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ペルシアの神話―「王書」(シャー・ナーメ)より (泰流選書)


ペルシアの神話―「王書」(シャー・ナーメ)より (泰流選書)

 ペルシアの古書『シャー・ナーメ』を翻訳した本です。
 『シャー・ナーメ』は、日本語では『王書』と翻訳されます。その名のとおり、ペルシアの歴代の王(シャー)のことを書いた本です。

 『シャー・ナーメ』は、現代的な意味での歴史を書いてはいません。神話的な王朝の様子を書いています。日本の『古事記』や『日本書紀』のようなものです。
 ですから、『シャー・ナーメ』の翻訳書である本書は、『ペルシアの神話』になるわけです。

 ペルシアの神話は、日本では、紹介されること自体が、珍しいですね。
 本書は、その貴重な例です。天地創造から始まって、第十代のガルシャースプ王までが訳出されています。
 もちろん、「第○代」というのは、神話上での数え方です。現実の歴史がこのとおりだった可能性は、極めて低いです。

 『王書』といいつつ、本書には、王以外の英雄も登場します。これは、原書に載っているものです。
 『シャー・ナーメ』では、鍛冶屋のカーヴェや勇者ロスタムなどの英雄も、華々しく活躍します。これらの英雄の活躍ぶりは、本書の読みどころの一つです(^^)

 本書は、『シャー・ナーメ』を、ただ忠実に訳しただけではありません。
 各章の末には、『シャー・ナーメ』以外のペルシアの神話が、紹介されています。『シャー・ナーメ』と、それ以外の伝承とを比べることにより、いっそうペルシアの神話を深く知ることができます(^^)

 ペルシアの神話は、ゾロアスター教の神話や、インドの神話と、深い関係があります。
 ゾロアスター教や、インド神話に興味がある方も、本書を読むとよいでしょう。

 以下に、本書の目次を書いておきますね。

まえがき

1 天地創造
2 最初の王カユーマルス(在位三十年)
3 フーシャング王(在位四十年)
4 タフムーラス王(在位三十年)
5 ジャムシード王(在位七百年)
6 暴君ザッハーク王(在位一千年)
7 鍛冶屋カーヴェの活躍
8 ファリードゥーン王(在位五百年)と三人の王子
9 マヌーチェフル王(在位百二十年)
10 勇者ザール
11 勇者ロスタム
12 ノウザル王(在位七年)
13 ザウ王(在位五年)
14 ガルシャースプ王(在位九年)

解説
参考文献



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