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新卒失敗談①: 学生時代に成績優秀だった新卒社会人が、仕事で失敗した話

この記事の内容は私の友人の実体験をもとに書いたものです。
これから新入社員として社会に出るみなさんに少しでも参考になればと思っています。


学生時代、常に成績上位を争っていた私は社会人になる日を心待ちにしていた。
特に情報技術の分野での成果が評価されて、大手IT企業からの内定を手に入れた時の喜びは、今でも鮮明に覚えている。
大学での成功は私の原動力となり、4月からの新たなスタートに向けて意気込んでいた。
SEとしてのキャリアを歩むにあたり、自分が学んできたことを活かすことで社会に貢献できると確信し、それが私の最大のモチベーションだった。
しかし、学生時代には想像もしていなかった現実の壁に直面することになった。

入社後、最初のプロジェクトは小規模ながらも重要な顧客向けのシステム開発だった。
チームメンバーは経験豊富な先輩たちで、私はその中で唯一の新卒社会人として加わった。
学生時代に情報技術の分野で評価されていたことから、他の同期よりも早めに実務に携わることができた。
正直初めての業務は緊張したが、着実にスキルを身につけていく日々を送っていた。

業務に慣れ始め、プロジェクトの中期に差し掛かったある日、私はデータベースの更新作業を任された。
大したミスなく進められていた為、自信を持って作業を行い、完了後には満足のいく成果を出したと確信していた。
しかし、翌日になってシステムに重大な不具合が発生していることが判明した。
私が更新したデータベースに誤りがあり、顧客の重要なデータが一部失われたのだ。

そのミスが引き起こされたのは、私の過信による確認不足が主な原因だった。
データベースの更新作業が任された時も、より重要な業務に取り組める機会と思い、積極的に取り組んだ。
しかし、その自信が気づけば過信に変わっていた。
重要なチェックポイントを見落とす結果につながったのだ。

更新作業にあたり、私はプロセスを確実に理解していると自覚していた。
しかし、実際には、データベースの特定の機能に対する理解が浅く、綿密な確認作業をおろそかにしてしまっていた。
特に、更新前にデータのバックアップを取るという基本的な手順を怠ったことが、後に大きな問題を引き起こすことになる。
このような基本的なミスは、経験豊富なプロフェッショナルならば絶対に避けるべきものだった。

ミスが発覚した瞬間、私の心情は一変した。
更新作業を終えた時の達成感や自信は、一瞬にして不安と後悔に置き換わった。
自分の行動が重大なシステム障害を引き起こし、プロジェクトに遅延をもたらし、さらには顧客の貴重なデータを失う原因となったことを知った時、その責任の重さに圧倒された。初めての大きなミスであり、自分の未熟さを痛感した瞬間でもあった。

直ちに対策チームが結成されたその日、私たちは失われたデータの復旧に向けて迅速に行動を開始した。
データベースのバックアップが最後にいつ取られたかを確認し、そのバックアップからデータを復旧できる部分を特定した。
幸いなことに、失われたデータの一部は最近のバックアップに含まれており、即座に復旧作業を開始することができた。

しかし、バックアップから復旧できないデータもあった。
これには、バックアップの間に入力されたデータや、バックアップが行われなかった期間のデータが含まれていた。
そのため、私たちはシステムのログファイルを精査し、失われたデータを再構築する手がかりを探した。
このプロセスは非常に時間がかかり、細心の注意を払って行わなければならなかった。

そして、復旧したデータの正確性と完全性を確認するための検証作業を行った。
これは、データが正しく復旧され、今後の業務に支障をきたさないようにするために不可欠なステップであった。
この過程で、顧客から提供された情報や、関連する書類、以前のレポートなども参照した。

データの復旧と検証作業が完了した後、我々はシステムの完全性を保証するために、全体のシステムテストを実施した。
これには、復旧したデータがシステム内で適切に機能するかどうかを確認するためのテストが含まれていた。
また、将来同様の問題を防ぐために、データベースのバックアップ手順やデータ管理のプロセスも見直した。

なんとか復旧を行うことができたが、私のこのミスにより、プロジェクトは大きな遅延を余儀なくされ、私はチームメンバーに多大な迷惑をかけてしまった。
先輩たちは冷静に対応し、失われたデータの復旧とシステムの修正に迅速に取り組んだ。
一方で、私は自分の過信による不注意が原因で起きたこの失敗に深く落ち込んだ。
心のどこかで自分は仕事も完璧にこなせると思い込んでいただけに、人生で一番の挫折を経験した。

この失敗から、チームで行うプロジェクトは一人で問題を解決しようとせず、チームとして協力し合うことの重要性を思い知らされた。
また、その日から自分の行動がチーム全体に影響を与えることを常に意識するようになった。

そして一人の社会人として成長するため、改めて第一歩を踏み出した。


最後まで読んでいただきありがとうございます✨
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