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儲かる!?ダイバーシティ推進セミナーを受講して、感じたモヤモヤについて

こんばんは
キャリアカウンセラーの小坂です。

少し前の話ですが、
「儲かる!?ダイバーシティ推進セミナー」
というセミナーに参加してきました。

私自身、キャリアカウンセラーとして、
多様な働き方・あり方が認められる社会に
なってほしいという思いもあり、
ダイバーシティには関心があります。

そこで、このセミナーを見つけてきたのですが、
タイトルを見た時点で、
これは私が絶対モヤモヤするタイプのセミナーだな
と直感で感じました・・

個人的に、
多様性をビジネスチャンスと捉える考え方は
好きではないですし、多様性の本質ではないと
感じています。

ですが逆に、
どんな話をされるのか、受け止めてみたいと思い、
あえて受講してみることにしました。

そして講座を受け終えたのですが、
やはり私の心の中には、
モヤモヤした部分が残ってしまいました。


そこで今日は、
私が感じたモヤモヤや違和感について
この場に書き留めておきたいと思います。

講座の概要について


講座では、はじめにスピーカーが、
前半部分でダイバーシティとは何かという
概要を説明した後、
後半では、多様性に着目した商品開発をして
利益を上げた会社を事例とともに
紹介していました。

後半の各事例については、
会社の方から直接に、商品開発にかける思いや
ユニバーサルなデザイン・アイデアの話が聞けて
非常に有意義でしたね。

ただ、私がモヤモヤしたのは、
前半のスピーカーがダイバーシティについて
語っている部分でした。

ひとつひとつの話をとってみても、
なんというか内容が薄いのです。。

本当にダイバーシティや、ひいては経営のことすら
理解できているのか?


と疑問に思うばかりでした。

スピーカーの人間性が信頼できなくなった時点で、
このセミナーから得られるものは何もないかな、
と残念な気持ちになりました。

ダイバーシティの解像度が低い


講座では、
このような表現が繰り返し使われていました。

「ダイバーシティとは、
様々な価値観を持つ様々な人が存在することを認め、理解すること。」


これは、
間違ったことは言っていないとは思います。

ですが、私としては、
多様性に対する解像度が低すぎて、
本当に多様な人々を想像できているのか?
と感じてしまいました。

当事者が日々どんな思いで生活しているのか、
どんな生きづらさやハンディキャップがあるのか
全く想像できていないのではないか?

私はそう思ってしまいました。

こんな人もいる、
という理解で思考を止めてしまっては、
人にラベルを貼って属性ごとに分類しただけです。

これでは逆に、
分類によって人を決めつけ、先入観が入るため、
本当の意味で多様性を認め、理解することからは
遠ざかるのではないでしょうか?


中途半端で正しくない理解のまま
「わかったふうな」ことを堂々と言うことは、
時として危険だと感じます。

また、このような表現もありました。

「ダイバーシティとは、儲かる戦略である。
LGBTQの人もいれば、障害者の人もいる。
どんな困りごとがあるのか、
考えることからビジネスにつながる。」


企業にとって、
ダイバーシティを推進するためのモチベーションを
高めるためにこの表現を使ったのかもしれません。

ですが、
儲けるためにダイバーシティに取り組むのだ、
という意識では、本当の意味で多様性を認めあう
ということにはつながらないと私は感じます。

そもそも、
ダイバーシティはビジネスのために
生まれたものではなく、
本来あるべき基本的人権を尊重しよう
という話ではないでしょうか?

ダイバーシティの話としても、
ビジネスの話としても中途半端だな、
と感じてしまいました。

私の期待していた話ではなく、
また説得性に欠ける物言いだったため、
非常に残念な思いになりました。

マジョリティ側の立場に立った物言い


また、今回のセミナーにおいて
もっとも違和感があった点は、スピーカーが、
あたかも自分はマジョリティ側の立場にたって、
ダイバーシティを議論しているように

私には聞こえたことです。

極端な言い方をすると、
例えば動物園において、
珍しい動物を檻の外から見ているような物言い
だと私には感じました。

動物と人間は、檻で仕切られており、
人間は檻の外から動物を見ています。

動物園に来た人は、
まさか自分が檻の中の動物と同じとは思いません。

人は動物を見ることで、
多少の知識はつくかもしれませんが、
本当の意味でその動物のことを
理解したことにはならないのではないでしょうか?

少し話が逸れてしまいましたが、、

例えば、私は
LGBTQなどの性的マイノリティではなく、
シスジェンダーのヘテロセクシャルに属しています。
(体と性の認識が一致しており、異性が恋愛対象)

その立場にある人は、
ついついマジョリティ側から
LGBTQの問題を切り取ったり
とらえてしまいそうになってしまいます。

ですが、本当の意味で
ダイバーシティを受けとめるのであれば、
自分が仮にマイノリティの立場に立った時に、
どんな気持ちになるのか、
どんな社会の見え方をしているのか、

想像力を働かせなければならないと思います。

今回のスピーカーは、
ダイバーシティを表面的にしか捉えておらず、
想像力が欠如しているように感じました。

スピーカーは、
例えば性的マイノリティの方にお会いしたり、
その実情を聞いたことがあるのだろうか?

生きづらさを抱える人と同じ目線になったとき、
ダイバーシティは儲かる戦略だ、という言葉が
その人たちにどう響くでしょうか?


私が今回のスピーカーから感じた違和感は、
このように、表面的なダイバーシティの捉え方を
ビジネスに結びつけてしまったことにあります。

ダイバーシティを自分ごとにするために


ダイバーシティを考える上では、
まずは多様性を自分ごとにすることが大切です。

自分ごとにならなければ、
絶対に多様性を理解することはできないでしょう。

多様性を自分ごとにするために、
私たちには2つのことができると私は考えています。

①マイノリティに属している人と触れ合うこと
②自分がマイノリティになる経験をする。


①については、
マイノリティとされる人々と直接会って、
友達になるということです。

そうすることで、
その人の置かれている実情をよりリアルに
感じることができるでしょう。

そして話をしてみると、きっと
マイノリティとされる方はどこかにいる特別な人、
ではなく身近な存在なんだ

と思えるのではないでしょうか?

多様な人が自分の周りにいるということに
気づくことが多様性を考える第一歩です。

②については、
自らマイノリティになるという経験をすることで、
より自分ごとに感じることができる
ということです。

例えば、
日本語を母国語とする人であれば、
一度日本語が全く通じない国へ1人で旅に行くことを
おすすめします。

そこではあなたはマイノリティになります。

その土地で感じた不安な気持ちや不便さ、
人々から受け取る態度やまなざしなどから、
普段は意識していない、自分自身の中にある
マイノリティ性に気づくことができると思います。


もちろんこの経験だけで、
当事者のことを理解できるように
なるわけではありませんが、
少なくとも多様性を認めあう意識の土台は
できあがると思います。

この土台がなければ、
ダイバーシティを表面的にしか捉えられません。

ベースとなる部分こそが、
非常に大切なことだと私は感じています。

まとめ

今日は、
私がダイバーシティ推進セミナーから感じた
違和感についてお話させていただきました。

私自身、
まだまだ本当の意味で多様性を認めるという
ことを実践できているかはわかりません。

多様な人たちと一緒に生きていくなかで、
私はどうあるべきなのか、どうありたいのか。

もっと実情をよく知り、想像力を働かせて
これからも考え続けていきたいと思います。

コメントなどで、
皆さんの意見も聞かせていただけると嬉しいです。

今日はここまでです!
読んでいただき、ありがとうございました。

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