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エッセイ

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これまでに書いたエッセイの中で、多く読まれたものや、力を入れて書いたものです。よろしければお好きなものをどうぞ。
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記事一覧

ミモザの日によせて

行きつけの花屋の前を通ったら、店先に黄色い花が並んでいた。 ミモザ。それはいつか部屋に飾…

おりちゃ
1か月前
83

しあわせのものさし

はて、どちらにしよう。 夫のいない週末。たまにはお肌のケアでもしようとドラッグストアへ向…

おりちゃ
5か月前
135

奥様、よなよなダンスをする

ハロウィン前日に『ゾンビ・デ・ダンス』というものを知った。 新しいもの好きの夫が見つけた…

おりちゃ
5か月前
93

家族との週末、よびさます記憶

週末は茨城の実家へ戻りました。 とくに何をするわけでもなく、両親の顔を見てのんびり過ごす…

おりちゃ
6か月前
106

旅の恥はかかぬがよし

恥を忍んで書く。 先日、宿泊したホテルで、間違えてうっかり異性のトイレに入ってしまった。 …

おりちゃ
6か月前
98

手のひらごしの未来と夢

月に二回、根付の彫刻教室に通っています。 根付とは、巾着や煙草入れ、印籠などを帯に吊るす…

おりちゃ
7か月前
101

奥さま、鏡の前でずっこける。

夫と結婚して10年、同棲期間を含めると12年がたつ。 我が家は自営業のため、ほぼ毎日24時間、夫とふたりで過ごしている。 夫婦とは、空気みたいな存在なのだろうか。 ◇ 先日、夫の友人夫婦とともに歌舞伎を鑑賞することになり、東京へ出かけた。 待ち合わせは夕方。それまで東京のまちをぷらぷら歩いた。 入谷の朝顔市のひとの多さに驚きつつ、下町情緒をたのしんだ。 東京国立博物館では、今の時期ならではの涼しげな浮世絵にうっとりした。 その日はとても暑かったから、博物館の地下に

いつも、そこにあるもの

奥日光へ行ってきました。 クリンソウを見に千手ケ浜をサイクリングする予定でしたが、駐車場…

おりちゃ
10か月前
169

父とあるく

今年のゴールデンウィークは、9か月ぶりに茨城の実家へ帰省した。 すこし、父のことを書く。 …

おりちゃ
10か月前
106

いつか虹色になって #髪を染めた日

わたしはヘアカラーができない、いわゆるジアミンアレルギーです。 40代になって髪を染められ…

おりちゃ
1年前
124

春はたけのこ

春が来るたびに、楽しみにしているものがある。 それは夫の実家から送られてくる、たけのこ。…

おりちゃ
1年前
120

思い出の街。変わらないで、なんて言わない。

3月末、出張で埼玉県越谷市へ行ってきた。 そのまちは、はじめて一人暮らしをした、思い出深い…

おりちゃ
1年前
119

わたしは、わたしを書きたい。ーつれづれノートー

2月になりました。寒い日が続いていますが、日差しが心なしかあたたかくなり、春が近づいてい…

おりちゃ
1年前
127

あわい

あいまいなものに惹かれる。 たとえば、水平線。 海と空の境界はどこにあるのだろうと、海を見るたび思う。 はっきり見えることもあれば、ぼんやり見えることもある。高いところから眺めるとより遠くに見え、その境目はかすむ。 水平線のうえに立ってみたい。でもここから見えたところまで船で行ったとて、そこはただ海の上。きっとまた空と海の境界が見えるだろう。 じゃあもっと遠くへ行ってみようか。終わりのないことを空想するのは楽しい。 夕暮れどきの空も好きだ。 水色からオレンジ色にかわる瞬