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藤原ちからの欧州滞在記2024 Day 19

水曜日。リュブリャナのバスターミナルへ。日本のように整列してバスを待つとかはありえないので、今日もここはカオスな雰囲気だ。やってきたFlix Busの運転手である大柄な白髭のおっちゃんは、そんなカオスな乗客たちをあしらうのに慣れていて、ミラーノ!ミラーノ!と大声でアナウンスする。運転手のおっちゃんはイタリア語話者のようだ。もちろん乗客全員がイタリア語を話せるわけではないので、混乱した人々の英語の声も聞こえる。「Trieste, due, per favore」と行き先と枚数を

    • 住吉山実里の欧州滞在記 2024/04/26

      たっぷり眠れて早朝、ウィーンに到着。飛行機を降りるとすぐに謎の大行列。シャトルでも待っているのかな、何だろうと、トイレで歯を磨きながら様子をみる、動かない。どうやら、いきなりイミグレーションになっているみたいだ。それから、スマホのインターネットの様子がおかしい。いつもなら「ようこそ!」ってSMSがきて前のめり気味に海外ローミングに繋げようとしてくるのに、電波が全然立たない。空港のwifiに繋げながら、どうしょうか思案する。空港のカフェで立て直すか、結構近いらしい市内のホテルま

      • 住吉山実里の欧州滞在記 2024/04/25

        出発前夜、予想通り寝付けない。オーディブルの30分入眠タイマーを何回も掛け直して、結局目覚ましの2時間前に目覚めて、もう起きてしまうことにした。寝坊しちゃうより断然いいしね。最後の片付けとパッキングをして出発。水筒をなぜかふたつ持ってきて、サングラスを忘れた。チェックイン列の先頭、沢山のダンボール箱をカートで押すスーツ姿のお父さんと、お母さんに手を引かれたランドセルの女の子。不安そうな顔、目が合って微笑んだら、ニコって返してくれた。海外赴任の帯同で、日本人学校に行くのかな。

        • 2024欧州滞在記 Day 18

          火曜日。結局またコインランドリーへ。朝は日陰はけっこう肌寒いけど、日向はだんだん暑くなってくる。Bunkerの事務所を訪ねて、コーヒーをいただきながら、モイッツァさんに同僚のみなさんを紹介していただく。前にここで働いてたという人が花を持って訪ねてきて、というのも今日はここのスタッフのひとりが誕生日とのこと。訪問してきた彼女はすでに仕事は辞めたものの、今も友人としての関係が続いているという。働いているのは全員女性で、モイッツァさんが最年長だけど、風通しのよさそうな雰囲気。歩いて

        藤原ちからの欧州滞在記2024 Day 19

          2024欧州滞在記 Day 17

          月曜日。スーパーでパンとバナナを買ってきて、ホステルのラウンジで朝食を済ませる。外食さえしなければそこまで経済的なダメージも大きくないし、1ユーロ170円という記録的な円安のことはあまり考えないようにする。実里さんも今年は最初からユーロに慣れているみたいで、1ユーロ100円くらいの感覚になってきたわ、と彼女なりの金銭感覚を培いつつあるらしい。 さてウィーンを出発。バスで5時間かけてリュブリャナへ。バスではほとんど眠っていて、気がついたらスロベニアへの国境を越えている。途中

          2024欧州滞在記 Day 17

          2024欧州滞在記 Day 16

          日曜日。朝10時半にウィーンを拠点にしている舞台芸術アーティスト・松根充和さんのご自宅へ。おそらく築100年ほどのそのアパルトメントは、みっちーが独自にリノベーションしたり、彼のお手製の家具などによって彩られていて、なんて素敵な家なんだろう。朝食をいただく。郊外の良心市で昨日買ってきたという白アスパラがめちゃめちゃ美味しい。 たっぷりインタビューした後、歩いてスタジオ兼事務所へ。彼の過去作品の写真や冊子を見ながら、さらにたっぷりインタビュー。合計で5時間、録音と録画をした。

          2024欧州滞在記 Day 16

          2024欧州滞在記 Day 15

          土曜日。午前中はホステルのラウンジで実里さんと事務仕事。部屋は陽当たり悪いけど、このラウンジは明るくていい。   ランチは「行列のできるケバブ屋」にチャレンジ。ふだんは行列系の店には行かないんだけど、肉を削ってる姿が美味しそうだし。レジがふたつあるシステムでよくわからないまま並んでみる。ケバブのプレートにレンズ豆のスープ。なかなか美味しくてかなりの量をぺろり。2人旅の良いのは食べ物をシェアできること。 地下鉄に乗って旧市街に行く。ステファン大聖堂の前でウクライナ反戦デモをし

          2024欧州滞在記 Day 15

          2024欧州滞在記 Day 14

          金曜日。朝7時半頃、ヨルゴスさんの車でシャトルバス乗り場まで送っていただく。彼は明日から日本に行く。彼らと日本との縁がこれからさらに深まっていったらいいなと思う。もちろんわたしもまたキプロスに戻ってきたい。   ラルナカ空港では、搭乗ゲートで「あなたビザはあるの? ちょっと待って確認するから」と一瞬止められる。東欧は実は初めてなので少し緊張するものの、無事に通過。空港はパスポートチェックも電子化されているし、航空会社ウィズエアーはチケットもスマホでかざす形式だけど、空港内で見

