イタリア民話集 下 岩波文庫 赤 709-2
題名どおり、イタリアの民話を集めた本です。
本書は、下巻です。上巻と併せて読めば、イタリアの民話について、大まかなところがわかるでしょう。
本書には、南イタリアの民話が集められています。だいたい、ローマ以南の話と考えて、間違いありません。北イタリアの民話は、上巻にあります。
シチリア島、サルデーニャ島、コルシカ島の民話も、含まれています。コルシカ島は、現在はフランス領ですが、歴史的に、イタリアとの関係も深い島です。
一つ一つの話は、短いです。文章もやさしくて、すぐに読めます。
話の内容は、ヨーロッパの民話に詳しい方なら、どこかで聞いた話が多いでしょう。
それでも、随所にイタリアらしさが表われていて、面白いです(^^)
以下に、本書の目次を書いておきますね。
木造りのマリーア(ローマ)
皇帝ネーロとベルタ(ローマ)
三つの石榴【ざくろ】の愛
鍬【くわ】を取らねば笛ばかり吹いていたジュゼッペ・チューフォロ(アブルッツォ地方)
傴僂【せむし】で足わる・首曲り(アブルッツォ地方)
一つ目巨人(アブルッツォ地方)
宮殿の鼠と菜園の鼠(モリーゼ地方)
黒人の骨(ベネヴェント)
洗濯女の雌鶏(イルピーニア地域)
最初の剣と最後の箒【ほうき】(ナーポリ)
狐の小母【おば】さんと狼の小父【おじ】さん(ナーポリ)
ほいほい、驢馬【ろば】よ、金貨の糞をしろ!(オートラント地域)
プルチーノ(オートラント地域)
人魚の花嫁(ターラント)
最初に通りかかった男に嫁いだ王女たち(バジリカータ地方)
眠れる美女と子供たち(カラーブリア地方)
七面鳥(カラーブリア地方)
蛇の王子さま(カラーブリア地方)
金の卵を生む蟹【かに】(カラーブリア地方ギリシア語地区)
人魚コーラ(シチリア島パレルモ)
なつめ椰子【やし】・美しいなつめ椰子(パレルモ)
賢女カテリーナ(パレルモ)
風を食べていた花嫁(パレルモ)
エルバビアンカ(パレルモ)
ツォッポ悪魔(パレルモ)
床屋の時計(パレルモ後背地)
仔羊の七つの頭(フィカラッツィ)
この世の果てまで(サラパルータ)
気位の高い王女(トラーパニ近郊)
隊長と総大将(アグリジェント近郊)
孔雀の羽(カルタニッセッタ近郊)
二人の騾馬【らば】引き(ラグーザ近郊)
ジョヴァンヌッツァ狐(カターニア)
十字架像に食べ物をあげた少年(カターニア)
角だらけの王女さま(アーチレアーレ)
ジュファーの物語(シチリア島全域)
修道士イニャツィオ(サルデーニャ島カンピダーノ平野)
ソロモンの忠告(カンピダーノ平野)
羊歯【しだ】の効きめ(ガッルーラ山地)
人間に火を与えた聖アントーニオ(ログドーロ高地)
三月と羊飼(コルシカ島)
ぼくの袋に入れ!(コルシカ島)
原注
民話と文学 川島英昭
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