コーラン 下 岩波文庫 青 813-3
イスラム教の聖典として有名な、コーランです。
本書は、上・中・下、三巻のうちの下巻です。上巻・中巻を、先にお読み下さい。
上・中・下、三巻のうちでは、本書、下巻が、一番、章の数が多いです。
それというのは、一章の長さが短いからです。
じつは、現在のコーランの構成は、後になるほど、時代的に古くなっています。
つまり、預言者ムハンマドが最初に受けた言葉は、末尾に記されています。読み進むほど、時間をさかのぼってゆくんですね。
最初の頃のアッラーの言葉は、断片的です。なので、散文というより、詩に近いです。
後半(コーランの構成では、最初のほう)に行くほど、だらだらとした文章になります。
文章としては、上巻が、最も洗練されていますが。
下巻の詩的な言葉も、捨てがたいです。
どちらが読みやすいかは、人によるでしょう。
本書、下巻を読むと、「イスラム教が、啓示宗教である」ことを、実感できると思います。
文章が、いかにも、「ものに憑かれた詩人」が、吐き出した言葉に見えるからです。
書かれている内容は、上巻・中巻と、大差ありません。ひたすらに、アッラーを称える言葉が並びます。
とにもかくにも、下巻まで読み通せば、イスラム教について、必要最小限の知識は、得られたことになります。
イスラム教徒でもない日本人としては、自慢してもいいと思いますよ(^^)
世界を理解するための、重要な鍵を、一つ、手に入れたのですから。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
三四 サバア ――メッカ啓示、全五四節――
三五 天使 ――メッカ啓示、全四五節――
三六 ヤー・スィーン ――メッカ啓示、全八三節――
三七 整列者 ――メッカ啓示、全一八二節――
三八 サード ――メッカ啓示、全八八節――
三九 群なす人々 ――メッカ啓示、全七五節――
四〇 信者 ――メッカ啓示、全八五節――
四一 わかりやすく ――メッカ啓示、全五四節――
四二 相談 ――メッカ啓示、全五三節――
四三 光りまばゆい部屋飾り ――メッカ啓示、全八九節――
四四 煙 ――メッカ啓示、全五九節――
四五 腰抜けども ――メッカ啓示、全三六節――
四六 砂丘 ――メッカ啓示、全三五節――
四七 ムハンマド(マホメット) ――メディナ啓示、全四〇節――
四八 勝利 ――メディナ啓示、全二九節――
四九 私室 ――メディナ啓示、全一八節――
五〇 カーフ ――メッカ啓示、全四五節――
五一 吹き散らす風 ――メッカ啓示、全六〇節――
五二 山 ――メッカ啓示、全四九節――
五三 星 ――メッカ啓示、全六二節――
(中略)
九五 無花果【いちじく】 ――メッカ啓示、全八節――
九六 凝血【ぎょうけつ】 ――メッカ啓示、全一九節――
九七 定め ――メッカ啓示、全五節――
九八 神兆 ――メッカ啓示、全八節――
九九 地震 ――メッカ啓示、全八節――
一〇〇 駿馬【しゅんめ】 ――メッカ啓示、全一一節――
一〇一 戸を叩く者 ――メッカ啓示、全八節――
一〇二 張り合い ――メッカ啓示、全八節――
一〇三 日ざし傾く頃 ――メッカ啓示、全三節――
一〇四 中傷者 ――メッカ啓示、全九節――
一〇五 象【ぞう】 ――メッカ啓示、全五節――
一〇六 クライシュ族 ――メッカ啓示、全四節――
一〇七 慈善 ――メッカ啓示、全七節――
一〇八 カウサル ――メッカ啓示、全三節――
一〇九 無信仰者 ――メッカ啓示、全六節――
一一〇 助け ――メッカ啓示、全三節――
一一一 腐ってしまえ ――メッカ啓示、全五節――
一一二 信仰ただひと筋 ――メッカ啓示、全四節――
一一三 黎明 ――メッカ啓示、全五節――
一一四 人間 ――メッカ啓示、全六節――
『コーラン』関係地図
解説
改訳『コーラン』後記
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