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日本の新卒就活の闇 ~仮面をかぶって社会人への入り口に立つ就活生たち~

こんばんは。
キャリアカウンセラーの小坂(おさか)です。

9月になり、再来年に卒業を迎える
25卒の大学生の就活相談が
ぼちぼち入るようになってきました。


サマーインターンに参加して、
仕事や会社のイメージがつかめた子もいれば、
何をすればいいか分からず、
まだ何も動いていない子もいるようです。

今までの学生という立場から、
社会人という立場に変わる転換期。

今までのように、
学校から与えられた勉強課題をして、
テストの成績で評価される
というわけではないんですよね。

会社の採用担当者に対して、
自分はどんなに素晴らしい人間であるか、
どれほど会社に貢献できるかについて、
プレゼンをしなければならない。。

そんな学生さん達には、
どこまで準備をしてもぬぐい去りきれない
就活への不安があるようです。


さてそんな中、先日
先日とある方の紹介で就活に関する
ある小説を読みました。

その本は、こちらです。

「六人の嘘つきな大学生 / 浅倉秋成 著」

こちらは、
日本のとあるIT系大手企業の最終選考に残った
六人の就活生たちを取り巻く物語です。

最終選考はグループディスカッションで、
内定者を1名選出するという特殊な形式でした。

ところが、最終選考中にとある事件が起き、
彼らの運命は大きくねじ曲がっていく。。。

ジャンルとしてはミステリになるようですが、
読んでみて納得という感じでした。

様々な伏線が張りめぐられており、
読み進めるたびに新しい事実がわかるのが楽しく、
一気に読んでしまいました。
(これ以上はお楽しみということで言いません。)

普段はあまり小説は読まないのですが、
内容が就活に関わるものでもあり、
友人が読んで面白かったとのことで
私も読んでみることにしました。

特にこの小説の中で、
私が特に印象に残ったのは、
多くの就活生が、嘘で自分を着飾ることで
就活の荒波を乗り越えて来ていたことでした。


たとえばどんな嘘かというと、
架空のガクチカ(学生時代力を入れたこと)を書いたり
本当は仕事を通じた成長とか興味がないのに、
バリバリ成長したいことをアピールしたりする。

もちろんフィクションなので、
一部誇張表現はありますが、
就活というフィールドにいる採用担当者と就活生の
苦悩は私にはリアルに伝わって来ました。

そりゃあ、会社の人間からしたら
成長する意欲のある人とない人を比べたら、
意欲のある人を採用するに決まっていますからね。

そうなると
自分には何もアピールできるものがない、
このままではダメだと焦る学生さんは
事実をねじ曲げて架空のストーリーを作ったり、
自分を洗脳して嘘をつくことを
正当化してしまうのもうなずけますね。

というより、
実際に私も、嘘のガクチカや自己アピールを
持って相談にやって来た学生さんを
何人も対応したことがあります。


ガクチカの相談において、

「本当はバイトリーダーではなかったんですけど、
どう言ったら乗り切れますかね?」

と相談されて、

「いや、対策するポイント間違ってない?」

とツッコんでしまったこともあります。笑

ただ、やるせない事実として、
そんな嘘のガクチカで何社も内定を獲得した
名役者な学生さんもいるのが現実です。。

私個人的には、
偽りの自分をアピールしてまで
希望の就職先からの内定をとりにいくことには
抵抗がありますし、お勧めしません。


「結果を出すためなら、
嘘でも何でもやったもんが勝ち」

このような、
自分を偽って結果を出したという
成功体験をしてほしくないのです。

特にそれが、
社会人になる入り口である就職活動であれば
なおさらです。

これから働く中で、
就活のような困難に直面した時、
嘘でも何でもやって乗り切ればいいという
価値観が身についてしまうと、
その後の社会人人生にも悪い影響しかない
という思いもあります。

また、嘘をついて自分を偽ることによる
一番こわいことは、就職後のミスマッチです。

第一志望の会社に就職できても、
自分のイメージしている働き方とは異なっていた。

というより、
自分は思ったほど意識が高くなく、
こんなにバリバリ働きたくなかったことに気づいた。

そうなると、
第二新卒で就活をやり直そうとするも、
自分が本当は何をやりたいかがわからず、
立ち止まってしまう。

そうしているうちに、
周りの同期には置いていかれ、
自分だけがポツンと社会から取り残されてしまう。

この状況が、一番心をすり減らし、
また自分の将来の可能性を閉ざしてしまいます。


背伸びしたり自分を大きく見せようとしなくても
そのままの自分が長く安定して働けるかどうか。

ここをしっかりおさえて欲しいと思っています。

また、気をつけなくてはならないことは、
もう一つ残っています。

就活生だけでなく、
採用担当者も嘘をついている
可能性があるということです。


ここでの嘘とは、
自社をとりわけよく見せようとしたり、
明るく働きやすい環境のように見せることです。

純粋な就活生さんの中には、
そんなキラキラした企業の姿に
一目惚れしてしまう方もいます。

そのため、
何とか憧れの第一志望の会社に入社することに
固執している就活生もいます。

ただ、その後入社したものの、
入ってみたら理想と現実のギャップにつまづき
早期退職してしまったケースもあります。

就活生と採用担当者、
どちらもが嘘をつかなければ不安でままならない
日本の就活のシステムは、
かなりねじれていると私は感じています。

今日は、
日本の就活が抱える問題点についてお話しました。

就活生も、採用担当者も
お互いにお互いをよく見せようとして
仮面をかぶって就活という一大イベントに
臨んでいます。

この日本の就活のシステムをすぐに大きく
変えることは難しいと思います。

ですが、このシステムの中で
自分を偽って心を痛めてしまわないように。

まずは、自分自身はどんな人間で、
どう働いて生きていきたいのか、
丁寧に自己分析していきましょう。

1人ではなかなか自己分析が進まないという方も
就活を一緒に乗り切っていけるように、
私が全力でサポートしますので、
お気軽にご連絡くださいね。


今日はここまでです!
ありがとうございました。

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