事一覧

月、行く。

「ぼくは旅に出る」月  火星に木星に彼方の星まで。地球人たらあまりに浮気で、このところ宙…

上半分と下半分。

取り立てて役に立つとか面白いといった類のものではないのだけれど、ときどきくだらないことが…

神器と人気。

 昭和から令和へ、半世紀ひとっ飛び。  比べてみると、三種の神器のトランスフォーム。障子…

やってる? 夏休みの宿題。

 おーい、子どもたち。宿題のラストスパートかけてるかい?  今年の夏は、テレビに釘付け。…

なにやつ。

古今東西、ネズミがネコに噛みつくと話になる。語り語られ、波状の伝播広がる。こうした類の話…

◯◯の人。

美術は目の人。音楽は耳の人。料理は舌の人。文字は心の人。 ふれあいは愛の人。

じいちゃんの目、ばあちゃんの耳。

壁の耳より、障子の目より、現代人はコイツをいちばんに気にしてる。 ネットの網目。 昔人からの教え? もちろん聞く耳は持っちゃいるけど、逆にスマホ操作と危うさ教えてあげなくちゃ。 問題は彼らのほうに聞く耳があるかどうかなんだよね。たまに、やる前から匙を投げちゃう人がいるからさ。 「あ、おじいちゃん、指にツバつけちゃだめ。障子じゃないんだから画面に穴は開かないし、第一バッチィ。世が世だから違った危なさあるし」 「おっとおばあちゃん、そこにキャッシュカードの暗証番号打っちゃ

『僕は、線で猫を描く』

 猫を描いてきた。繰り返し繰り返し猫を描いていると、張っていた筋肉からふっと力が抜けて、…

違う2人のひとつの時間。

あなたの正義、私の正義。 あなたと私はいつでも違う。 だからこうなる。 それでも。 あな…

持ちつ持たれつ。

生きとし生けるもの、すべての命は、欠けたところを補い合いながら、1枚の世界という絵画の中…

ウルトラマン、帰る。

 折に触れ、何かと取り上げられる昭和。  先般、昭和歌謡をレコードで聴く凝った人々が特集…

音の言葉。

 嘘は赤で、腹は黒。頭は白くなるもので、時代は暗くなるものだ。  表現の世界では色彩や明…

指紋、思い出紋。

 とっておきたし、話してみたしの思い出紋は、心の指紋。一人にひとつずつ、その人だけの思い…

陽はまた昇り、人はまた山に登る。

 登るべき山はひとつじゃない。たくさんある。    なぜ登るのかって?  そこに山があるからじゃない。その山を越えないと次の山が見えてこないからだ。    登り切ると見えてくる次なる山に登るために、登頂したらその山を下る。下らないことには、次の山に登れないから。  よっこらしょ。    なぜ人は登山を繰り返すのだろう?    きっと、登らなければ見えない景色があることを知っているから。登らず、汗を流さず麓にいると、人生を照らす光の半分は山の影。眼下に光の大地の全体掌握は一生