消滅可能性自治体と呼ばれて
娘と夫に挟まれて、自分の咳で目を覚ます午前5時。
昨日知人と交わしたDMを思い出しながら、
私がこの町に対して感じる抒情性のようなものは何だろうと思い、スマホで「抒情性」の意味を調べる。
スマホの向こうにある娘の可愛い寝顔をチラチラ覗きつつ、
背後から「ブーン」と唸るように響く夫の鼾を聴いている。
鼾が突然途切れたかと思うと、夫の口がピャッピャと動き
「タッ」とか何とか裏声で変な寝言を洩らした。
もうほんとやめて。笑いを押し殺すのがしんどい。
そう思いながら鼻でため息をつくと