見出し画像

「貨幣の信用」と「貨幣の価値」10  ―AとBと、大切な「C」―

嘘の数字を吐かせない方法は「数字」という「共通言語」を使うからこそ簡単な方法で防ぐことができます。
問題を出してみますのでちょっと考えてみてください。

第1問
A.政府が、ある価値を1000円だと言います
B.国民側は、ある価値を100円だと言います
全く同じ価値のはずですが、A.B.どちらかが嘘を吐いています。
A.政府とB.国民、どちらが嘘を吐いているのか、そして正しい価格はいくらか、証明してみてください。

この問題は「出題者に問題がある」状態ですね。
解答:証明不能・価格不明

では、次の問題。

第2問
A.政府が、ある価値を100円だと言います。
B.国民側は、ある価値を1,000円だと言います。
C.監視者が、ある価値を1,000円だと言います。
全く同じ価値のはずですがA.B.C.誰かが価格で嘘を吐いています。
A.B.C.の誰が嘘を吐いているのか、そして正しい価格はいくらか証明してみてください。

このように
第1問のA.B.の2人であれば不可能な証明が、A.B.に「C.監視者」を加えることで、第2問ではB.とC.が1,000円で一致しているので、結果的に唯一、数字の違うA.政府が嘘を吐いていることが分かります。

解答:A.政府が嘘を吐いている・正しい価格は1,000円

第3問
A.政府が、ある価値を100円だと言います。
B.国民側は、ある価値を1,000円だと言います。
C.監視者が、ある価値を100円だと言います。
A.政府、B.国民、C.監視者の誰が嘘を吐いていますか?正しい価格は?

解答:B.国民が嘘を吐いている・正しい価格は100円

第4問
A.政府が、ある価値を500円だと言います。
B.国民側は、ある価値を500円だと言います。
C.監視者が、ある価値を1,000円だと言います。
A.政府、B.国民、C.監視者の誰が嘘を吐いていますか?正しい価格は?

解答:C.監視者が嘘を吐いている・正しい価格は500円

分かりますでしょうか?
第1問ではA.B.の二点間だったため、どちらが正しいか、嘘を吐いているかが不明です。

しかし、そこにC.が加わった第2問以降の三点間では「誰が嘘を吐いているか」と「正しい価格」が証明・解答されているわけです。

つまり(嘘を吐くのは常に政府に限らず国民、監視者の場合もありますが)数字上の嘘を吐かせない方法とは、

第三のC.監視者

を置くことで解決されるわけです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?