リクルートと、ミニスカート。
合コン事件(人生初の合コンで女子に挙動不審を笑われた件)で私は相当落ち込みました。それをきっかけに「社会人早々なんとしてでも人見知りを直さなければ」と考えるようになります。
しかし、その解決策として「営業の厳しい会社で自分を鍛えよう」などと考えるのはもっと後になってからのこと。
リクルートと最初に出会ったのも就職候補先としてではありませんでした。
しかしそれは偶然か必然か、衝撃的なものでした。
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●リクルートとの出会い**
当時リクルートのカーセンサー事業部に勤めていた剣道部の先輩から1日バイトの依頼が剣道部へ寄せられました。
選出された経緯は忘れましたが、とにかく私はバイト要因として駆り出され、リクルートの当時の本社ビルである通称G8(ジーエイト)へ。
エレベーターを昇ってカーセンサー事業部へ赴くと、そこには驚きの光景が広がっていました。
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●踊るボディコンミニスカート**
興奮気味の声で営業所や個人の名前がひっきりなしにアナウンスされ、館内に響き渡ります。それに合わせてあちらこちらで拍手や歓声が湧き起こる……。
当時はそれだけでも驚きでしたが、そこには更にもっと驚く光景がありました。
膝上20cmか30cmかというくらいのミニスカートのボディコンを着たキレイなお姉さんが、アナウンスに合わせながらひとり椅子の上に立って、腰をくねくね踊っていたんです!
まるでディスコのお立ち台で振る扇子のように、A4用紙を表へ裏へとひらひら振りながら、ノリノリでした。
見えそうで見えないミニスカートに、
ちょっとイっちゃってる恍惚の表情。
およそ真っ昼間の、ましてや一般的なオフィス内の光景ではありませんでした。
開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。
しかし驚きは続きます。
その姿をずーっと見ていた私の隣の女子社員に、「○○ちゃんやめなよー!!」などと言う気配がないことはわかっていたのですが、
次の行動に移ることまでは予想できませんでした。
誰に言うともなく、ひとりボソッとこう呟いたんです。
「………あたしもやろ!」
そしておもむろに自分の椅子をキレイなお姉さんに横づけして、脱いだ靴をちゃんと揃えて椅子に上がり、同じように踊り始めたのでした。
…………上司は?
私は気になり振り返りましたが全く意に介する様子もない。彼は彼でアナウンスに合わせ、自分の席で淡々とタンバリンを叩いていました。
つまり、これが日常なんだと理解しました。
「先輩、この会社って仕事しなくていいんですか?」私は先輩に尋ねました。
「ふふ、これも仕事だよ^ - ^」先輩は優しく教えてくれました。
これが私とリクルートとの出会いでした。当時の私にはあまりにも衝撃的でした。
しかし私はその光景に、会社と自分の将来の可能性を見出していたんだと思います。
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