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鏡の中の醜い自分

書いたばかりのnoteを翌日には非公開にした
いつもそんなことばかりしている
私が何かを書き記すことは
結局この世に生き恥を晒すことにしかならないからだ

書いた文章を自分で何度も見返して
この気持ち悪さは何だろうと考えた
すると元彼に近況を尋ねられて内心得意気になり
別に無視すればいいのに嬉々として返信している
そんな自分のさもしさに気づいてゾッとした

鏡の自分ばかり見つめて
背後に立つ夫の視線に気付かぬ私の愚かさよ
文章を書くといつもそういう自分の醜さと
向き合わざるを得なくなるからどうしても苦しい

一年前のことを思い出す
この町に移り住んで半年
そろそろ義家族以外の知り合いが欲しかった
そんな折
町がとある騒動でざわつき始めた
早い話が悪徳コンサル業者に乗っ取られかけており
それを他県の新聞記者にすっぱ抜かれたのだ
その時たまたまTwitterで地元情報を漁っていた、
私の目にもどこからかそれに関する情報が流れてきた

移住してまだ間もない段階で町の不祥事に直面し
私は動揺してしまった
なぜなら子育てにも大きく関わる問題だったからだ
※悪徳コンサルが学校作りにも関わろうとしていた
連日のように報道される記事を読み漁り
関連ワードを日に何度も検索にかけては
必死でわずかな手がかりを掴もうとした
なぜなら私には知り合いがいなかったのだ
ネットからの情報を頼るより他に術がなかった

そうこうしているうちに
Twitterでちらほら人と情報交換するようになった
お互いに素性は知らない(と私は思っている)中
「地元でそこそこ発言力のあるオジサン」とも繋がるようになった
ある日その人に対して私がリプで質問したところ
「(表立っては言えないので)DMにした方が良いかと」と言われ
時折その人とDMでやりとりするようになった
相手は実名でSNSをしていたので警戒心はなかった

DMはいつしかLINEになった
情報交換のためのグループチャットを作るので
参加してほしいと言われたのだ
私は地元のコミュニティに入れてもらえるのが嬉しくて
何も考えずにそのオジサンと連絡先を交換してしまった

ところがそれが夫に知れると
私はこっぴどく夫に叱られた
今思えば無理もないだろう
自分の地元で嫁が知らないオジサンと個人的に連絡を取り合っていたら気持ち悪く思うのは当然だ(この時点でまだグループチャットへの招待はなかった)

私は軽率だった自分の行動を恥じた
そしてまたひとつ自分を嫌いになった

そう、こういうところが私の弱さであり、
醜さであり、気持ちの悪さの正体なのだ
結局私は孤独に耐えられない人間なのだ
人に自ら背を向けるようなフリをしながら
実は反対に人の背中を追い回し続けている
そういう惨めで卑しい人間なのだ

オジサンのことはすぐにブロックしてそれきりだ
元彼にも今後返信することはないだろう
私は鏡の中の本当の自分を
夫と共に直視しなければならない
それは何より苦痛を伴う作業になるだろう

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