はじめてのウィッグ

はじめてウィッグを使ったのは、大学の卒業式だった。3歳からずっと円形脱毛症になっていたが、大学の卒業式までウィッグを一度も使ってこなかった。

中学時代に国語の先生から「出かけるときはウィッグでオシャレするのもいいんじゃない?」とさりげなくすすめられたことはあったが、当時はインターネットで何でも調べられる時代ではなく、地方に住んでいた私にはウィッグに関する情報があまりなかった。

両親も「悪いことをしていないのだから、堂々としていればいい」という考え方で、ウィッグをつけるという選択肢はなかったようだった。

大学卒業の頃、外から見えるところに円形脱毛があった。髪を結うと円形脱毛が見えてしまうため、今まで髪を結ったことがなかった。しかし、せっかく可愛い袴を着るなら髪型も可愛くしたいと思いウィッグを考えるようになった。

通りがかりに床屋の男性用かつらのポスターを見たことがあったのを思い出し、美容室でもウィッグの取り扱いがあるかも?と思った。
そして、この頃には普及していたインターネットでウィッグの取り扱いがある美容室を調べ、電話をかけた。

美容室ではじめて購入したウィッグは、前髪ウィッグとハーフウィッグだった。2つで、だいたい3万円くらい。
これまで円形脱毛症で、髪を伸ばしたことがなかったため、憧れだったロングヘアを購入した。

そして、卒業式当日。
ウィッグのセットのために早起きをして、美容室にいった。卒業式も謝恩会も、ウィッグをつけて参加した。

ウィッグを購入したことで、円形脱毛症を気にせず、可愛く、楽しく過ごせる時間を手に入れた。

大学の卒業式以降、結婚式などに呼ばれたときはウィッグを使用するようになった。
だって、せっかくオシャレな格好をするんだから、髪型もオシャレにしたいもん。女の子ですから(笑)

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