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「ネーミングと実力は比例しない」時を経て怒りが納得に変わった。

雨の日はどうしたことか急に過去が迫ってくる。
今日も夕方に突然思い出した。
ここで吐き出すことをお許し願いたい。

遡ればひと昔前になるが、某スイーツコンテストに応募したことがある。自主的ではなく業務命令。
「(関係者は)皆出しますから」のひと言に騙されて(なぜなら当人は応募していなかった!)、イヤイヤ100%の仕事であった。

アマチュア部門40作品中、最終審査8作品に残った。本選におよばれする僥倖でもイヤイヤには勝てず、これ以上ない重い足取りで会場入りした。

スイーツの出来は他作品の足元にも及ばないが、作品名(ネーミング)は気に入っていた。突然ひらめいて降りてきたものだ。

金賞銀賞には選ばれなかった。当然の結果。
さらに審査員の公表で耳を疑った。憤懣やるかたないとはこういうことだと思った。あまりの衝撃に正確な言葉は再現できないが、スイーツ界の重鎮はこのようにおっしゃった。

「○○様の『○○〇〇(作品名)』は、○○知事だけが(ネーミングを気に入って)推しました。」

わたしはイジられ系の芸能人ではない。イジられて喜ぶ性格でも年齢でもない。一般の見学者やマスコミを含めて会場にはゆうに300人は超えていただろう。
その中で一素人を笑い者にするのか。そんなに撮れ高が欲しかった?その超有名パティシエを蔑んだ。気分が悪かった。早く帰りたかった。
記憶を葬るために、スイーツコンテストへの応募はきっぱりやめた。


さらに歳を重ねて今日気づいた。
過去の言動の深掘りは、noteのおかげ。

超有名パティシエの公表が悪かったのではない。単なるわたしの傲慢だった。こんなにも単純明快な回答はない。

「知事はネーミング推しでも、我々プロは味の評価をキッチリします!」

見事に言葉を変えて公にした超有名パティシエは、知事に伝え(現職です)、製作者(わたし)に伝え、観衆には軽い笑いを取りながら言い切っただけなのだ。

「ネーミングと実力は比例しない」ことを。

文章や料理レシピを公開する時は、タイトルやネーミングでいつもつまずく。作り過ぎず、盛り過ぎず、かといってユーモアゼロはつまらない。あれこれ考える時間は嫌いではない。

「ネーミングと実力は比例する」を目標に、楽しみながら続けたい。

あの時の超有名パティシエは現在も超有名。
お名前と実力は比例しています。大好きです。


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