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分譲エコハウスの設計プロセス#2

前回、前々回の投稿の続きです。
先に前回のnoteをご覧ください。

必要なものを必要なだけ

大きな建物であればあるほど、より大きなエネルギーを必要とする。
これは想像しやすいでしょう。

という事で、コストパフォーマンスに優れたエコハウスを作るには
「必要なものを必要なだけ」
にまとめ上げる設計力が必要です。

例えば
廊下のスペースは最低限に(床面積を小さく)
建物の凹凸は少なく(表面積を小さく)
といった具合です。

断熱性能は大切な指標です。
しかし上記を踏まえた設計がなされていないと例え断熱性能が高くても住みやすい家にはならないのです。

今回は計画地周辺エリアの住宅需要から
「夫婦+子供二人の暮らし」
を想定したプランになります。
それと「#1」での考え方を合わせたプランが次のような形にまとまりました。

1階平面図
2階平面図

計画のポイント

1階は南側に家族の集まる空間を配置。
2か所の掃き出し窓を設けて明るい空間になるようにしていますが、冬場に日射が取り入れにくい環境なのでリビング上部に吹抜けを取って明るさと日射を確保できるようにしています。

1階の窓には直射日光が入らないが
吹抜けの窓には直射日光が入る

東側には日照を遮る建物が無いため、2階東側は朝日の入る洋室(子供部屋を想定)を設けました。
全体的に窓の数は決して多くはありません。
必要な窓を利用性とエネルギー性と建築基準法のバランスを考えながら配置しています。
そうすると余計な窓が減り、エネルギーロスも減り、建設コストも抑える事ができます。

外観イメージ

また、天井高さは2.2m程度としています。
天井高さ2.4mの新築住宅が多いのですが、20センチ×2階分=40センチ高さが違うと建物全体の表面積が少なくなる事で性能面でのメリットがあります。実際に空間を体感すると2.2m程度でも天井が低いと感じる事はありません(もちろん感じ方に個人差はありますが)。
また、使用する建材量も抑えられるというメリットも。

そして吹抜け上部の屋根形状と天井高さにもひと工夫。
フラットな天井ではなく、屋根を葺き下ろした勾配天井にする事で吹抜け全体のボリュームを抑えつつ、上下階の繋がりを持たせています。
もちろん、外観のボリュームも抑えられるので付近に与える圧迫感も軽減されます。

断面図

次回は「温熱環境の性能チェック」へ

次回の更新では
今回の計画を元にチェックした性能のアレコレを
ご紹介していきたいと思います。

続く

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