          2024欧州滞在記 Day 14

          2024欧州滞在記 Day 13

          木曜日。二日酔いはそんなにひどくなさそう。明日ここを去る準備をしつつ、近所で過ごす。教会前のカフェにお別れに行くと、映画の撮影をしているところだった。アトスはご機嫌で、昨日飲み過ぎちゃったよ、とわたしが言うと、知ってるよ、と笑う。熱いハグをして別れる。   芙美子さんが事務所に味噌汁を持ってきてくれる。ありがたい。昨日持ってきてくださった蓮根と炊き込みご飯も美味しかった。味噌はアジア食材店で手に入るらしい。今回は行けなかったけど、あの店、どういう流通ルートやネットワークで商売

          2024欧州滞在記 Day 13

          2024欧州滞在記 Day 12

          水曜日。朝、教会前のカフェへ。またココさんにご馳走になる。彼は残念ながら夜はお孫さんの世話があるからパーティには来られないとのこと。でもアトスは来てくれるとのこと。 ナイレが、これを実里に渡してほしいと言って手作りの魔除けをくれる。実里さんはナイレのことが大好きだからきっと喜ぶだろう。お母さん手作りの料理をたくさん持ってきてくれた。ご両親にもお会いしたかったな。去年はおうちにお邪魔したのだった。   自転車で「北」へ向かう。市場周辺をうろつくつもりだったけど、そうだ、去年U

          2024欧州滞在記 Day 12

          2024欧州滞在記 Day 11

          火曜日。大々的に洗濯を手洗いで。ここは陽当たりがよくて多少絞りが甘くてもすぐ乾くから、ヨーロッパ中心部に入る前にそれなりに整えておきたい。 夕方、ミラノと横浜とここニコシアとを繋いで、今度トークをする建築家のニーナさんと話す。うん、なんかこのイタリアの感じ久々で嬉しい。本番は即興でやるのと質問事項とか用意するのとどっちがいい?と訊かれたので即座に「即興がいいです」と答える。   自転車で買い物に出かける。実はカイマクリの教会の裏側はそんなに行ったことなくて、行ってみると当然

          2024欧州滞在記 Day 11

          2024欧州滞在記 Day 10

          月曜日。今日は東京の専修大学で実里さんとorangcosongアソシエイトメンバーの松橋萌さんがゲスト講義をしてるはずなので、少しそわそわする(後で柴田隆子先生から送っていただいた学生さんたちのコメントを読むかぎり、かなり響くものがあったみたいでよかった)。 午前中は教会前のカフェへ。去年に続いてまたもココさんにコーヒーをご馳走になる。ちょうど仲のいい人たちが勢揃いしていたから、渡しそびれていた日本からのお土産(八ツ橋スナック)をスケヴィさんに渡して、ギリシャ語でオススメの

          2024欧州滞在記 Day 10

          2024欧州滞在記 Day 9

          日曜日。今日こそは「北」へ行こう。歩いて行くつもりで出発。でも暑いな……。ちょうどバス停で人が待っているから、バスに乗ることにする。挨拶。なんとなく話が始まる。おふたりはスリランカ出身で、もう10年以上キプロスに住んでいて、老人の身の回りの世話をしているらしい。バスは、去年は2ユーロだったのに、2.5ユーロに値上がりしているとのこと。Facebookやってる?と訊かれ、これも何かのご縁ということで連絡先を交換。一緒に30分は待っただろうか、バスは来ない。通りがかった、やはりス

          2024欧州滞在記 Day 9

          2024欧州滞在記 Day 8

          土曜日。少年が凧をもらいに訪ねてくる。このUrban Gorillasの事務所は今やカイマクリ地区の子供たちに大人気のホットスポットになっている。アラビア語が彼の言語だとわかり、Google音声翻訳で会話を試みる。少年の名前はカーラン。今あげられる凧はひとつだけで、あとは糸が絡まっていて無理だから、月曜か火曜にまた来てよ、と言うも、兄弟にもあげたいからもっと凧ちょうだい、となかなか譲らない。なんとか説得したら、今度は、自転車でどうやって凧を持ち帰ったらいいかボクわからない、と

          2024欧州滞在記 Day 8

          2024欧州滞在記 Day 7

          昨夜は『Green Border』の影響かすぐに寝付けなくて、4時頃にようやく眠る。朝8時過ぎにふと目覚めたらミカさんからメッセージがあって、コーヒーでもいかがですか、とおうちにご招待いただく。去年の日記にも書いたように、ミカさんやフミコさんはなぜか従姉妹みたいな気がして話しやすい。 今回のヨーロッパ滞在に向けて唯一獲得できた助成金が京都芸術大学の「共同利用・共同研究拠点」の研究プロジェクトで、在欧日本人アーティストたちの拠点を訪ねて一緒に時間を過ごす、という提案で採択し

          2024欧州滞在記 Day 7

          2024欧州滞在記 Day 6

          木曜日。朝、ヴェロニカさんの車で買い出しへ。ドライブがてら、猫探しの進捗状況を話す。わたしは放置してても大丈夫なタイプだし、特に心配されてないとは思うけど、とはいえ無料で泊めさせてもらっている以上、それなりの成果を挙げる(かもしれない?)ということは伝えておきたい。 一昨年、新潟から来た人たちが凧をつくるワークショップをしたみたいで、その凧をナイレが整理している。近所の子供たちにあげることになった。まだあるから、友だちに伝えて!と言うと、すぐに彼らはまた取りにきた。   午

          2024欧州滞在記 Day 6