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行ってきました「情報社会世界サミット大賞」授賞式inチリ!(Part 1 チリ紹介編)

筆者吉田美樹が以前noteに記した、昨年10月に京都で開かれたInternational Governance Forumで一際目を引いたセッションタイトルが「hack_the_gap」だった。カッコいいし、世界が目指すべきことをシンプルに表しているし、ICTを使って社会課題解決を模索するという、自分の関心と仕事の領域がピッタリ当てはまるタイトルだったからだろう。

そのセッションを開いていたのがWorld Summit Award (WSA)、我々が提供する世界の一次情報を一元化したクラウドサービスRuleWatcherが今回受賞した賞を授与しているアワードである。

出会いから約半年後、何段階もの審査を経て見事今年の受賞者40の内の1つに選ばれ、その授賞式とグローバル会合に出席するため、オシンテックからCEOと番頭、そして私筆者がチリのパタゴニアまで行ってきた。チリについてやグローバル会合の様子、他どんな受賞者がいたか、行って感じたことなどを、4つのnoteに渡って綴っていきたい。


チリの概要

チリの場所 出典:https://ja.maps-chile.com/%E3%83%81%E3%83%AA%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%9C%B0%E5%9B%B3

まずは折角地球の裏側まで行く機会を頂いたので、チリについて記したい。チリは1970年に世界で初めて選挙により社会主義政権(アジェンデ政権)が誕生。1973年に軍事クーデター勃発。1974年に誕生したピノチェット軍事政権では「シカゴ・ボーイズ」と呼ばれるミルトン・フリードマンの弟子たちが率いた新自由主義的政策により一時的には良好な経済成長を実現したが、格差が広がり、社会は貧困化していった。また市民の逮捕や拷問、殺害等人権侵害が横行した。当時の様子は映画「夢のアンデス」で垣間見ることができる。軍事政権は1990年まで続き、現在の大統領は2022年3月にわずか36歳で当選した左派連合・チリ連合のガブリエル・ボリッチであり、選挙戦でのキャッチコピーは「チリを新自由主義の墓場に」とのこと!

大統領官邸の前には、今まで見たこともない大きさの国旗が掲げられていた。

RuleWatcherで見るチリ

我々オシンテックが提供するRuleWatcherから見える現在のチリはどんなだろう。
世界一の埋蔵量、生産、輸出量を誇る銅を始め、様々な鉱石を埋蔵生産しているが、鉱業に関してはこのような昨年の記事が目に止まった。(タイトルをクリックするとRuleWatcherがフォーマットを統一させた記事の概要が見られます。原本の記事を読むには、その概要のさらにタイトル行をクリック。)

ウィリアムズ大臣、対話に基づいて公共鉱業政策を生み出すことの価値を振り返る

エネルギー転換が早急に求められるこの時代、リチウム・銅・コバルト・レアアースの採掘生産が加速するが、鉱山とその生産チェーンでの社会的摩擦を軽減するためには地域での対話が重要だと大臣が発言した、という内容である。飛行機からも採掘場を見ることができた。

WSAのカメラマンにこの写真を見てもらったところ、採掘場だと判明した。
なんと彼は鉱山でも働いているそうで、チリ人にとって身近なものなのだと実感。

チリでは至る所で太陽光パネルの広告を見たが、次の記事の中では、太陽光と風力エネルギーによる年間発電量の合計が石炭の寄与を2022 年 9 月には上回り、2024年 1 月には非在来型再生可能エネルギーによる発電量が42.6% に達したと記されている。

共和国のガブリエル・ボリッチ・フォント大統領、グラン・テノ太陽光発電所を竣工

ここで取り上げられている落成式が行われた新たな発電所は、スペインの会社によって開発され、今後13 万 6,000 戸以上の住宅への電気供給に役立つという。

飛行機から見えた太陽光発電所

チリは国土が南北に長く、様々な気候帯があるため、太陽光・風力・地熱など多様な再生可能エネルギー源を活用できる地理的条件がある。また政策的にも環境保全を重視しているとのことで、なんと2022 年 2 月より国内のすべてのスーパーマーケットはリターナブルボトルで飲料を販売し、その容器を人々から受け取ることが義務付けられているとのこと。そして昨年8月からはコンビニにも義務付けが。

8月13日から倉庫やコンビニエンスストアでは飲料のリターナブル容器での販売が義務付けられる

写真は上記記事より。
Maisa Rojas環境大臣。気候変動科学者であり、IPCCの報告書の著者の1人でもあるという。

わたしが見たチリ

さてそんなチリを実際に見た印象は。
派手な色とけたたましい音と明暗を瞬時に感じさせるニューヨークから飛行機に乗り降り立った首都サンティアゴ。地方便に乗り換えるまで少しだけ時間があるので出てみた街は、ニューヨークから来るとより一層落ち着いて見える。2019年、120万人以上が街頭に集まって社会的不平等に抗議し、多くの死者が出た場所とは旅行者の私には分からない。

バスの窓から見える朝の街では、仕事や学校へ行く人がいそいそと歩いたり、朝ご飯を売る小さな出店で立ち止まったりしている。南欧風な教会が南米の悲惨な歴史を私に思い出させ、道ゆく人の顔がここで脈々と受け継がれている命を証明する。立ち寄った市場には新鮮な魚や魚介類が並び、日本にも「チリ産」と記された食品を魚売り場や野菜売り場で多く見かけることを思い出す。

サンティアゴの街。
アンデス山脈に囲まれているため、スモックに覆われていることが多いという。

サンティアゴから地方便そして車に乗りPuerto Varasという目的地にようやく到着する。いわゆるパタゴニア地方と呼ばれるところである。裕福な人が国内外から集まる、丘に囲まれた湖のほとりのリゾート地といった感じで、湖の向こうには皆が「富士山みたいだ」と言う美しい形をした火山が見えた。

宿泊はPuerto Varas、会議は主にFrutillarの劇場やホテル、と場所が変わるのだが、どこでも環境保全への取り組みをアピールしながら美しい地方の紹介があった。チリの所得格差はOECD加盟国で2番目に高い(OECD (2024), Income inequality (indicator). doi: 10.1787/459aa7f1-en (Accessed on 22 May 2024))という事実が垣間見れるようで、サンティアゴで目にしたいそいそと歩く人々が送っているであろう生活に思いを馳せる。

Puerto Varas。湖の向こうにはまるで富士山のような形のオルソノ山。

そんな地で行われた「情報社会世界サミット大賞」のグローバル会合や授賞式の様子は、、次のnoteで!


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