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【ビジネス】都知事選から学ぶ、ひとの踊らせかた

2024年7月7日に行われた東京都知事選挙の結果が発表されました。現職の小池百合子氏が291万8015票(得票率42.77%)を獲得し、3選を果たしました。
小池氏は自民党、公明党、国民民主党都連、そして地域政党の都民ファーストの会からの自主的な支援を受けていました。

2位には無所属新人の石丸伸二氏が165万8363票(得票率24.30%)を獲得し、
3位には同じく無所属新人の蓮舫氏が128万3262票(得票率18.81%)を得ました。
4位以下には田母神俊雄氏(26万7699票)、安野貴博氏(15万4638票)が続きました。

今回の都知事選は過去最多となる56人が立候補する激戦となりましたが、小池氏は他の候補者を大きく引き離して勝利を収めました。ただし、小池氏の得票数は前回2020年の都知事選(366万1371票)と比べて約74万票減少しています。

私としては、小池VS蓮舫の戦いになると思っていましたが、蓋を開けたら、小池VS石丸の構図になっていました。なぜでしょう?
これには、一言に「ひとを踊らせることがうまい!石丸氏」と言っていいでしょう
どういうことでしょうか?

ちなみに、この記事は政治的、思想的意図は全くありません。ご理解のほどお読みください。

辻立ち(街頭演説)に行こう!

私は、辻立ち(街頭演説)を遠まき(離れて)聞くことが好きです。話し方などをパクる為です。本当にいい勉強になります。うちの会員さんにも勧めています。私は、コミュ障なのに話し方がうまいといわれますが、辻立ちと実演販売を聞いていたからと思います。

石丸氏は、辻立ち(街頭演説)時に、動画撮影OK!写真撮影OK!SNSOK!
と、聴衆に訴えました。大半のひとが、有名人が演説している姿を、動画や写真に押さえ、拡散しました。これを観た、市民が「共感」し、蓮舫氏を押しのけ、次席(二位)までなれたと考えます。

石丸氏が斬新だった点は、本来なら、石丸氏陣営が、動画を作り、SNSにあげるのですが、聴衆に勝手に取らせて勝手にSNSにあげ、勝手に拡散させる方法です。私は、こんなCMを思い出したのです。

君は「ラーマ奥様インタビュー」を君は知っているか?

昭和のCMで「ラーマ奥様インタビュー」ってマーガリンのCMがありました。道行く、奥様に、ラーマ(マーガリン)を塗った、パンを食べさせて感想を言うシーンがCMになっているものでした。

髭剃りのブラウンも、出勤時間の道行くサラリーマンに「ひげ」をブラウンのシェイバーで剃らせ、「そり残しがある」ということで、今、使っているシェイバーとの違いを、消費者に判断させるという、宣伝手法です

まさに、石丸陣営は令和盤!「ラーマ奥様インタビュー」の進化版なのです。

これからは、自分のもち技だけでは勝てない

各陣営の「持ち技」を勝手に分析してみました。

小池氏は 「問いかけ型」
小池氏は、ゆっくりした会話スピードで、まるで、子どもと会話するように話します。必ず「皆さんどうですか?」と聴衆に問いかけます。が母親から聞かれているみたいな感じがします。この手法は、夜中のテレビの、通信販売セミナーとかでも使います。聴衆から「依存」「共感」を引き出します。

蓮舫氏は 「批判型」
蓮舫氏は、政敵を作り、批判しまくります。敵を作るというのは、常套手段ですが、「敵を作る方法」は左派系に多く、批判が多いと、仲間意識を生みやすく、「同志」感を出すことができます。よく考え、冷静になると、「おい!政策は?」と夢から覚めさせます。

石丸氏は、「理論型」
石丸氏は、理論わかりやすく、難しい事を言わず、聞きやすい説明します。政策を、「筋が通っててわかりやすくし」、若いひとでも引き込まれるような話をします。

この候補者、3人は、「必ずしてはいけない」ことをしていません。でしょうか?

キタの将軍様は、自ら「すげぇだろ!俺!」と言わない

昭和時代、高校生の時に、短波放送にハマり「朝鮮中央放送」を受信して聞いていたことがあります。バブルの頃で、キタも栄えていたせいか電波のパワーが強すぎて、ガッツナイターがハッキングされるぐらい、時々AM放送でも聞けた時代でした。今では、短波放送は廃れ、電力不足からパワーは落ち、放送途中でダウンしてしまいます。(放送事故)
必ず、「将軍様をたたえるコーナー」があり、将軍様のすばらしさを伝えていました。このコーナーを何回も聞くと法則性が見えてきます

将軍様をたたえる法則

  • 人民が将軍様とふれあった時のエピソードが多い

  • 側近から流れる、都市伝説に近い、「将軍様エピソード」

  • 子ども、女性人民とのエピソード

  • 必ず、人民がほめたたえ終わる

ラーマ奥様インタビューの法則

  • 企業側と消費者とのふれあい

  • 消費者から「ラーマはうまい」というメッセージ

  • 奥様、子どもというターゲット

  • 必ず、「おいしい」で締めくくる

ほぼ、似ていいます。

自ら、「俺、すげーだろ」とは言わない

将軍様は、「俺、凄いだろ」とはいいません。必ず側近や人民に言わせる、言うように仕向けるのです。
ラーマ奥様インタビューも、企業側からうまいと宣伝せず「顧客である奥様に感想を言わせる」のです。第三者に褒めてもらうことが大事なのです

よく、地方の成り上がり社長、成り上がり町長とかは「自分自慢」し権力を見せびらかすのですが、絶対やってはいけません、必ず敵を作り失脚します

必ず側近に「このひとはすごい」と言わせることが大事なのです

逆に過剰なぐらいで「うそくせぇ」ぐらいの方が人は信じます。

テリー伊藤氏は、著書「お笑い北朝鮮」の中で「ラーマ奥様インタビュ」と同じだと訴えています。

スマホは、今のラジオ

ナチスドイツは、思想の拡散にラジオを使いました。安価な「国民ラジオ」(フォルクスエンプフェンガー)を補助金を出し、低価格で販売し、国民に普及させました。しかも、ラジオの番組は、お笑いや音楽などのエンタメ性が強く、普及を促進させました。エンタメの後に、演説やナチに関するプロパガンダ放送を流すのです。その為、ドイツ国民は、ナチスに傾倒していくのです。


国民ラジオの広告、今でいう楽天モバイルか?

戦後、ラジオがテレビになり
今では、スマートフォンです。スマホがあれば、面白い動画や映画や笑える動画などいつでもどこでも見れますし、自ら、情報の発信ができます。

石丸氏は、SNSで拡散することで、聴衆を使い、演説の「プロパガンダ放送」を流すよう誘導させたのです。聴衆も、石丸氏の、理論的で、腹落ちする演説に共感し、心が揺さぶられている時に、「SNS拡散」させるという新たな宣伝手法を選挙で実践投入したわけです。

ラーマ奥様インタビュー方式で、政策を、だれでもわかりやすく話、共感させ、感情が熱いうちに、スマホを使いSNSを拡散させ、伝播させるという、昔ながらのあわせ技でを使いました。

誰でも踊らされてる…

企業や政治家は、「ひとを踊らせる」ことに長けています。私もですが必ず皆さん「踊らされます」踊るとすべての事を忘れることができます。
なんでもですが、冷静になり考えることが大事です。

「市民は、かならず踊らされ、利用される…」

ということを、心に刻んでおいてください。

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