ケルト―伝統と民俗の想像力 (中央大学人文科学研究所研究叢書)
ケルト―伝統と民俗の想像力 (中央大学人文科学研究所研究叢書)
ケルト民族の文化について、さまざまな角度から見て、解説した本です。
かなり学術寄りです。論文集のようなものです。
がっちり、しっかり、ケルトについて知りたい人でなければ、途中で読むのを挫折するでしょう。
厚さも、けっこうありますしね。
ケルトについて、本格的に知りたいなら、お勧めの本です(^^)
本書が出たのは、一九九一年です。二〇一二年現在では、二〇年以上前ですね。
けれども、本書ほど重厚なケルトの解説書―日本語で読めるもの―は、いまだに、ほとんどありません。
ケルト民族が伝えてきた物語、美術、宗教、音楽、言語などについて、解説されています。
ここで、私がぐだぐだ書くより、本書の目次を見てもらったほうが、内容がわかるでしょう。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
ただし、目次の量が膨大なため、一部を省略させていただきます。御了承下さい。
はじめに
二輪戦車と笏杖と幻――序にかえて
第一部 ケルトの世界
I ドルイドとギリシア・ローマ世界
一 ギリシア・ローマからの視点
二 ドルイドの最初の記録
三 ポセイドニオス系の資料から
四 ユリウス・カエサルとドルイド
II アイルランドのキリスト教受容――聖パトリックの伝承と象徴性
一 パトリック伝承著作の軌跡――その背景と性格
二 アイルランド宣教派遣の背景
三 パトリックとアイルランド
四 パトリックの遺産
III 冒険と航海の物語
一 冒険と航海
二 『フェヴァルの息子ブランの航海と冒険』
三 異界への旅
IV ケルト美術の装飾性
一 キルデアの奇蹟
二 『ケルズの書』の歴史
三 アイルランド修道院文化と写本芸術
四 文様のうごめき
V ケルトと北欧の関係について
一 書誌をめぐって
二 モチーフの比較
三 借用と移入
第二部 ケルト的稟質の展開
VI ヨハネス・スコートゥス・エリウゲナの理想
一 エリウゲナの軌跡
二 二通りの区分について
三 ディオニシオス思想との関係
四 神現(テオファニア)
五 無からの創造
六 エリウゲナとケルト
VII オシアンと「穏健派」――十八世紀後半のガーリックをめぐる覚え書き
一 オシアン論争とナショナリズム
二 ハイランダーの立場
三 「穏健派宣言」
VIII スコットランドの魔女妄信
一 視点
二 魔女妄信の発端と典拠
三 魔女迫害法の制定
四 魔女探し
五 民話に登場する魔女
IX 音の風景――声楽的観点からみたアイルランドの作曲家たち
一 三人の作曲家
二 ハーバート・ヒューズとショパン
三 ピアノで歌ったジョン・フィールド
四 ノクターンの作曲家たち
五 ジョン・フィールドのピアノソナタとピアノ協奏曲
X アイルランド語――歴史および現状と課題
一 源流
二 叙述法の変遷
三 言語構造
四 現状と課題
XI 詩的想像力と民俗劇――J・M・シング『谷間の蔭』をめぐって
一 アラン島の人々
二 ウィックロー山地の霧
三 定住対放浪
四 現実と想像
XII アラン島の世界――ケルト遠望
一 アラン島にて
二 シング『アラン島』読解
ケルト研究文献一覧
索引
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