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衝撃の古代アマゾン文明―第五の大河文明が世界史を書きかえる


衝撃の古代アマゾン文明―第五の大河文明が世界史を書きかえる

 少し前までの世界史の教科書には、必ず、「世界の四大文明」が、載っていましたね。
 ナイル川のほとりのエジプト文明、チグリス・ユーフラテス川のほとりのメソポタミア文明、インダス川のほとりのインダス文明、黄河のほとりの中国文明です。

 「古代文明は、大河のほとりに生まれる」という定説が、あったんですね。
 が、じつは、この定説は、かなり古いです。上記の四つの文明が、他の地域と比べて、「四大文明」というほど、突出していたわけでもないことが、わかってきました。

 それでも、「大河のほとりの四大文明」の知名度は、高いです。
 だから、本書の副題に「第五の大河文明が世界史を書きかえる」とあるのでしょう。
 多くの人が思う「四大文明」以外に、それに匹敵する文明があったことを、強調しています。

 「アマゾン川のほとりに、大規模な土木工事を行なえる程度の文明があった」ことを、本書は主張しています。
 本書の情報を信じる限りでは、それは、本当らしいです。

 ただ、本書の情報を、すべて鵜呑みにすることは、できません。
 直接、アマゾン文明の遺構と関係ない部分ですが、非常に怪しい記述が、いくつか、あるからです。
 例えば、アマゾンの大蛇、アナコンダについての記述です。『体長三〇メートル以上のアナコンダの例』なんて、まともな学者なら、取り上げません。それは、昔の、未確認の情報だからです。

 このような部分があるために、本書は、信頼度を下げてしまっています。残念なことです。
 にもかかわらず、本書の言う「古代アマゾン文明」は、調査する価値があると考えます。自然の地形や、誰かのいたずらと考えるには、あまりにも大規模で、人工的な、土木工事の跡が、残っているからです。
 これから、アマゾンの遺構の調査が進んで欲しいです。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

はじめに
古代モホス文明の居住環境図
南アメリカ遺跡地図

序章 古代アマゾン文明とは何か
 新大陸の大河文明――アマゾンは処女地ではなかった!
 ボリビアに栄えた古代モホス文明
 ようやく脚光を浴びた文明
 など

第 I 部 隠された大河文明
 第一章 異形の水神の謎
  奥アマゾンの秘境
  パラトアリのピラミッド群
  プシャロのペトログリフ
  ペトログリフの暗示
  など

 第二章 アマゾン古代史論争
  アマゾンは乾燥地帯(サバンナ)だった!?
  「避難地仮説」の信憑性
  アマゾンの過去の驚くべき謎
  など

 第三章 ボリビア・アマゾン文明の発見
  ボリビア・アマゾンのモホス大平原
  モホス大平原の自然環境
  過去はどうだったのか
  など

 第四章 古代モホス文明の上を飛ぶ
  ボリビア・アマゾンの楽園トリニダード
  トリニダードでの出会い
  情熱の人リカルド・ボテーガ・シーレス
  など

第 II 部 古代アマゾン文明の全貌
 第五章 アマゾンの人工島
  現代の後継者クラーク・エリクソン
  ロマとは何か
  モホス大平原のロマ
  など

 第六章 地上絵の謎
  ナスカの地上絵
  古代モホス文明の道路網
  テラプレンの構造と大きさ
  など

 第七章 自然の再創造
  農業と文明
  モホス大平原の土壌
  古代の耕作地跡
  など

 第八章 文明の建設者
  誰が古代モホス文明を築いたのか
  シプリアーノ・バラセとイエズス会の進出
  モホス大平原の先住民族
  など

 第九章 アンデス文明アマゾン起源説
  過去との「断絶」の存在
  文明はいつ放棄されたのか
  インカ文明アマゾン起源説
  など

 第十章 古代アマゾン文明の本質
  文明成立の条件
  アマゾンとは何か
  アマゾン大平原に栄えた農業文明
  など

第 III 部 神秘のアメリカ大陸
 第一一章 アマゾン川
  ヨーロッパ人によるアマゾン川の発見
  アマゾン川の源流はどこか
  アマゾン川の巨大さ
  など

 第一二章 黄金伝説
  エルドラード伝説
  伝説誕生の背景
  ビルカバンバの伝説とマチュピチュの発見
  など

 第一三章 最初のアメリカ人
  ベーリング海峡ルート説の根拠
  ベーリング海峡説への疑問とモンテ・ベルデ遺跡の発見
  ブラジルの驚くべき遺跡群とアフリカ起源説
  など

未来への展望――あとがきにかえて
謝辞
主要参考文献



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